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AIでがんを発見! 人工知能を活用した医療システムの開発プロジェクトが始動

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by [2016年12月05日]

国立がん研究センター、株式会社Preferred Networks、産業技術総合研究所、人工知能研究センターは、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)における「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」研究領域に採択され、人工知能技術を活用した統合的ながん医療システムの開発プロジェクトを開始することを発表しました。

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膨大なデータを深層学習で解析

いまや国民の2人に1人が、がんになるといわれています。早期発見が難しいがんもあり、発見までに長い時間がかかることがあったり、初めて診断でがんではないと云われても、実はがんだったということもありえます。さらに同じがんでも個々人の症状は異なり、がん医療の発展は必要不可欠です。

国立がん研究センターは、これまで世界でもトップレベルの研究を長い間継続的に行っており、膨大ながんの診断データが蓄積されていますが、レントゲン画像や検診情報、血液検査の情報など、データの種類が多様で、統合的に解析することができませんでした。しかし最近では、データの電子化・構造化が進み、深層学習を使ったAI技術の発展もあり、構造化されたデータはもちろん、構造化されていない多様ながんのビッグデータであっても、統合的に解析することができるようになりました。それに伴い、がん医療の質の向上が期待できます。

すでにPreferred Networksではがん診断に深層学習技術を適用することで、様々ながんの早期予測精度を画期的に改善できることを示しています。そこで最先端のAI技術を導入することで、より迅速でかつ精度の高い診断・治療および創薬システムを、産・官・学が密接に連携して開発するようです。

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がん医療に伴うAI開発においては、電子化・構造化されたデータだけでなく、様々な非構造化がんデータベースの構築と、その多彩なデータベースを解析できる機械学習・深層学習技術の開発が必要になります。そのため、このプロジェクトでは、まず、機械学習・深層学習の適用が可能な正規化されたがんのデータベースを構築し、その上で機械学習・深層学習を利用して解析を行うようです。解析する対象としては、クリニカルシークエンス(*1)データ、ヒストン修飾(*2)を中心としたデータ、血液検査データに重点が置かれ、より正確ながんの診断、個々のがん罹患者にあった治療法の選択、創薬へ応用されます。今後はCREST事業が求める最初の2年4ヶ月で概念実証を目指し、5年後を目処に実用化を目指していくようです。

*1 臨床検体を用いたがん関連遺伝子変異の網羅的解析。
*2 クロマチン構成タンパク質であるヒストンに認められるアセチル化、メチル化、リン酸化、ユビキチン化などの化学修飾

以前にはIBMの人工知能「Watson」が患者の病名を見抜いたというニュースもありましたが、これから本格的に人工知能が医療現場に導入されていきそうです。こういったシステムができて、どこでも受診できるようになると、病院に行くことが困難なお年寄りの方などにはありがたいものになると思います。

▼関連リンク
国立がん研究センター
株式会社Preferred Networks
産業技術総合研究所
人工知能研究センター
日本のがん罹患数・率 2012年データ
がん統計

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