デブサミ

<デブサミ2013>タブレット進化論

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2013年2月18日]

 東京・目黒雅叙園にて開催された『Developers Summit 2013』。その最終枠のセッション『タブレット進化論』に参加してきました。
 スマートフォンとともに進化、普及してきたタブレット端末の歴史と現状、さらに未来について、フリーランスITジャーナリストの星暁雄氏による講演が行なわれました。

星 暁雄
ITジャーナリスト。日経BP社で『日経エレクトロニクス』記者、オンラインマガジン『日経Javaレビュー』編集長などの経験を積み2006年に独立。現在はフリーランスとして活動。半導体、プログラミング言語、オペレーティングシステム、エンタープライズIT、インターネットサービス、スマートデバイスなど、幅広い分野の取材執筆経験を持つ。イノベーティブなソフトウェア分野全般に関心あり。「最近は現実世界のモノとソフトウエアを結ぶ技術に特に注目しています」
Blog:ITジャーナリスト星暁雄の”情報論”ノート

自己紹介



ITジャーナリストとしてタブレットの進化について話しておきたい。

スマートデバイスとその現状


PCとは違った特徴を備えるタブレットは、特にクラウドデバイスの本命と考えられる。


世界は、iPhone登場以降の5年で激変。そのサインは次のように説明することができる。

iPhone、iPadに牽引されたアップルの成長

アップルは4年で4.4倍の売上を記録。アップルをハードウェアメーカーとして考えた場合、この成長は驚異的なものである。

モバイルデバイスの爆発的普及

iPadはiPhoneの3倍、AndroidはiPhoneの6倍の速度で普及。特に、スマートフォンに比べて大きなiPadがこれだけのロケットスタートを切れたことは意外だった。
その結果、Android+iOSは、PCで絶対的な地位を築いたWintel(Windows&Intel)を越えてしまった。

PCの不調。そしてスマートデバイスへ

モバイルデバイスの爆発的普及の影響を受けたPC業界は不調に陥り、本格的なスマートデバイスの時代を迎えた。

スマートデバイスのOS

スマートデバイスに搭載されるOSは、AndroidとiOSでシェアを独占。第三のOSは混戦状態となっている。

ユースケース


タブレットに対する目線は、エンドユーザーとエンタープライズ(企業)ユーザーでは異なる。エンタープライズでは、事務室ではなく、店頭や工事といった現場での使用を期待していることが、取材で明らかになった。

ケーススタディ:大和ハウス工業

住宅展示場で営業マンが使用。分厚く見栄えの悪いカタログがスマートになった。

ケーススタディ:大林組

現場での書類管理などに使用。図面の数が膨大で、更新も多いため、電子化のメリットは大きい。

タブレット活用の広がり

この他、iPadを使ったPOSレジなどを中心に、教育、医療、農業などさまざまな分野で実用化が進んでいる。


ロボットの頭脳としてタブレットを活用する例も。

この先どうなる?


スマートデバイスの、ここまでの普及を予測することが難しかったように、今後を予測することは簡単ではない。ただし、ヒントがまったく無いわけでもない。過去の分析と現在の最前線から、この先のタブレットについて考えてみよう。

日本とアメリカにおける、過去の「タブレットのようなもの」

ペン入力のデバイスがブームに。Palm OSがPDAで一時代を築く。日本においてはシャープ「ザウルス」が人気を博す。

Go『PenPoint』。初期のハンドヘルド向けOSの1つ。

Sony『MagicLink』。OSにMagic Capを搭載。このOSは、Appleが設立したベンチャーGeneralMagic社が開発。同社はQuickDraw、MacPaint、HyperCardなどの作者である天才プログラマBill Atkinson氏が在籍していたことで知られる。後にAndroid社を設立したAndy RubinもGeneralMagic社のエンジニアだった。


Apple『Newton』。タッチ式UIのiPhoneを世に出したスティーブ・ジョブズがいなかったころのプロダクト。

Sun Microsystems『*7(Star 7)』。このデバイスのための開発言語がJavaであった。

iPadは何が違った?

過去のデバイスに、無かったものを搭載し、有ったものを忘却した。

ヒント:低価格機

世界では、すでに10億台を超えるスマートデバイスが使われている。これは金銭的に豊かな層には行き渡ったことを意味する。
例えば、iPhoneは世界の大多数の人にとって大変高価である。このままアップルが、廉価な端末を用意できなければ、成長は鈍化する可能性が高い。


低価格機の象徴として、インドのAaKashが紹介された。

ヒント:逆張り

Galaxy Noteのヒットは注目に値する。また、スクリプティングがNGのiOSデバイスに対して、“Android+スクリプティング”には可能性を感じる。


ペン入力、モノクロ、スクリプティングと、iPadのまったく逆をいくタブレット『enchantMOON』が開発されている。

未来のタブレット

以上のヒントから導き出される未来のタブレット像。

まとめ


タブレットは、エンタープライズにおいて、ますます普及が見込まれる。同時に、それによって思いもよらなかった使い方がなされるようになるかもしれない。最近では“ファブレット(フォーン+タブレット)”という言葉も聞かれるようになり、スマートフォンとタブレットの境目はなくなりつつある。大きさでの呼び分けに変わり、通信回線付きであればフォーン、そうでなければタブレットと呼んでもよいわけだ。


星氏は、7インチの端末を(できれば自腹で)手元におくのがオススメとのこと。

 以上、星暁雄氏による講演でした。
 タブレットやスマートフォンが、その普及に伴って多様化するさまは、まさに進化と呼ぶにふさわしいものです。そのまっただ中にいる皆さんには、その進化をぜひご自身で体験して頂きたいと思います。

関連記事
Webブラウザの時代は終わるのか?~スマホアプリとHTML5の未来~< デブサミ2013>
O2Oのデザイン~リブライズの次のステップ~< デブサミ2013>
HTML5で作る高速でリッチなウェブアプリとスマホブラウザの”表現力戦争”< デブサミ2013>
2013年、日本がWebの大舵を切る!モバイル HTML5 による世界への挑戦< デブサミ2013>

コメントは受け付けていません。

PageTopへ