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通信から個人情報まで……スタンフォード大教授が語るオンラインVRの問題点とは?

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by [2016年6月24日]

アメリカ国内の放送通信事業を監督する米連邦通信委員会(FCC)で議長を務めるTom Wheeler氏がスタンフォード大学バーチャルヒューマンインタラクティブラボ(VHIL)を訪ね、オンラインVRに関し意見交換をした。

オンラインVRの抱える課題とは?

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VHILのホームページ

VRがより一般化した暁には、VRを使ってインターネット上で他者とコミュニケーションをしたり、VRコンテンツをオンライン上で楽しんだりするオンラインVRの時代が来るとされている。もちろんこういったVR体験はより楽しいものになるに違いないが、問題点も指摘されている。

今回の訪問で、Tom Wheeler氏が最も懸念を示したのは、通信領域の問題だ。当たり前だが、360度ビデオをストリーミングしたり、VRゲームをオンライン上でするには、膨大な通信が行われる。もしも、VRをオンラインで楽しむ人が増加したら、通信に大きな負担がかかることは間違いない。通信に負担がかかると他の通信を圧迫するだけではなく、遅延が発生しVR体験が損なわれる可能性も高い。

こうした懸念に対し、VHILのJeremy Bailenson教授は、VRをオンラインで楽しむ際、ローカルに3Dデータを落とし込み、トラッキング情報だけをインターネットを介して送信することで、ネットワークへの負担を減らし、スムーズに通信できるのではという見解を示した。

Tom Wheeler氏が懸念を示したもう一つの領域は、プライバシーだ。所詮バーチャルリアリティなんだから個人情報なんて流出しないのでは?と思われがちだが、高性能なPCや能力が高いユーザーの手にかかれば、VRから個人情報にアクセスすることは造作もないという。

VRシステムでは、人の動きをミリ単位で追跡することが出来るので、人によって異なる動きや反応を記録することで、仮想の足跡を作ることが出来る。その足跡をたどることで、かなりの確率でユーザーのプロフィールを特定することが可能というわけだ。しかも、こういったデータからそのユーザーの将来の態度や行動を予想することや、アルゴリズムにラーニングさせることで、より多くの情報を引き出すことすら出来るというのだから驚きだ。

VRがオンライン化するにつれ生まれてくる問題点に、どのように対処していくか、これからも企業や大学の動きに注目していきたい。

●参考リンク
FCC chairman visits Stanford for virtual reality lesson
Virtual Human Interaction Lab: VHIL

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