「ARGYLE SHIFT」操作系クローズアップロボットは2本のトリガー内蔵ジョイスティックのみで操作し、フットペダルなどの操作系は備わっていない

「ニコニコ超会議2016」のVR展示を振り返る~バンダイナムコエンターテインメント~

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by [2016年5月24日]

「ニコニコ超会議 2016」でVR関連展示が集約されていた幕張メッセ 国際展示場9-11ホール

「ニコニコ超会議 2016」でVR関連展示が集約されていた幕張メッセ 国際展示場9-11ホール

2016年4月29日・30日に千葉県千葉市の幕張メッセ国際展示場で開催されたニコニコ動画のイベント、「ニコニコ超会議2016」。

幕張メッセの全ホールを借り切って行われたこの一大イベントでは歌舞伎や刀剣、鉄道、ドローンなどニコニコ動画ユーザーの興味の趣くまま実に多彩なジャンルで展示・上演・演奏などが行われたのですが、そうした中にVR、仮想現実を扱ったエリアが含まれていました。
その数は膨大で、しかもVRの特性上どうしても体験に時間がかかることと、会場が広大なこと、それに筆者一人での取材となったことから全ブースを漏れなく見て回ることはできなかったのですが、2日とも会場を回ったおかげでどうにか主立ったブースは見て回ることができました。

開催から少々時間が経ちましたが、そんな「ニコニコ超会議2016」のVR関連展示の中から、筆者の興味を引いたブースを中心に何回かに分けてご紹介したいと思います。

▼「ニコニコ超会議2016」のVR展示を振り返る

  1. スクウェア・エニックス
  2. バンダイナムコエンターテインメント
  3. AMD

アーケードゲームの老舗ならではの技の光ったバンナムブース

TrainMeister00まずはアーケードゲームの老舗、バンダイナムコエンターテインメントの展示から。

ここでは「VR鉄道運転室 TrainMeister(トレインマイスター)」「VRシネマティックアトラクション ARGYLE SHIFT(アーガイル シフト)」「ホラー実体験室 脱出病棟Ω(オメガ)」の3つのコンテンツをご紹介しましょう。

これらはそれぞれ鉄道車両運転シミュレータ、ロボット操縦もの、そしてホラーもの、となっており、実はこれら3タイトルおよびスポーツ走行体験カーシミュレータである「REAL DRIVE(リアルドライブ)」、スキーシミュレータである「SKI RODEO(スキーロデオ)」、それに高所でのスリリングな行動を体験出来る「高所恐怖SHOW」の計6タイトルは、4月15日から東京にある「ダイバーシティ東京プラザ店」で10月中旬まで期間限定の予定で既に商業ベースで稼働中となっています。

さすがに、かつてのナムコ時代から遊園地や博覧会のアトラクションなどで鍛えられた老舗の、それも既に商業稼働しているタイトルだけあってそれぞれのハードウェアの造り込み、あるいはこだわりは他と一線を画するものがあります。

特に「Train Meister」と「ARGYLE SHIFT」では単にVRを体験させるだけでなく、その操縦感覚や臨場感を高めるため周辺ハードウェアがかなり本格的に作り込まれており、中でも前者では座席背面に2本の油圧駆動されるシリンダーを組み付けてブレーキ時の衝動を再現し、さらに座席直下の振動ユニットによってレールの継ぎ目にあるジョイントを通過するときの振動まで生成するというこだわり振りです。

ここで折良くブースにおられたバンダイナムコエンターテインメント AM事業部企画開発1部プロデュース1課アシスタントマネージャの濵野孝正氏にお話を伺ったところ、これらの各コンテンツでVRを選択した最大の理由は圧倒的な没入感の高さであると明言され、これらのコンテンツでHTCのViveを使用していることについては特にこれに特化・最適化しているわけではないとのことで、将来的により望ましいVRデバイスが製品化されればそれを使用する可能性があることが示唆されました。

マニアックなこだわりがあちこちに潜む「Train Meister」

 「Train Meister」 プロトタイプとなったJR東日本 E235系電車に準じ、左手で操作する横軸型ハンドルによるマスターコントローラにより運転操作を行う。

「Train Meister」
プロトタイプとなったJR東日本 E235系電車に準じ、左手で操作する横軸型ハンドルによるマスターコントローラにより運転操作を行う。

まずは鉄道車両運転シミュレータである「Train Meister」から。

JR東日本最新のE235系通勤形電車を山手線で運転するこのタイトルについては、VRではありませんが既に先行して「電車でGO!」というアーケードゲームの成功作が存在する鉄道車両運転シミュレータというジャンルに属することから、あえてVRによるタイトルとして投入されたことに興味津々でありました。そこで、そのあたりについて濵野氏に幾つかお尋ねしました。

まず、走行線区が山手線の新橋駅付近となったのは、(今回の展示では様々な事情でJR東日本最新のE235系のみとなっているものの)JRの幾つかの主要路線が併走する区間であり多様な対向列車が楽しめることが主たる理由であるとのことで、今後モデリング等のデータ化を進めて対向列車の車種を増やす方向であることが示唆されました。

次に、運転車種が昨年山手線に0番台量産先行車1編成が投入され、慣熟運転の後11月末に営業運転を開始したものの、その直後にトラブルが頻出し本年3月まで本格営業運転投入が延期になったE235系となっていることについては、単に最新鋭車種であるためという至ってあっさりした回答でした。

もっとも、このE235系選択にあたってはその走行特性の再現が図られているとのことで、今後は現行のE231系(中央線緩行・総武線緩行・山手線など)やE233系(京浜東北線・中央線快速・京葉線など)といった各系列への展開や、天候・混雑度などによる運転特性の変化(※注1)や車種ごとの運転曲線の変化も再現したいとの由です。

 ※注1:降雨時などの軌道状態の変化によるブレーキ滑走距離の変動や、混雑率による応荷重ブレーキ(※各車ごとの乗客による荷重の変動を検出・反映することでブレーキ特性の変動を最小限に抑えるブレーキシステム)の反応特性の変動など、鉄道車両運転シミュレータでこだわれば再現すべき要素は恐ろしく多岐にわたります。

なお、気になっていたなぜわざわざVRで鉄道車両運転シミュレータを構築したのか、という筆者の問いについては濵野氏曰く、後ろに振り向くと(乗務員室後部に設けられた窓越しに)客室の様子が確認出来る、という点が先に触れた没入感の高さと並ぶ大きな理由だとのことでした。

バンダイナムコエンターテインメント「Train Meister」で頭を振り向いて客室側を見たときの映像確かにこれは、従来の鉄道車両運転シミュレータでは再現できなかった/再現の困難なシチュエーションである。

バンダイナムコエンターテインメント「Train Meister」で頭を振り向いて客室側を見たときの映像
確かにこれは、従来の鉄道車両運転シミュレータでは再現できなかった/再現の困難なシチュエーションである。

今回のこの「Train Meister」については当初博物館などに設置の鉄道車両運転シミュレータでよくあるような大型ディスプレイパネル3面を使用するタイプの筐体を採用することも検討されたそうなのですが、これでは「後ろを振り向いて客室の状況を確認」というアクションが再現出来なかったために(恐らくは他社の既存コンテンツとの差別化強化という見地から)それが可能なVRが積極的に採用されたとのことでした。

このあたりはかなりマニアックな話なのですが、ディスプレイ1面で構成されるTAITOの「電車でGO!」シリーズでは突発的なアクシデントなどで急ブレーキをかけた場合、車内の乗客の状況がカットイン演出で示されていて、狭い画面で画面構成や表示タイミングなどに色々苦労していた感があった部分ですから、それを首を振って後ろを振り返るというナチュラルな挙動で解決出来るVRの採用を、というのは素直に納得・同意できる部分です。

「Train Meister」筐体座席背面に「ハ」の字状の配置で組み込まれた2本の油圧シリンダーによる衝動再現機構ここでただ振動を起こすのではなく、本当に座席を前後方向で「揺さぶって」急ブレーキ時などの大きな衝動を再現してしまう。これがベストに近い手法だと判っていても、費用や設計製作の手間を考えると普通は採用出来ない、遊園地のアトラクションなども手がけるアーケードゲームの老舗ならではの力業である

「Train Meister」筐体座席背面に「ハ」の字状の配置で組み込まれた油圧シリンダーによる衝動再現機構
ここでただ振動を起こすのではなく、本当に座席を前後方向で「揺さぶって」急ブレーキ時などの大きな衝動を再現してしまう。これがベストに近い手法だと判っていても、費用や設計製作の手間を考えると普通は採用出来ない、遊園地のアトラクションなども手がけるアーケードゲームの老舗ならではの力業である

このゲーム、先にも触れたとおり筐体というか座席周辺の作り込みがかなり凝っていて、特に油圧シリンダーを当然のように組み込んであるあたりはさすが伝説の28人版ギャラクシアン^3(※注2)を造った会社の流れを汲む業界有数の老舗だけのことはある、と感心してしまったことでありました。

 ※注2;当時のナムコによって1990年に大阪市の鶴見緑地で開催された国際花と緑の博覧会(花博)に出展され、架空の重戦闘艇「ドラグーン」の砲座部分を模した円周状の床に載った28人分の座席を床ごと油圧シリンダーで最大2m分上下動させるという豪快なシステムにより戦闘中の振動・衝撃を再現、さらに円周状の壁面を1周する形で16台のプロジェクターを配置し、リアルタイムで継ぎ目のない3Dグラフィック映像を円筒部内壁に生成・表示するという当時としてはあまりに先進的なシステムを備えていた3Dシューティングゲームアトラクション。これのどこが花と緑に関係あるんだ?という突っ込みも何のその、大行列ができる人気アトラクションの1つでした。これは花博閉幕後に東京・二子玉川のナムコ・ワンダーエッグに改良の上で移設され、さらにダウンサイジングされた16人版、そしてシアター6と呼ばれる6人版の筐体が少数ずつ造られて全国のアミューズメントセンターなどに設置され、後にUGSF(United Galaxy Space Force:銀河連邦宇宙軍)シリーズと命名されることになるその世界観と共に一部で熱狂的な支持を集めました。もっとも、いずれも筐体の大きさなどの事情から設置場所が極端に制限され、さらに機材が老朽化したことなどからこのシリーズのタイトルで日本国内において商業稼働しているものは既に1台もありません。

もっとも、こうしたこだわりの体感システム採用は、商業アトラクション施設での展開にあたっては大きなアッピールポイントとなる一方で、コンシューマ版提供にあたっては大きな障壁にもなります。

バンダイナムコエンターテインメントのスタッフ渾身の力作である「Train Meister」筐体内蔵マスターコントローラハンドル画像の状態が「切」(ニュートラルポジション)で、プレイヤーが自分の手元側(後ろ)に引くとP、つまり力行で加速し、前方に押すとBでブレーキが作用する。また前方一杯まで押し倒すと非常ブレーキとなり、各車に搭載されているブレーキシステムが最大作用して法定通り最高速度で走行している状態からであっても600m以内に列車を停車させる。ちなみに前方に倒すとブレーキがかかるのは、乗務員が急病などで突然倒れこんだ際に際限なく加速し暴走する危険を回避し、非常ブレーキを作用させようというフェイルセーフの考えによる

バンダイナムコエンターテインメントのスタッフ渾身の力作である「Train Meister」筐体内蔵マスターコントローラハンドル
画像の状態が「切」(主回路切:ニュートラルポジション)で、プレイヤーが自分の手元側(後ろ)に引くとP、つまり力行で加速し、前方に押すとBでブレーキが作用する。また前方一杯まで押し倒すと非常ブレーキとなり、各車に搭載されているブレーキシステムが最大作用して法定通り最高速度で走行している状態からであっても600m以内に列車を停車させる。ちなみに前方に倒すとブレーキがかかるのは、乗務員が急病などで倒れこんだ際に際限なく加速し暴走する危険を回避し、非常ブレーキを作用させようというフェイルセーフの考えによる

そこで濵野氏にコンシューマーほぼそのままでのVive対応ソフトウェアとしての市販化の可能性をうかがったのですが、できればやりたいと即答される一方で、やはりこうした振動メカの体感がこのコンテンツの重要な要素であるため、それが再現出来ない点がコンシューマー移植のネックになるのが悩みどころとのことでした。

また、本物のE235系のそれを模して造られたマスコンは一見シンプルな見た目ながら開発スタッフ渾身の力作とのことで、それを再現した専用コントローラを製品化するとなるとそれ自体が大変に高価になる(※注3)ことも難点だという指摘もありました。

 ※注3:実際、過去に「電車でGO!」シリーズ向けなどで発売された専用コントローラセットは一見おもちゃっぽいものでもかなり高価で、特に人気の高いタイトルに対応するものは現在でもヤフオクなどで結構な落札価格がついていたりします。

「Train Meister」走行時の車窓風景駅にホームドアが設置されているなど、きちんと取材の上で沿線施設がモデリングされているのがわかる。もっとも、運転台の各種表示など、あちこちに「ゲーム故の嘘」が混ざっていて、実際のE235系の運転台とは異なる部分が結構ある

「Train Meister」走行時の車窓風景
駅にホームドアが設置されているなど、きちんと取材の上で沿線施設がモデリングされているのがわかる。もっとも、運転台の各種表示など、あちこちに「ゲーム故の嘘」が混ざっていて、実際のE235系の運転台とは異なる部分が結構ある

ちなみにこのゲーム、こうして運転台の操作性・体感の再現には大きく注力される一方で車両の運転操作そのものはかなり簡素化されていて、ATS周りの操作をはじめE235系最大のセールスポイントである車両制御システム「INTEROS(インテロス)」(※注)の各種操作や表示は事実上無視したような格好になっています。

 ※注4:INtegrated Train communication networks for Evolvable Railway Operation System(進化する鉄道システムのための列車制御統合ネットワーク)の略で、JR東日本と三菱電機が共同開発した次世代車両制御システム。JR東日本の汎用一般車シリーズとしてE235系の2世代前に当たるE231系0番台(厳密にはその試作車にあたる総武線緩行用209系950番台)より採用が始まったTIMS(ティムス:Train Information Management System(列車情報管理システム))を更に発展・拡大したシステムで、制御・状態監視・情報提供の3つの機能を統合した車両間通信ネットワークを構成します。E235系が量産先行車である第1編成のみ早期落成とされたのも、このINTEROSの動作検証とその問題洗いだしが主たる目的でした。実際、2015年11月末の営業運転開始直後にE235系はトラブル頻発で一旦営業運転中止を余儀なくされましたが、これは高度に複雑化したこのINTEROSのソフトウェア的な不具合が原因であったとされています。

まぁ、操作系の簡単な古い路面電車などならともかく、現在の最新鋭電車では運転台に車両の状況をリアルタイム表示するモニターディスプレイの搭載が当たり前で、専門的な知識がないと何がどうなっているのかさっぱり判らないようなボタン・スイッチ群が運転台のテーブル上や壁面などに並んでいますから、このあたりは(今後の異なるシステムを搭載する他車種への展開も考えると)こだわりきれない、あるいはエンターテインメント性を重視した割り切りということになるでしょう。

男の子の夢(?)を実現した「ARGYLE SHIFT」

「ARGYLE SHIFT」ポスター日本古来よりの清く美しい伝統に則る、美少女キャラクターと巨大ロボットの組み合わせによるアトラクション。ポスターにも書かれているが「憧れ」の直球再現という点ではこれ以上は無い、といった感じのアトラクションである

「ARGYLE SHIFT」ポスター
日本古来よりの清く美しい伝統に則る、美少女キャラクターと巨大ロボットの組み合わせによるアトラクション。ポスターにも書かれているが「憧れ」の直球再現という点ではこれ以上は無い、といった感じのアトラクションである

次は巨大ロボット操縦ものの「ARGYLE SHIFT」。
これは原案・監修がバンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏、世界観設定・シナリオが「攻殻機動隊」シリーズなどでおなじみのProduction I.G、監督が映画「APPLESEED」の監督やTVアニメ「機甲創世記モスピーダ」やOVA「バブルガムクライシス」シリーズなどのメカデザインで著名な荒牧伸志氏、メカニックデザインがTVアニメ「機動戦士ガンダム00」やゲーム「ゼノブレイドクロス」などのメカデザインで著名な柳瀬敬之氏、そしてキャラクターデザインがバンダイナムコスタジオで「鉄拳」シリーズや「ソウルキャリバー」シリーズのキャラクターデザインを担当した川野琢嗣氏という錚々たるメンバーを集めて作られた、巨大ロボット操縦もののタイトルです。

巨大ロボットに搭乗し自分で思いのままに操縦してみたい、という願望はアニメ・コミックの分野でこのコンセプトの始祖となった「マジンガーZ」(1972年)以来40年以上にわたって日本の男の子たちの、いや恐らくはこうしたコンセプトのアニメが輸出された世界中の各国の子供達の夢であり続けてきたわけで、これまでも「バトルテック」や「機動戦士ガンダム 戦場の絆」など、アーケードゲームに限っても何度もこの種のコンセプトのゲームが発表されてきました。

「ARGYLE SHIFT」筐体全景これだけでもご飯三杯はイケるというか、男の子(※40がらみのオッサン含む)の夢満載といった感じである

「ARGYLE SHIFT」筐体全景
これだけでもご飯三杯はイケるというか、男の子(※40がらみのオッサン含む)の夢満載といった感じである

この種のコンテンツがVRとの親和性が高いであろうことは、Oculus RiftやHTC Viveなどのヘッドセットを装着し2つのスティックを使用するプレイスタイルがアニメ「装甲騎兵ボトムズ」(1983年)や「ガサラキ」(1998年)などに登場するロボットの操縦システムに近いこと(※注5)を考えれば容易に予想出来る話なのですが、こうして本格的なシート型の筐体とセットでVRヘッドセットが稼働する姿を目の当たりにすると、幼少期に「マジンガーZ」を本放送でリアルタイム視聴し、小学生の時に「機動戦士ガンダム」に衝撃を受け、中学生の時に「装甲騎兵ボトムズ」に熱狂しそのLD-BOXを外伝の「機甲猟兵メロウリンク」までコンプリートして今も後生大事に持っている筆者の胸には熱いものがこみ上げてきて止まりません。

 ※注5:パイロットはVRディスプレイあるいはMRディスプレイに近いヘッドマウントディスプレイを装着して機体に搭乗。ここまで来ると、こういうコンテンツが作れるのならば本当に「装甲騎兵ボトムズ」の「バトリング」と呼ばれるロボット同士の対戦を再現したゲームを作れるのではないか、あの「ローラーダッシュ」や「アームパンチ」「スワンピークラッグ」「アイアンクロー」あるいは「パイルバンカー」といったあまりにマニア好みの通なギミックや武装の数々が体験できるのではないか、と考え期待してしまうのは恐らく筆者だけではないと思います。

「ARGYLE SHIFT」操作系クローズアップロボットは2本のトリガー内蔵ジョイスティックのみで操作し、フットペダルなどの操作系は備わっていない

「ARGYLE SHIFT」操作系クローズアップ
ロボットは2本のトリガー内蔵ジョイスティックのみで操作し、フットペダルなどの操作系は備わっていない

実際、筐体の座席左右肘掛け(相当)部分に作り付けられたジョイスティックによる操縦系というあたりからしてもう男の子の夢がダダ漏れで「ああ、わかっているなぁ」といった感じのこのタイトル、いかにも期間限定アトラクション向け機材といった印象の無骨かつ荒削りな造りながら、斜め前方に跳ね上げられたフットプレート(※注6)や座席形状なども含め、80年代SFロボットアニメが好きすぎて死ねるような人にとっては筐体を見ているだけでも血圧が50mmHgは上がりそうな感じの大変に危険な仕上がりです。

 ※注6:会場で実際の筐体を見て「後はフットペダルがあれば完璧だなぁ」と思った方も多いのではないでしょうか。

ちなみにこんなタイトルですのでやはり男の子に大人気で、筆者が取材した時点で既に体験は恐らく筆者と同好の士であるオッサンども(失礼)で満員御礼状態であったため、本当に残念かつ遺憾ながら筆者は体験できませんでした。

ただ、会場でプレイしている方の様子を観察しているだけでも「ああ、これは」と思わせるようなかなり激しい(パイロットなりきり系の)反応で手足や首が動いており、彼らの口元に浮かぶ(恐らくは無意識の)笑みを見ているだけでも体験申し込みの人気が高いのが納得出来る印象です。

体験出来なかった筆者は、これはそのうち「ダイバーシティ東京プラザ店」に行って遊んでみたいなぁと思ったことでありました。

グループプレイに対応する「脱出病棟Ω」

お次はいわゆる館ものの系譜に連なるホラー系タイトルである「脱出病棟Ω」です。

「脱出病棟Ω」ブース全景最大4人でのパーティプレイが前提のタイトルであるため、このように大がかりなブース構成となっている

「脱出病棟Ω」ブース全景
最大4人でのパーティプレイが前提のタイトルであるため、このように大がかりなブース構成となっている

このタイトルは2人~4人でのグループプレイが前提で、このグループで朽ち果てた廃病院から脱出するのが目的とされています。

現状でこうしたグループプレイを円滑に行うにはやはりアミューズメントセンターなどに設置するしかなく、その意味ではこれは今回のバンダイナムコエンターテインメントの各展示の中では中核に位置する、旗艦タイトルであると言えます。

「脱出病棟Ω」プレイヤーを「被験者」と呼んだり、(この写真ではヘッドセット装着調整のために照明を明るくしてあるが)いかにもな怪しい壁面画で埋められていて薄暗くされていたりとプレイヤーを怖がらせる気満々の造りである

「脱出病棟Ω」
プレイヤーを「被験者」と呼んだり、(この写真ではヘッドセット装着調整のために照明を明るくしてあるが)いかにもな怪しい壁面画で埋められていて薄暗くされていたりとプレイヤーを怖がらせる気満々の造りである

まぁ、内容そのものについては至って正統派な、そして非常にストロングなホラーものであってネタバレは御法度だと思いますので敢えてこれ以上申しませんが、各筐体の薄暗く演出されたブース内や恐怖感を煽るおどろおどろしいその造作など導入部の掴みはOKといったところで、現代化されたお化け屋敷としてみると実にイイ感じです。

なお、このタイトルではヘッドセットのマイクが利用可能、つまりグループ内での会話を行いながらプレイが進められるようになっているのですが、会話ができることが決して恐怖を軽減するわけではないあたり、ホラーの基本に忠実な良作(?)と言えるでしょう。

このタイトルに問題があるとすれば、それはさすがVRというべきか、プレイ中に心肺停止に陥る人が出そうな位怖いことです。

まぁ、ホラーものということで怖がらせてなんぼのタイトルとはいえ、また個人差があるとはいえ、本当に心臓が止まりそうな勢いの恐怖というのはちょっとやり過ぎな印象です。

この感じだと、今後この手のホラーものVRコンテンツを本格的に全国のアミューズメントセンターなどに展開する際には、何らかの手段でのプレイヤーの心拍数モニタリング実施やAED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)の常備やスタッフの救命教育の徹底などといった非常時対策が必須となるのではないでしょうか。

以下、次回に続きます。

▼参考リンク
VR ZONE Project i Can in お台場ダイバーシティ 4.15 OPEN
新型通勤電車(E235系)量産先行車新造について (PDF)
UGSFシリーズ 公式サイト
ニコニコ超会議2016

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