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IoT、金融、創薬分野にも! ディープラーニングの限界を超える富士通の新技術『Deep Tensor』

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by [2016年10月26日]

株式会社富士通研究所は、人やモノのつながりを表現できるグラフ構造のデータに対して高精度な解析を可能とする機械学習技術『Deep Tensor(ディープ テンソル)』を開発しました。これは従来のDeep Learningの限界を超えて知を獲得する機械学習技術で、早速IoT・金融・創薬分野で効果が検証されています。
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これまでの課題を一蹴!

近年、機器間通信を行うIoTや口座間取引のログデータを扱う金融、化学物質の組成のデータベースを活用する創薬など様々な分野で、人やモノのつながりを表すグラフ構造として表現できるデータが大量に蓄積され続けています。

しかしこれまで、グラフ構造として表現できるデータの処理には課題が残っていました。これは、データの特徴要素を自動的に抽出できるという点で画像や音声の認識等で注目されているDeep Learning技術が、構造が複雑で大きさや表現方法などが多様なグラフ構造のデータには適用できなかったことが大きな要因です。したがって従来は、グラフ構造のデータの分類では、あらかじめ人が注目した一部分のグラフが、分類対象のグラフ構造データ中に含まれるかどうかに基づいて分類していました。しかし、大量のグラフ構造データを分類の対象とする場合はあらかじめ注目した部分グラフでは表現できない特徴も多く、高精度な分類の実現には限界がありました。

今回のDeep Tensorでは、Deep Learning技術をグラフデータにも適用することが可能になり、膨大なグラフデータからも分類不可能なデータが出ることがなくなりました。今までの不可能が可能になったという点で、とても画期的な開発ですね。

テンソル分解技術

Deep Tensorを支えるのは、最先端のデータマイニング技術であるテンソル分解技術です。テンソルとはベクトルや行列を拡張した数学表現のことであり、この技術によって多様な表現形式を持つグラフ構造のデータを統一的表現に変換することが可能になりました。
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具体的には、グラフ構造のデータをテンソルを用いて表現した後、テンソル分解を用いて統一的な表現形式に変換します。従来は、類似するグラフ構造のデータを必ずしも類似するテンソル表現に変換することができませんでしたが、今回は基準となる任意のパターンとの類似度を最大にするようにテンソル分解を行う技術の開発が行われました。

もう1つ、今回開発された技術としてニューラルネットワークの学習と同時に統一的表現を最適化する技術が挙げられます。この技術では、ニューラルネットワークの学習過程で通常用いられている誤差逆伝搬法の適用範囲がテンソル表現まで拡張されました。誤差逆伝搬法とは、ニューラルネットワークの分類誤差を減少させるアルゴリズムです。
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Deep Tensorでは、基準となるパターンを変化させたときのニューラルネットワークの分類誤差の変動の大きさからテンソル表現の基準パターンが更新されます。これにより分類精度を最大化するように統一的表現も同時に最適化することができるのです。

幅広い分野での効果が期待!

Deep Tensorは様々な分野に応用できますが、既に以下の2つの分野で実験が成功しており、今後も大きな役割を果たしていくと考えられています。

まず1つ目は、医薬品開発です。具体的には、コンピュータ上で医薬品の候補化合物を探索するバーチャルスクリーニングに適用した際、従来技術の約100倍となる数10万種規模で化合物の構造と活性の関係が学習されました。また、既存技術では捉えられていなかった特徴が抽出されたことで、既存技術に比べ約10%の向上となる約80%の活性予測精度も達成されました。これにより、医薬品開発における開発期間やコストを大幅に削減することが期待されています。

そしてもう1つは、侵入検知のベンチマークデータへの適用です。ホスト間の通信関係を表すグラフ構造のデータから不正や攻撃の検知を行った際、既存手法と比較して2割以上の誤検知が削減されました。このことから、ネットワーク監視業務の効率化が期待できますね。

その他にも、電子通貨の取引履歴や融資仲介サービスの融資履歴などに適用することで、不正な金融操作の高精度な検知や融資可否の精緻な判定なども可能になると考えられています。コンピュータやIoT機器などの通信ログや、金融取引、化学組成などのグラフ構造で表現できるデータを活用して新たな分析ができるようになるということですね。

このように、今回開発された機械学習技術は様々な分野の最先端で活躍することが期待されています。機械化が進む現在、Deep TensorはAIを効果的に利用して暮らしを便利に、効率的にすることに貢献してくれることでしょう。

▼参考リンク
株式会社富士通研究所

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