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これ1台で十分かも? RMEのモバイルオーディオインターフェイス『Babyface Pro』

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by [2016年5月16日]

 最近はiOS環境に対応した音楽制作機器も増えてきていますが、そのクオリティの向上にも目を見張るものがあります。
 そこで今回はRME社のモバイルオーディオインターフェイス『Babyface Pro』をピックアップして紹介したいと思います。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

音楽制作にもリスニングにも

 RME Babyface Proは、今から2011年に登場したBabyfaceの後継モデルとしてリリースされました。
 大きなエンコーダと視認性の高いLEDというシンプルなデザイン設計で操作性に秀でており、直観的なコントロールで使用できる特徴を持っています。サンプリングレート192kHz対応、ジッター抑制機能となるSteady Clock、独自開発のドライバーによる超低レイテンシー仕様によってプロフェッショナルのニーズにも応えるスペックを備えています。
 アナログ入出力部については、モノラル2系統のXLRバランスによる入力、出力端子を装備し、入力部については2基の高性能マイクプリアンプを内蔵すると共に、楽器などを接続するためのライン入力2系統の入力端子があります。
 デジタル入出力部では、TOSLink形式のオプティカル入力、および出力が各1系統ずつ用意され、最大192kHzまでのS/PDIFもしくはADAT(SMUX対応)フォーマットでの使用が可能です。このオプティカル端子を使用してADATコンバータ(例えば同社製品のOctaMic IIなどのADAT対応マイク・プリアンプなど)を接続することでアナログ入出力の拡張も行えます。
 この他に付属のブレイクアウトケーブルを使用した1系統のMIDI In、Out端子によるMIDIインターフェイス機能も装備しています。また、本製品はコンピュータを使用しないスタンドアローン時には「AD/DAコンバート・モード」で使用できるため、特別な設定なしでアナログ⇔デジタル双方向の変換が可能です。これによって2チャンネルの高性能マイクプリアンプとして活用したり、音楽プレイヤーを直接接続して音楽を楽しんだりと、多目的で使用できるのもユニークな特徴です。
 それではBabyface Proの各部の機能を見ていきましょう。

ミニマルで直感的

 本体トップパネルのデザインは非常にシンプルで、主にLEDメーターと大きなエンコーダで構成されています。各種設定はLEDメーター、エンコーダの下部にあるボタンでモードを切り替えながら行えるため、設定も容易です。

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Babyface Pro本体写真のトップパネル

 続いてフロント部分は、メインのアナログ入出力端子が配置されています。端子はXLR規格のものが採用されていますので、本格的なレコーディングにも十分対応できる仕様となっています。

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Babyface Pro本体写真のフロントパネル

 右側側面は、ヘッドフォン出力端子×2、ライン入力×2が配置されています。ライン入力はシンセサイザー、ドラムマシンなどのラインレベルの楽器だけでなく、エレキギターやベースなどのようなハイインピーダンスの楽器をDIボックスなどを使用することなく接続が可能です。また、ヘッドフォン端子はハイインピーダンス、ローインピーダンスそれぞれの端子が用意されており、ヘッドフォンの特性に応じた本来のサウンドをモニタリングできる点にアドバンテージがあると言えます。

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Babyface Pro本体写真の右側面

 そして左側側面はUSB端子、ACアダプターの接続端子、MIDI端子、デジタル入出力端子が配置されています。MIDI端子はブレイクアウトケーブルを利用して接続を行います。デジタル端子はTOSLink形式のオプティカル入出力が各1系統あり、最大192kHzまでのS/PDIF、あるいはADATフォーマットで利用可能です。

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Babyface Pro本体写真の左側面

まずはPC環境で使ってみた

 それではパッケージを開封して試奏の準備をしましょう。
 箱を開けて出てきたBabyface Pro本体の大きさは、小さめのタブレット端末位の大きさという感じで、ボディはスリムでスタイリッシュなデザインとなっています。モバイル環境で使用する際の持ち運びに適しているのはもちろんですが、自宅のPCで使用する際にも場所を取らないため、制作環境をシンプルにしたい人にも適していると思います。基本的にPCで使用する場合、ドライバーをコンピュータにインストールした後は、本体はバスパワー駆動のため、USBケーブルで接続するだけで簡単に使えます。本製品専用のケースも最初から付属しているため、ケーブルもスッキリまとめて入れられるなど、持ち運びの際の快適さに対する気配りが好印象でした。
 本製品を使ってみて最初に感じた点は、音の粒立ちの良さと各パートの定位の鮮明な分離の良さに大変良い印象を受けました。オーディオインターフェイスの重要な点である音質は、低域から高域までバランス良く再生されますが、高域のサウンドのヌケがよく、音のアタックがクリアでハッキリ聴こえます。そのため、高域の歪みやノイズなどについてもシビアにチェックできるので、制作中の各パートのサウンドもより細部まで詰めて調整できるでしょう。また、比較的小さいボリュームでモニターしていても音のパンチが感じられますが、音量を上げていくにつれて音の迫力が増していき、キックやベースの音が気持ち良い感じで響いてくるように感じられました。高解像度の音楽制作が主流となっているイマドキの曲の再生や制作には相性も非常に良いと思います。
 音を鳴らしていない際のノイズも非常に少なく、ほとんど感じられないという位ノイズを意識することがなかったのも製品のクオリティの高さが感じられます。

iPadで使ってみた

 Babyface Proは、クラスコンプライアント対応ですので、もちろんiPadなどでも使えます。
 iPadで使用する際には供給電力の問題で本体をつなげただけだと使用することはできないので、ACアダプターを使用する必要があります。それと、USBケーブルの端子をライトニング端子に変換して使用するため、USBカメラアダプター(Lightning to USB Camera Adapter)を使用してケーブルの端子を変換してiPad本体と接続を行うことも留意すると良いでしょう。
 セッティングを済ませ、いざ実際にiPadでの楽曲制作作業を行ってみたところ、PCでの作業と変わらずのサウンドの質感で行えました。モバイル環境で曲作りを行う際の問題点として、自宅とモバイル環境で使用するオーディオインターフェイスが異なる場合だと、サウンドの質感が変わってしまうことがあり、モバイル環境でやっている時はOKだった音質調整も、自宅の環境で続きを行うとイメージが変わってしまうことが多々あります。コンパクトで持ち運びに便利なインターフェイスというと、本格的な音楽制作には適していない、というイメージが先行しがちですが、Babyface Proのサウンドクオリティであれば、自宅とモバイル環境でオーディオインターフェイスを変える必要はないように思いました。

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iPadとBABYFACE Proを接続して使用している状態

 今回のレビューの主な目的はiPadにおける音楽制作環境のグレードアップでしたが、Babyface Proはまさにそのニーズに合致したオーディオインターフェイスだと思います。iPadで音楽制作をしている中で、使用中のオーディオインターフェイスの音質クオリティをグレードアップしたいと検討していた人にはオススメの製品と言えるでしょう。

▼参考リンク
Babyface Pro – Synthax Japan Inc.

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