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カジュアルアプリの最新マネタイズ「動画リワード+○○」アドフリくんが提唱するハイブリッドとは?

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by [2016年7月12日]

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adfully_komuro 2016年7月4日、渋谷ファーストプレイスオフィスにて、アプリマネタイズのトレンドがわかるセミナーイベント「アドフリナイトvol.9 with カイト」が開催されました。
 最初に登壇したのは、スマホアプリに特化したSSP「アドフリくん」を運営する、株式会社ADFULLYの代表取締役 小室喬志氏(写真)です。ADFULLYは去る6月30日にグリーグループに加わったことで話題を呼んでいます。
 今回の講演では、効果的な動画リワードの導入法や実装の注意点、動画リワードと課金の相乗効果、そしてグリーグループに加わった「アドフリくん」が目指す方向性について語られました。

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グリー傘下でも「メディア発のスマホ特化SSP」は変わらない

 「アドフリナイトvol.9」のテーマは「課金と動画」なのですが、トップバッターとして今回のセミナーの主旨と、動画リワードに関するデータや実装のコツなどをお伝えいたします。
 まず初めに6月30日にニュースになりました、弊社がグリーグループに参入し、Glossom株式会社の子会社(グリー株式会社の孫会社)になった件についてお話いたします。

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 グリーグループに参加した狙いは2つあります。
 まず1つ目は、グリーグループの巨大な資本力や技術力、人的リソースをアドフリくんに活用したいということ。2つ目は、Glossom株式会社は動画に非常に力を入れているのですが、今後大きく成長してく動画市場を見据えて、より良い動画サービスをGlossomと共同で開発し、皆様に届けたいということです。
 2016年末から来年にかけて、広告のありかたは大きく変わると予測しています。これまで広告といえば「バナー・インターステシャル・動画リワード」の3点セットでしたが、バナーが減り、動画広告が存在感を増してくると考えています。
 2013年にアドフリくんを立ち上げてからこれまでの3年間は、皆様と同じメディアの立場で開発された「メディア発」のSSPとして、メディアが本当に求めているニーズを把握し、競合他社のどこよりも早く出すことで、アプリのSSP市場をけん引してきたと思っています。これからの3年、Webと同様にアプリのアドテクはかなり進化していくでしょう。アドフリくんには開発リソースと技術力の強化が必要でした。
 SSPの競合他社といえばKDDI系列の「Ad Generation(アドジェネ)」や博報堂系列の「AdStir(アドステア)」といった大手企業が多いのですが、当社がグリーグループに加わることで資本力や開発リソース面でも同じスタートラインに立てるのではないかと思っています。また、アドフリくんの価値は「100%メディア目線の提案ができる」点であり、Glossom様にはその価値をご理解いただいています。ですので、アドフリくんの基本的なポリシーについては変わらず、技術力や人的リソース、資金力の面でアドフリくんをガンガンサポートして頂けると思っていただければと思います。

メディア発・アプリ特化のSSP「アドフリくん」とは

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 「アドフリくん」はアプリに特化したSSPです。AdColonyやAppLovinなど、動画リワードに相当注力しています。また動画リワードだけではなく、インターステシャルのバナー枠や、モバイルバナー枠でも動画広告を配信できるようになっています。いまアドフリくんの動画は様々なキャンペーンを行っています。動画リワードの「Vungle」さんとは7月の売り上げが25%アップするキャンペーンやっていて、1次締切で50枠以上の応募がありました。2次募集は7月12日までなので是非使っていただきたいと思います。また、同じく動画リワードの「SmaAD Video」といち早く連携し、利用した全メディアに再生単価2円(eCPMだと2,000円前後)を保証して頂いています。今「SmaAD Video」と連携しているSSPはアドフリくんだけです。Android版も近日リリースの予定です。あとはインターステシャル枠でも動画アドネットワークの「App-CM」さんと7月31日まで、CPC20円を保証して頂くキャンペーンを行なっています。アドフリくん独自の動画キャンペーンをドシドシ行ないますので、興味を持たれた方はお問い合わせください。

「カジュアル」から、広告・課金両方を取り入れた「ハイブリッド」へ

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 さて本日のテーマである「課金と広告」についてお話します。先日よりカイト株式会社さんと業務提携しております。itemstoreとアドフリくんがコラボして、アドフリくん経由でitemstoreを使うと月額利用料金が無料になるようなキャンペーンをやっています。なぜ無料にできるのか? それは僕たちが負担しているからです(笑)。なぜ利用料を当社が負担してまでitemstoreを広めたいのかというと、今年から来年にかけて、カジュアルゲームに課金と広告を標準実装してほしいという想いがあるからです。
 カジュアルゲームとハイブリッドゲーム(課金と広告両方実装したもの)の間には決定的な壁があります。それは、ハイブリッドゲームや課金のあるソーシャルゲームはLTV(顧客生涯価値)が高いのでプロモーション出稿が可能ということがあります。
 広告収益だけではやはり限界があります。1ダウンロードあたり145円くらい稼げたアプリも見たことがありますが、それは非常に稀なケースで、たいていは80円ぐらいまでいけば結構スゴいという印象です。そこにプラスで課金を実装すると150円以上のLTVを目指せるようになり、プロモーション出稿ができるようになります。ADFULLYはカジュアルアプリとハイブリッドアプリの間にある大きな壁を超えるための支援をしていきたいと考えております。アプリに課金と広告を両方入れていただいて、LTVを上げて、すべてのアプリメディアを広告主にしていきたい。そうすると、アプリ界全体が盛り上がり、次のステージにいくだろうと思っています。課金については後程カイトさんに話していただく予定です。

動画リワードの実績と傾向

 動画リワードには3つ特徴があります。1つ目はeCPMが非常に高いこと。1,000円から3,000円以上出ます。再生単価に割りもどすと1円~3円くらいになります。2つ目はバナーやインターステシャルなど他の広告を阻害せず単純に売り上げがプラスになること。3つ目は、ユーザーは報酬がほしいので動画リワードを能動的に見ます。UnityAdさんのデータにもありましたが、動画リワードに対して多くのユーザーが好印象を抱いていて、バナーなどと比べると嫌われづらい。動画リワードを使うことで、継続率やアクティブ率の上昇につながります。
 役割も3つあります。1つ目はマネタイズ。ゲームと連動する形で広告を実装できるので、確実に収益化できる。ゲーム作りの時点で動画を組み込む設計にしてください。2つ目は先ほど言った通り継続率やアクティブ率の向上。3つ目は課金に重きを置いているアプリでも、課金への導線として動画リワードって使えると考えています。

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 課金と動画リワードの相性が良いことについて。課金して時間短縮したい方や楽に遊びたい方は必ずいます。例えば、全プレイヤーの10%が課金し、残りの90%の人は動画リワードを使ってマネタイズする、という感じです。次に動画を見るのが面倒くさいという人も課金に流れます。これはibisPaintというアプリで実証されています。動画リワードをいれることで課金の売り上げがあがりました。継続率が上がるというのは、課金ユーザーはアプリに対してお金を払っているので、なかなかアプリをアンインストールしづらいんです。また元々先に進めたいというモチベーションがあるので課金をします。さらに、ユーザーがアプリをやめようかなと思った離脱ポイントで動画リワードを見せ報酬を与え、離脱を防ぐことができるので、これまた継続率に響いてきます。以上のように課金と動画リワードの組み合わせは非常に良いといえます。

データから見る動画リワードの傾向

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 動画リワードを利用しているアプリの数について。リリースした2015年8月には1桁だったのですが、10月には100を超え、2016年1月には400を超え、3月で600を超え、いま1,000アプリに届こうかという状況です。本当に皆さん使い始めています。また、驚きのデータなのですが、すべてのバナー・インターステシャル、そういった広告枠を集めた広告枠ランキングTOP50の中でどれくらい動画リワードが占めているか。これも3月と比べると相当伸びていて、今TOP50のうちの半分が動画リワードです。動画リワードが非常によく稼げてきている事がわかると思います。同時にアドフリくんを使っているアプリメディアさんの売上を動画リワードで底上げできている実感もあります。

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 こちらは動画リワードの売り上げのTOP50の中のジャンルです。やはりゲームが多いです。その中でも圧倒的に多いのが、放置系・クッキークリッカー系のゲームで20アプリくらい。その次がアクションの6枠で、ツール系のアプリでも5枠と意外にご利用いただいています。あとはディフェンスゲーム、パズル、ニュース……と続きます。アドフリくんがゲームデベロッパーさんによく使っていただいていることもありますが、ゲームアプリが多いです。また、売上比率でもクッキークリッカー系ゲームの売上の4割以上が動画リワード。以前アドフリナイトで話していただいたジーモードさんの放置系ゲームは6割が動画リワードという話なので、もう売上の半分が動画リワードの売上、という状況になっています。

再生回数を増やす効果的な動画リワード実装法

 動画リワードの売り上げは細かいところの違いは置いておいてザックリと「DAU×再生回数×再生単価」で計算できます。売り上げをさらに押し上げるためには、再生回数を増やすのが工夫のしどころだと考えていて、そのために効果的な動画リワードの実装法を5つご紹介したいと思います。

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 1つ目は「動画キター!」と思わせる。動画リワードは広告としても非常にインパクトがありますし、再生後にアプリ内で使える報酬が付与されるので、ユーザーが「いま困っている!」という時に出すのが効果的です。レア感を演出する方法としては、①出現回数を抑え、本当に困ったときに出してレア感を演出する。②逆に人工的にストレスを作って、それに対する解決策を動画で与える。これはイグニスさんの『breaker』が大変参考になりました。②は再生回数が増えるので、案件を確保するためにSSPの利用が必須です。
 2つ目は無限のものに報酬をつける。例えばRPGで中ボスに勝てないときに、強い武器を与えるのではなく30秒だけレンタルします。与えてしまったら、もう持ってるから動画を見る必要がなくなります。レンタル形式なら。30秒後には効果がきれてしまい、また次のタイミングで必要になったときに動画を見てくれます。ですので回数制限のない、無限のものに対して動画リワードを与えるのは非常に大事なポイントといえます。
 3つ目はネガティブを回避するために使う。ダンジョンの途中で死ぬとこれまで一生懸命集めたアイテムが没収されてしまうようなゲームで、死んだときに動画をみればアイテムを没収されずに持ち帰ることができますよ、という報酬を与えます。人間は頑張った成果を没収されることをすごく悔しく感じるので、かなり動画視聴率は高くなるのではないでしょうか。今挙げたパターンだけではありませんが、ネガティブを回避するという使い方は非常に有効です。
 4つ目は離脱ポイント対策。例えばパズルゲームでステージをクリアしたタイミングです。ステージ4が難しくて進めず、これが離脱ポイントになっている場合。動画をみるとステージ4攻略のヒントを見れたり、サポートアイテムが付与されたり、そもそもステージ自体をスキップできるようにしているアプリもあります。こうすることによってステージ4以上に進めず離脱する人が、ステージ5、6、7……と進めるようになります。アプリの中の離脱ポイントをしっかり把握し、その原因に対しての解決策を与えてあげることで継続率が伸びるというやり方です。
 5つ目。ツール系に多い使い方ですが、有料プレミアム領域のお試しとして動画リワードを入れる。例えば普段は有料の機能を時間限定で使わせてあげますよ、というような感じです。ibisPaintは、無料でお絵かきできますが筆は有料です。筆を買いたくない人は動画を見れば無料で使えるようになります。動画視聴を面倒に感じる人が一定数課金に流れるので、課金売り上げがアップすることもあります。ニュース系のアプリだと会員限定のニュースで、途中まで読んだら続きはログインしてくださいということがよくありますが、そういうときに動画を見てくれたらこの記事だけは最後まで読ませてあげますよと。会員限定のものを少し見せてあげるのも、ツール系だと使いやすい入れ方かなと思います。
 効果的な実装方法を5つあげましたが、皆様が思う以上に動画リワードを実装する方法があると思いますので、工夫して再生回数を上げていきましょう。ちなみに同じ実装で何度も何度も動画が流れる仕様にしてしまうと広告効果が下がり、eCPMも同じく下がってしまいます。本当に必要な時にパッと動画を出してあげることを心がけてください。

動画リワードを実装する上での注意点

 次に実装の注意点を4つ挙げます。

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 1つ目はSSPを使うこと。案件は豊富になってきたとはいえ、動画広告はフリークエンシーキャップがかかりがちです。機会損失を防ぐためにもSSPは使ったほうが良いです。
 2つ目は、なるべく動画再生ボタンを画面内に常駐させないこと。常駐させているアプリもあってそれが必ずしも悪いわけではありませんが、常駐させないほうがクレームは減ります。なぜかというと、広告案件がないときに常駐している再生ボタンを押してしまうと動画が再生されずクレームのもとになるからです。アドフリくんのSDKに動画があるかを聞きにいって、ないときはボタンを出さない、もしくはグレーアウトさせる。あるときはアニメーションで画面横から「ピュー」と画面内にボタンをアニメーションで表示させて、押してもらう。こういう実装の方がボタンも目立ちますし、クレームも減ります。
 3つ目は動画再生をするたびにアプリがアドフリくんの動画リワードSDKを初期化してしまうことがあります。初期化に関してはアプリを起動してから最初の1回のみで大丈夫です。何度も初期化してしまうとその都度通信が発生してしまいます。
 4つ目は実装するアドネットワークは多すぎないほうが良いです。アドフリくんは7社のアドネットワークと連携していますが、3~4社くらいで十分です。アドネットワークの数が多いとどうしてもアプリの容量や通信料が多くなってしまいます。ちなみに、アドフリくんが通信料問題に対してどのような対応をしているかというと、アドフリくんSDKが「Wi-Fi」と「キャリア回線」を見分けています。Wi-Fiの場合はパケット代が関係ないので、実装している全てのアドネットワークに聞きにいって動画をダウンロード、案件がかなり豊富な状況を作ります。キャリア回線の場合はパケット代がかかりすぎないようにeCPMの高いアドネットワークから数をしぼって聞きに行くという判断をします。

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 実装上の注意点で、動画再生ボタンを常駐しないという話をしましたが、常駐しているけどうまくやっているアプリがあります。このアプリではボタンを押してから広告があるか聞きに行くという方法を採用しています。これは動画を見ようと思っている人のみ動画をダウンロードするような仕組みなので、動画を見るつもりがない人はパケット代があまりかかりません。再生ボタンを押して初めて動画を取得しにいきます。ただしこのときに結構待ちますので「動画ダウンロードしてるので待っててね」とユーザーに対して説明ダイアログを出します。動画があった場合は再生開始するし、なかった場合は「ごめんね。あとでまた押してね」と説明ダイアログを出します。アプリ開始時に先に動画を読み込んでおいて、ボタンを押したらすぐに出る形にするとユーザーも気持ち良いのですが、パケット代を考えるとこういう実装運用もありだなと思っています。例で言うと『中年騎士ヤスヒロ』もこのタイプの実装方法だったと思います。

ハイブリッド化して生き残る

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最後に、これからは動画広告の時代がきます。今までの広告実装のように、アプリが完成した後に、隙間にバナーをペタッと貼るだけではなく、ゲームシステムと絡めてうまく動画を再生させたり、実装位置を工夫したり……アプリ向け広告の実装については色々仕切り直しになるのではないかと思います。これまでは「バナー・インターステシャル・動画リワード」の3点セットでしたが、そのうちの「バナー(320×50)」が完全に無くなるとは思いませんが、「バナーが入っていると嫌だ」「課金があるのにあからさまにバナーを置くのはちょっと……」というアプリ開発者も結構出てくるのではと予想しています。ですので、アプリに馴染むネイティブ広告や、UIを崩さない動画インターステシャル、ゲームシステムと密接に絡む動画リワードとが、今年末から来年にかけて増えていくのではないかなと。そのためにも今から動画広告を実装する準備をしておいた方がいいと思います。
 また課金も実装して、アプリ全体の単価を上げていきましょう。いまLTVは、広告だけでも頑張れば単価80円くらいまで上げられますが、もっと上を目指す必要があります。小ダウンロードでも稼げるような体質になっておいたほうがいいです。ダウンロード数が少なくてもLTVが高ければプロモーションを打って、中ダウンロードや大ダウンロードを目指せます。LTVを高めて、自分のアプリを勝負所でプロモを打てる体質にしていくべきです。10万ダウンロードで単価が150円なら1,500万円です。すると次のアプリを作る余裕が生まれます。より良いアプリが作れるようになります。このような良いサイクルができると、日本のアプリにもっともっと楽しいものができてくるはずです。
 カジュアルアプリが生き残るためには、できるだけハイブリッドアプリ体質になる必要があります。やはりApp Storeは、広告に予算をかけられるアプリがランキング上位に入りますし、このビジネスモデルはなかなか変えられないと思っています。アプリを作っても大きなダウンロード数が出ない状況下で、少ないダウンロード数でも稼げる体質は大事です。なによりも、開発費不足で今後のアプリ開発が続けられなくなってしまった場合、皆さんのアプリを楽しみにしている人が遊べなくなってしまうのが一番悲しい事ですよね。

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 アドフリくんは広告マネタイズでは、今後動画広告をかなり強化していきます。そのためにグリーグループに参画致しました。他にも直近で動画全画面のインターステシャルもリリースしたいと考えています。ゲーム向けのネイティブアドも、SSPとして出しているところはあまりないと思うのですが対応していきます。RTBも強化します。課金マネタイズに関しては、itemstoreが進化しています(この日のセミナーでプッシュ通知機能を発表)。アドフリくんとレポート連携して、課金と広告のレポートをアドフリくんの画面内で管理できます。あとはハイブリッド化が進むと課金ノウハウが必要になってくるので、ノウハウも提供できるようなサービスを作っていきたいと思っています。アドフリくんは引き続きメディア目線を忘れずに、アプリ開発者の支援ができるサービスを提供していきます。この厳しい時代を生き残るために、みんなで知恵を出し合って、頑張っていきましょう。

▼関連リンク
株式会社ADFULLY
アドフリくん
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