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【Unity VR EXPO AKIBA】介護訓練VRシステムで寝たきりのおじいちゃんを車椅子に乗せる

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by [2016年7月21日]

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2016年7月17日(日)アキバ・スクエアにてUnityを用いたVRコンテンツの展示会「Unity VR EXPO AKIBA」が開催されました。10時半の開場前には、秋葉原UDX 2Fのデッキには入場待機列が長く伸び、VRコンテンツに対する関心が日に日に高まっている様子が感じられました。

Unity VR EXPO AKIBA デモリール

▼目次
介護訓練VRシステムで寝たきりのおじいちゃんを車椅子に乗せる
リュック内にモーションセンサーを搭載、自由に空を舞う「飛べると!」
HTC Viveで「VR賽の河原」「SPACE TENNIS」
VR空間でイラスト描き「ペンタVR」「Intersubjective Supace」
プレイヤーの動きを検知「VR Walk & Run」「Wight Runner(仮)」
世界中の忍者ファンの憧れ!? 「忍VR」で印を結んで敵を撃破
華麗な演舞で魅せるアクションゲーム「CIRCLE of SAVIORS」

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介護訓練VRシステム(株式会社スリーディー)

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協賛企業のひとつ、株式会社スリーディーブースでは「介護訓練VRシステム」が展示されていました。これはその名の通り、VR空間で被介護者モデルに触れて、介護・介助の訓練をするシステムです。株式会社スリーディーと豊橋技術科学大学機械工学系システム制御研究室が共同研究し、開発しています。

使用されている機材はOculus RiftとKinectです。プレイヤーが動く必要があるためブースは広めですが、トラッキング範囲はさほど広くありませんでした。

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訓練の内容は、寝たきりのおじいちゃんをベッド横に置かれた車椅子に移動させること。Kinectによってプレイヤーの動きがリアルタイムでVR空間に反映されます。残念ながら現在の技術では腕の裏表が識別しづらく、VR空間に見える自分の腕はあらぬ方向にねじまがっていましたが、今後技術の発展により改善されるでしょう。

さて私には介助の経験がありません。介護士さんによる介助を間近で見たことはありますが、そのときに行われていたのはベッドからストレッチャーに移動させるものでした。複数人の介護士さんが力を合わせて、シーツを使って移動させていました。腰を傷めるのも無理ない重労働です。完全に寝たきりの方(ベッドに腰かける力がない方)を一人で車椅子に移動させるのは無理じゃないかな……と思いつつ、訓練体験開始です。

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寝たきりのおじいちゃん(被介助者)の身体の下に腕を差し入れて、ゆっくりと体勢を変えていきます。トラッキングやLeap Motionによる腕の表現があいまいで、うまくいきません。そもそも寝ている人をどうやって移動させていいのかわかりません。

このあとなんとかおじいちゃんを持ち上げて(!)腰を落としつつズリズリと後退し、車椅子まで移動させることに成功したのですが、うまくおろすことができなくて失敗してしまいました。バーチャルなので過重はゼロなのですが、すでにへとへとです。実際の被介助者には当然体重が存在します。誰かを介護するためには間違いなく訓練が必要です。

以前私の祖父が転んで圧迫骨折した際、救急車を呼んで病院に搬送していただいたことがあります。怪我自体は幸いにも軽傷で2泊3日で退院できたのですが、そもそも入院にいたったのは「祖父が重すぎて小柄な祖母と運転免許のない私には介助も病院への送り迎えもできないから」でした。痛い痛いと言いつつ祖父は自分で歩けていたのですが、トイレに行こうとしてベッドから起き上がれず、私と祖母の2人では祖父を座位にしてあげることができず、痛みが落ち着いて自力で座位が取れるようになるまで病院のお世話になりました。

あれから数年が経ち、祖父はまだ元気です。祖母と毎日散歩に励んでいるようです。ですが、なにがきっかけで寝たきりになってしまうかわかりません。もしそうなったら専門の介護士さんにお任せするしかないだろう……と考えています。

VRによる介護訓練は画期的なアイディアだと思います。展示されていた介護訓練VRシステムが改良されれば、近い将来、介助方法を勉強する大きな手助けになることでしょう。少なくとも「どのような手順で」「どのように支えて」「どのように移動させる」という流れを学ぶことはできます。

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同時に展示されていたのが、「ジェスチャーコントロール」と「ハプティックデバイス」です。ジェスチャーコントロールはLeap Motionを用いた技術です。介護訓練VRシステムに重要なのはハプティックデバイスです。

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ハプティックデバイスは豊橋技科大で研究開発中の新技術で、腕などに装着して用います。VR空間で物を持ち上げたとき、その物の重みを腕に伝えるためのデバイスです。将来的には介護訓練VRシステムとハプティックデバイスを組み合わせることによって、被介助者の重みをプレイヤー(訓練者)に伝えることが可能となるそうです。

展示されていたのはペンタブレットのようなデバイスで、VR空間でジェンガを楽しむことができました。実際のジェンガに触れているのに近しい感覚が得られるので、繊細な操作をしないとあっという間にブロックは崩れてしまいます。私はとてもぶきっちょなので、1つも積むことができませんでした……。ペン型デバイスというのがちょっと独特で、人によっては操作に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。Leap Motion(ジェスチャーコントロール)と、装着型のハプティックデバイスを組み合わせると、より直観的で繊細な操作が可能になると思います。

VR技術というとやはりゲームやアトラクションが目立ちます。しかし介護訓練VRシステムのように、実際の生活に結びつく分野でも研究が進んでいます。「自分はゲーマーではない」「VRを使った遊びには興味がない」という方にとっても、VR技術はとても有用なもので、いずれ身近なものになるだろうと強く感じました。

▼関連リンク
Unity VR EXPO AKIBA
株式会社スリーディー
Unity VR EXPO AKIBA 出展のお知らせ ~「介護訓練VRシステム」のデモ~
豊橋技術科学大学 機械工学系 システム制御研究室
Oculus
Oculus Rift
Kinect
Leap Motion

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