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知ってた?auの契約者情報は、広告会社medibaでも利用可能

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by [2013年1月25日]

スマホでインターネットをしているうちに、興味のある内容のバナー広告が出てくる確率が上がってきたと感じたことはありませんか?
多くの広告事業者はユーザーの興味にマッチする広告を出せるよう、日々工夫しています。
そのために、ユーザーの情報や行動を収集しているのです。

auの契約者情報は、広告事業者medibaへ

株式会社medibaは、主にモバイル向けの広告事業を営むKDDIの子会社です。本社は2012年4月26日に開業したばかりのテナントビル渋谷ヒカリエにあり、KDDIやDeNA、LINEで話題のNHN Japanと一つ屋根の下です。株式はKDDIが51%、博報堂DYメディアパートナーズが32%を取得しています。※2013年1月25日現在

auショップや携帯ショップなどで携帯を新規契約する際には、契約書に正確な個人情報を記入することが求められますよね。2012年12月から、その情報の一部がKDDI子会社であるこのmedibaでも利用可能になっています。

利用の目的は、広告配信の効率化。
株式会社mediba広告事業本部の野崎勝弘氏は宣伝会議の取材に対し「年齢・性別・居住地などの情報でセグメントすることができるようになりました。現在は、先行してスマートフォンのアドネットワークであるmedibaadで開始していますが、今後はDSPへの展開も予定しています」と語っています。
※DSPとは、Demand-Side Platformの略。広告主が広告配信を管理し、配信結果の分析を効率的に行うためのプラットフォームを指します。媒体(広告を貼って収益を得る側)目線の管理・分析ツールはSSPと言います。

個人端末で確認してみた


au IDにログインし、広告配信活用情報の設定を確認してみると、東京都在住・30代・男性という端末契約者の正確な情報が表示されました。
デフォルトの設定は、広告配信のためにこの情報を活用することを「許可」するものでした。
※こういった個人情報利用・公開のデフォルト設定について、米国では訴訟問題になっています。詳しくは取材記事スマホ利用者情報をめぐる法的問題と日米訴訟事情をご覧ください。

また、auスマートパス・うたパス・ビデオパスなどau公式サービスの加入状況も広告に利用できるようになっています。これは広告主にとって非常に有益な情報だと思われます。たとえばスマパスにアプリを提供している開発会社が、スマパス加入者だけにバナー広告を配信することが可能になるわけです。無駄打ちをかなり減らせそうです。


自分でも確認してみたいauユーザーの方は、
au ID(http://www.au.kddi.com/smt/id/index.php)にログインし、メニューからご利用中のサービス>広告配信と進んでみてください。すると活用情報を取得していますと表示されるので、1時間くらい経ったら再度アクセス。すると活用情報が出てくるかと思います。契約時に記入した正確な情報だったでしょうか?
au IDが分からない方は公式Q&Aをご覧ください。

この仕組みを広告配信以外に使えば、ネカマ排除SNSなんていうものも作れそうです!
(そんな理由でキャリアが性別情報をくれるとは思えないので、実現は無理でしょうが)

法人端末で確認してみた


法人契約しているau端末で確認してみると、性別と年代がブランクになっており、居住地だけが記載されていました。性別と年代の情報が無い端末は法人端末である可能性が高いと捉えたセグメントも可能かも?ただし、個人端末でこうなる可能性が無いとは言い切れないので、一概には言えませんね。

medibaが取得・利用している情報

medibaは、広告配信における利用者情報ポリシーを公開しています。
氏名、生年月日、メールアドレス、クレジットカード情報等、個人情報保護法に定める特定の個人を識別する個人情報は一切取得・利用していないと書かれています。

そして、取得・利用しているのが以下の情報です。

当社は、利用者が、PCまたはスマートデバイス(以下「電子デバイス」といいます)を利用し、当社が提供する広告を配信するソフトウェアが組み込まれているwebサイトまたはアプリ(以下「対象サービス」といいます)を、閲覧または利用した場合に、以下に記載する利用者情報を自動的に、単独または複数、取得(広告配信サーバへ格納)、または利用いたします。

利用履歴に関する情報


①対象サービス情報
利用者が、閲覧または利用した対象サービスに関する情報
②時刻情報
利用者が、対象サービスを閲覧し、または、利用した時刻
③リファラー情報
利用者が、対象サービス以外のwebサイトまたはアプリ(以下「外部サービス」といいます)上に設置されたリンクから遷移することにより、対象サービスを閲覧または利用した場合における、当該外部サービスのURL
④広告閲覧・クリック情報
利用者が、閲覧またはクリックした対象サービス上の電子広告に関するカテゴリ情報(利用した電子デバイスに関するカテゴリ情報、訴求商品に関するカテゴリ情報等をいう)

端末を識別するための情報


①PCまたはスマートデバイスのブラウザ上の対象webサイトを閲覧した場合
対象webサイトから、ご利用のcookieに、当社IDを保存いたします。
②Android向け対象アプリを利用した場合
ご利用のAndroid搭載スマートデバイスのSDカードに、当社IDを保存いたします。
③iOS向け対象アプリを利用した場合
ご利用のiOS搭載スマートデバイスのペーストボードに、当社IDを保存いたします。

その他の情報


①IPアドレス情報・ユーザーエージェント情報
利用者が、対象サービスを閲覧し、または利用する場合に、通信をする上で必要となるIPアドレス情報およびご利用の電子デバイスのOS、OSバージョン情報、機器名等の情報
②属性に関する情報
当社は、KDDI株式会社(以下「KDDI」といいます)から、広告配信に関する業務の委託を受け、利用者に最適な広告を配信するために、KDDIが保有する属性情報(個人情報は含まれません)を利用する場合があります。
※活用情報の確認・設定は、こちらをご参照ください。
※当社は、KDDI株式会社のグループ会社です。

最後の「属性に関する情報」が、記事の前半でお伝えしたものです。
考えにくいことですが、仮に全てのウェブサイト・全てのアプリにmedibaの広告ユニットが組み込まれ、情報取得が可能な状態になっていた場合、auユーザーのスマホでのコンテンツ利用行動全てと年齢・性別・居住地が結び付けられて取得できるわけです。medibaのシェアが拡大するほど取得できないユーザー行動が少なくなり、スマホでどんな人がどんなことをしているかという大量のデータを得ることができるようになります。それらを分析した結果見えてきたことを、もしmedibaが公開してくれたら、かなり面白いものになりそうです。広告主の立場に居る方は、おそらくこれを活用するのでしょう。

情報を取得される側にも拒否権はあって、mediba ad ターゲティング広告のオプトアウト設定を行うと取得されなくなります。好きそうな広告を分析されて提示されることに反吐が出るという方は設定してみてはいかがでしょうか。
しかしターゲティング広告はどこの広告事業者もやっているので、medibaだけオプトアウトしてもあまり意味は無いでしょう。GoogleもYahoo!もやっていることです。オプトアウトしないと勝手に取得されるのも、どこもだいたい同じです。

問題点

mediba:企業努力?それともずるい?

キャリアに渡した契約情報という正確性の高いユーザー情報を、medibaはKDDIの子会社という立場を利用して取得しています。これは、キャリアとグループ会社関係に無い広告事業者には得られない情報です。
モバイル向けの広告事業者は数多く存在しますが、その中でKDDIから情報をもらえるというのは大きな差別化要因になるでしょう。しかし、これを差別化のための企業努力と言っていいのでしょうか?

KDDI:周知無し・デフォルト許可という姿勢

KDDIの持っている契約情報をmedibaに渡せるということは、スマホ広告の関係者でもない限り大半の方が知らないのではないでしょうか。ユーザーはキャリアに多くの個人情報を預けており、電気通信事業法に定められた電気通信役務を負うキャリアに対して、安全・安心であることを期待しています。安全・安心を期待できるからこそキャリアの各種サービスを利用しているユーザーも多いことでしょう。
その点からいえば、キャリアはGoogleやYahooといった企業よりも個人情報取り扱いに対する責任の範囲は広く、ユーザーの信託であると言えなくもありません。現状のauユーザーに充分周知されていない状態でデフォルトを「許可」にする姿勢には、疑問を覚えます。

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