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もうボタン操作でいいじゃん!PUMOのニンテンドー3DSタイトル『Ninja Smasher!』インタビュー

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by [2016年5月20日]

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 ニンテンドーeショップで発売された、爽快忍者アクションゲーム『NINJA SMASHER!(ニンジャスマッシャー)』は、Q-Cumber FactoryとPUMOの協同開発によるニンテンドー3DSダウンロードソフトだ。
 元々、iPhone向け有料アプリとしてヒットしていたNINJA SMASHER!だが、なぜニンテンドー3DSへ移植するに至ったのか? また、NINJA SMASHER!のアプリ版と3DS版の状況や、有料アプリでのマネタイズなどについて、原作者であるQ-Cumber Factoryの佐藤氏(左)と、3DS移植をサポートする株式会社PUMOの竹下氏(右)にお話を伺った。

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“メトロイドヴァニア”の楽しさをスマホで

───佐藤さんの経歴をお聞かせください。

佐藤 大学は情報系で、卒業後は会社で主に組み込み系のプログラマーをやりながら、フリーゲームを作ったりもしていました。フリーランスとしてQ-Cumber Factoryでアプリ開発を始めたのは2011~2012年のRogue Ninjaからで、そこからだいたい年1~2本のペースで出しています。基本的には全部有料アプリでやらせて頂いています。

───ゲーム作りのベースになっているものはありますか?

佐藤 ゲームへの入門という意味ではファミコンです。やはりスーパーマリオブラザーズとか、ロックマン、悪魔城ドラキュラといったアクションゲームが好きです。Ninja Smasher!もいわゆるメトロイドヴァニアを意識しているところがあります。あとはナイツがすごく好きで、前作のNinja Striker!はその影響があったりします。ナイツは、空を飛んで、敵を体当たりしてやっつけながら進むようなゲームで、すごく気持ちが良いゲームなんですよね。※メトロイド+キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)からなる造語。両者のような探索型2Dアクションゲームのこと

竹下 セガサターンのナイツは名作ゲームですよね。メトロイドヴァニアって、ゲーム業界の人はわかると思うんですけど、あまり一般的ではないかもしれませんね。

佐藤 「メトロイドヴァニア」をApp Storeの検索ワードの中に入れようと思ったら他社の商標だからダメみたいでアップルの審査を通りませんでした。メトロイドヴァニアは商標と違くない? という(笑)。

竹下 今、メトロイドで検索したらメトロノームが出てきますね(笑)。

───他社のゲームアプリで「これはすごかった」というものはありますか?

佐藤 全然アクションゲームではないんですけど『さだめブレイド』ってご存知です? ゲームとしては、相手の数字より自分の数字が高いか低いかを当てるハイ&ローゲームなんですけど、ただの運ゲーではなく、アイテムを使って数字を操作したりできるようになっていて、これがすごい面白いんですよ。

───アプリはどのように製作しますか?

佐藤 基本的にはプログラムから企画、グラフィックなど一通りは全部自分でやっていますが、一部、弟にキャラクターデザインやドット絵を描いてもらったりしています。前作のAlchemic Dungeonsでは、BGMの制作もやってもらいました。

───アプリのアイデアはどのように生まれますか?

佐藤 どうやって生まれてくるんでしょうね(笑)。ゲームを遊んでいる時とか、あとは普段から思いついたことをメモしたりとか。「いつまでにゲームを何本作ろう」というよりは、思いついたことを元に作っていく感じで、ネタはいくつかストックしてあります。1本作り上げたら「じゃあ次は何作ろうかな」とそのストックからチョイスして作っていきます。まずプロトタイプを作ってみるのですが、ボツにすることも結構あって、1本のゲームを作る間にだいたい1本くらいボツがあります。

久しぶりの3DS移植となったNinja Smasher!

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───さて、PUMOさんは、2015年のインタビュー以降いかがでしたか?

竹下 めちゃくちゃ苦しかったです(笑)。いろいろトラブルもあって大変だったんですけど、常にギリギリの状態ですが何とかまだ生きています。最近は受託や協業系の開発が多く、以前ほど自社のアプリは出せていません。落ち着いたらまた再開したいですね。
 最近何か出たかというと、弊社では直接開発にタッチしてないんですが、ずっと開発パートナーとして組ませて頂いているローレル・コードさんから、弊社スマホアプリ『デッドエンド -DEAD END-』『$1,000,000,000,000.00(一兆ドル)』のApple TV版が出ました。その他では、ここ最近Apple Watch向けのものを作ったりしています。

───この間の最大のヒットは『みどりのほし』ですか?

竹下 2015年2月からだとそうなりますね。その後『禅 -THE ZEN-』もワールドワイドでフィーチャーされて、そこそこ伸びました。

───Ninja Smasher!を3DSへ移植するに至った経緯をお聞かせください

竹下 そんな感じで弊社も余裕のない状況でしたので、新しく3DS移植のご相談を頂いてもお断りしたりしてたんですけど、2015年夏の和尚さん(いたのくまんぼう氏)主催のアプリ開発者飲み会で佐藤さんにお会いした時に「3DSで出したいんです」という非常に熱いお話を頂いて……それでも一度はお断りして、他に3DSのパブリッシャーをされている会社さんを紹介しますよ、とまでお話ししました。 でも、次の機会にお会いした時に「やっぱりPUMOさんから出したい」と。そこまで言って頂いたら「やるしかないだろう」と。それには開発自体の大部分を佐藤さん自身が担当してくださるということも大きかったです。そのあたりをサポートさせていだたく余裕が無かったので……。

───ゲームそのものの評価は相当高かったということですか?

竹下 もともと僕はアプリ版のことも、海外からも評価されていることもよく知っていましたし、佐藤さんなら面白いゲームをちゃんと作りきってくれるだろうと思っていました。弊社ではデバッグ対応と翻訳、あとは僕が任天堂さんとかとやりとりするだけということで。佐藤さんはもともと組み込み系のエンジニアをやられていたからか、開発がものすごく早かったです。

佐藤 早いですか?(笑)

竹下 佐藤さんにとって初めての開発なのに、3ヶ月で一通り動くものがあがってきましたから。

───もし同様に「開発まで全てできます」という方がいたら、3DS移植の取り組みはやりやすいですか?

竹下 はい、現状ではそうですね。きちんと契約しないといけないことがあったり、最後までやり切ってもらえるかが重要ですので、極端な例としては開発未経験の方でいきなりというのは難しいと思います。

───今回の3DS移植でNinja Smasher!を希望したのは佐藤さんですか?

佐藤 初めは最新作のAlchemic Dungeonsのお話をさせて頂いたんですけど、いろいろありましてNinja Smasher!の方が良いかなと。

竹下 Ninja Smasher!は、ゲームの面白さはもちろんですが、アイコンもすごくインパクトがありますし、“忍者”と“ドット絵”は海外でも強いですからね。いっそAlchemic Dungeonsも、Ninja Dungeonsにした方が良いかもしれない(笑)。

───アプリ版『Ninja Smasher!』でこだわったところはありますか?

佐藤 Ninja Smasher!の操作システム自体は、その前に出したNinja Striker!から引き継いでいますが、タッチパネルで遊ぶゲームということで、操作性にはこだわってみたんです。タップするとその場所に向かって「ヒュー」と飛んでいって、敵をタップすると「ヒュン」と飛んでいって切る、この気持ち良さはぜひ体験して頂きたいです。

───Android版を作る予定はありますか?

佐藤 今はちょっと手を出しにくいですね。個人で開発していますから、Android特有の機種依存問題は全部カバーしきれないと思います。それでも無料なら何かあっても「ごめんなさい」となりますけど、有料だとそうはいきませんからね。

───今後もマネタイズは広告などではなく有料のみですか?

佐藤 はい、広告は検討していません。

有料アプリの成功はApp Storeのフィーチャー次第

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───アプリ版のダウンロード数や収益の状況はいかがですか?

佐藤 収益……どうでしょうね……。

竹下 佐藤さん、ここ大事なところですよ!(笑)。これまで3~4年くらいやられてきて、その間の有料アプリの状況には僕もすごく興味あります。

佐藤 ものすごく変わったという感じはありません。一度だけNinja Striker!で無料セールをやったんです。そうするとやはりたくさんダウンロードされるんですよ。有料の10倍くらいでしたね。

竹下 無料セールが終わって有料になった後もその効果って持続するものですか?

佐藤 無料セールを止めた後はそんなに出ませんが、目的としては知名度を上げようかなというのもあったので、多少ダウンロードが減ってもいいかなという。それでも収益的にはやはりいまいちでしたね。広告も無いですし、アプリ内課金もありますが、それほど課金要素が強いものではないので。
 ダウンロード数の面では、Rogue Ninjaは3万くらい、Ninja Striker!は無料分を含めて30万くらいで、収益的にはRogue Ninjaの方が良かったんです。その次のNinja Smasher!は3万が目標でしたが実際は、これが1万いかないんですよ(笑)。最近出したAlchemic Dungeonsも似たようなものです。こうしてみると確かに最近の方が厳しいですね。

───時系列でダウンロード数を見るといかがですか?

佐藤 Rogue NinjaとNinja Striker!は公開後しばらくはダウンロードされていましたので、そういう意味でも最近出したアプリの方が厳しいかもしれないです。

竹下 3~4年くらい前に比べたら圧倒的にアプリの数が違いますもんね。自分がハドソンでスマートフォンのアプリを始めたのが2009年くらいでした。その時はまだアプリ内課金や広告の仕組みも無く、アプリといえば有料版とライト版(無料の体験版)くらいしかなかったころなんですが、販促手法としては有料で出して、期間限定の100円セールやってランキング上げて、また戻してと、そのくらいしかなかったし、それでも結構売れてました。それこそApp Storeの1位も取れたりしました。今は、ランキングの上げ方、マネタイズもすごく多様化していますよね。

佐藤 あとはやはりApp Storeのフィーチャー。これがダウンロード数に大きく影響します。Rogue Ninjaは出した後に、世界のApp Storeの、ベスト新着ゲームみたいなコーナーに載って、それからの上がり具合がすごいんですよ。そのおかげでRogue Ninjaは世界で売れた感じなんですが、Ninja Smasher!は日本のベスト新着ゲームにのみ載ったんです。この違いが収益的にはもろに響いている感じです。

───Appleのフィーチャーを狙って何かしていますか?

佐藤 ちょいちょい取り上げて頂いたりしますが、狙ってという感じではないですね。確実に載る方法あったら知りたいです(笑)。

竹下 今も特集のコーナーにずっと残ってますよね。ドット絵系のレトロゲームコーナーにうちの『禅 -THE ZEN-』と、佐藤さんの『Ninja Smasher!』が並んでるという。レトロスタイル仲間ですね。

作ってみたらハマったボタン操作

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───3DS版を発売しての反響はいかがですか?

竹下 ユーザーさんからの評価はなかなか良いです。ランキングもじわじわ上がって来ていて、ダウンロード専用タイトルではトップ5、パッケージも含めた総合ランキングではポケモンなどが並ぶ中、9位まで上がっています(2016年4月末時点)。

佐藤 3DSのゲームは売り切りが基本なので、マネタイズも特別なことは本当に何もなくて、あとは余裕があればアプリ内課金も試してみたいと思っています。

───アプリ版はタッチ操作のアクションゲームとしては完成の域だと思いますが、それをボタン操作対応にした理由は?

佐藤 最初は普通にタッチ操作で移植しようと作り始めたんですよ。でも3DS版独自の要素も欲しくなって、それならせっかく十字キーとボタンがあるからということで。そして作ってみたら思ったより出来が良かったんですよ。PUMOさんにも遊んでもらったら「これ良いですね!」となって。

竹下 「もうボタン操作メインでいいじゃん」となりました。ニンテンドー3DSのユーザーには、スマホを持っていないお子さんなど、スマホでゲームをしない人も多いんです。そういったユーザーに向けた場合、やはりボタン操作でも遊びたくなりますよね。非常に評判も良くて、結果的には良かったと思います。
 かつクリアした後には、タッチ操作版もお楽しみ頂けるようになっています。クリア後にもいろいろなお楽しみが待っていますのでぜひ遊んでみてください!

佐藤 めちゃくちゃお得なゲームです(笑)。一粒で二度美味しいどころか、個性的な追加キャラクターも3体あって全員タッチ操作とコントローラー操作が選べるようになっています。キャラクターが4体いて、操作方法が2種類選べるので、八度は美味しく遊べます。

───3DS版を作るにあたってのご苦労はありましたか? またPUMOさんの3DS移植に関するノウハウは活きていますか?

佐藤 3DSとスマホのハード的な違いなどから、最初にちょっと移植して動かしてみたらめちゃくちゃ重かったんです。そこのパフォーマンスチューニングを頑張ったことくらいでしょうか。

竹下 今回、開発面は佐藤さんのおかげで特に苦労は無かったですね。マスターROMを提出するためのチェックや手続きなどでしょうか。公開後に大きな問題があるとパッチ修正という形になってしまうので。
 あとはノウハウというか、これまでスマホから3DSへの移植を4作やってきたので、ちょっとは段取りなどには慣れたかもというのはあります。何もわからなかった初めての時の苦労を思えばそれはもう……(笑)。その他には国内だとCERO(ゲームソフトの倫理審査機構)を通す必要がありますが会員にもなっていますし。発売までの手順、発売後のこととか、その辺りはこれまでの経験のおかげで、今回のNinja Smasher!のお手伝いができたかなという感じです。

───プロモーションは行ないましたか?

竹下 特にお金をかけたプロモーションは行っていません。動画を作ってニンテンドーeショップやYouTubeにあげたことと、eショップ内で取り上げて頂けたくらいしかないですね。あとは普段お世話になっている方々へメールでお知らせさせて頂いたりとか。

───アプリ版、3DS版で攻略法などがあれば教えてください。

佐藤 とりあえず共通して言える攻略法は、空中で敵を切るとそこから2段ジャンプが復活することをうまく活用して、空中でどんどん敵を切りつないでいくのがポイントです。

竹下 切りつけが当たったらさらに跳べるようになる感じですよね。

佐藤 「跳んで切る!」という感じです。ズバッズバッと。敵を切ると、アプリ版も3DS版も同じようにまた2段ジャンプができるようになるので。アプリ版のタッチ操作はなかなか他にないシステムなので慣れが要るところはあるかもしれません。

───おすすめの装備やアイテムはありますか?

佐藤 おすすめの装備はとりあえず、初期装備の刀が普通に強いんです(笑)。中盤くらいからは爆弾があるんですけど、ボスに向かってバンバン投げると結構倒せちゃったりします。速攻でやっつけると気持ち良いですよ。だからいっぱい買っておきましょう。

───お金をこまめに稼いでおくと後々良いということですね。

佐藤 あとは爆弾などを使ったらお店に行ってしっかり補充しておいた方がよいです。そんなに高くないですし。
 また、マップのあちこちにHPとSPを増やせる命のもとと秘伝の巻物があって、ゲームが進むとだんだんといろんなアクションを使えるようになるのですが、特定のものを持っていると取れるようになるものがマップのあちこちに隠してあるので、それをしっかり回収しておくと有利です。

今度はSteamで遊べるかも?

───新作の予定はありますか?

佐藤 Ninja Smasher!とAlchemic DungeonsをSteamへ移植してみようか検討しています。ローカライズ等が大変なので、PUMOさんに手伝ってもらったほうがいいですね(笑)。

竹下 はい、お手伝いさせて頂きますよ! 今回(3DS移植で)英訳したものも活用できそうですね。

佐藤 あとPUMOさん次第では、Alchemic Dungeonsの3DS版とかも良いかなと。

竹下 ぜひとも。あとはNinja Smasher!の3DS版はこのあと海外でのリリースを準備しています。早速「海外版は?」という問い合わせも来ていますので、早くリリースしたいですね。

───最後に読者へメッセージを頂けますか?

佐藤 かなりおもしろいゲームが3DSで出せましたので遊んで頂ければと。

竹下 アプリ版を遊んだ方も、このボタン操作はぜひとも味わって頂きたいです。追加キャラクターも楽しいものばかりです。Ninja Smasher!をよろしくお願いいたします。

▼参考リンク
Ninja Smasher! | ニンテンドー3DS | 任天堂
Q-Cumber Factory
PUMO

iOS版Ninja Smasher!はこちら

Ninja Smasher!

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