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LINEが今夏にもMVNO事業に参入。立ちはだかる「ネットワーク中立性」の壁とは

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by [2016年3月25日]

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LINE株式会社は2016年3月24日、2年ぶりとなるカンファレンス「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」を開催しました。
2011年6月23日のサービス開始から今年で5年目を迎えるLINE。CEOの出澤剛氏は新たなコーポレートミッション「Closing the distance」を掲げ、人と人との関係だけでなく様々な情報やサービス・モノとの距離を縮めたいと語りました。このミッションを実現するための新たなサービス・戦略の発表が多くされましたが、その中でも飛び抜けて大きな発表がありました。

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MVNO事業「LINEモバイル」を今夏にも開始

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LINEは、今夏を目処にMVNO事業「LINEモバイル」を開始することを発表しました。
2015年の日本国内におけるスマホ普及率は49.7%(日経BPコンサルティング社による)で、なんと過半数が未だスマホを利用していないそうです。このような状況を問題視したLINEは、スマホのコミュニケーションインフラ提供者として、コンテンツプロバイダーとして、モバイル通信環境の向上を目指してMVNO事業への参入を決定しました。
そこで、現時点で明らかにされているLINEモバイルの特徴を紹介します。

「UNLIMITED COMUNICATION」:LINE、Facebook、Twitterが使い放題
LINE、Facebook、Twitterは、App Annie社による「2015年月間アクティブユーザー数ランキング」のiOS/Androidともに上位5位以内に入っているサービスです。LINEモバイルでは、これら3サービスの主要な機能によるデータ通信量をカウントしない「UNLIMITED COMUNICATION」を掲げました。
対象となる機能は、LINEでのトーク・無料通話やタイムライン投稿・閲覧、Facebook、Twitterの閲覧・投稿となる予定です。

高品質、最適価格:1ヶ月500円からのLINE使い放題プラン
LINEモバイルでは、NTTドコモの回線を利用することによる安定した通信、および利用状況に応じて料金が選択可能な最適価格が実現されます。利用料金は1ヶ月最低500円(税別)からを予定しており、LINE使い放題は全プランで適用されるようです。

「UNLIMITED MUSIC」で音楽も聴き放題
近年スマホの性能向上と通信環境の高速化・大容量化に伴い、動画・音楽などのコンテンツのリッチ化が進んでいます。これによってデータ通信量に大きな負担がかかっており、月末になるといわゆる「パケ死」で通信ができないという人も多く見かけます。そこでLINEモバイルでは、音楽配信サービスなどのコンテンツサービスにおけるデータ通信量をカウントしないプランの提供も視野に入れているようです。最初に対象とするのはLINEが提供する「LINE MUSIC」のみですが、今後もユーザーのニーズに合わせて各サービスとの連携を進めていくとのことです。

「ネットワーク中立性」という壁

さて、ここで問題となるのが「特定のサービスのみを無償化してよいのか?」ということです。これは「ネットワーク中立性(すべてのインターネットトラフィックは平等に扱われるべきだ)」という考えに相反するものです。
ネットワーク中立性は現在のような自由なインターネットを実現している根本ともいえる概念で、この是非に関する議論が欧米を中心として巻き起こっています。
特にアメリカでは激しい議論が行われています。Yahoo!やマイクロソフトなどの多くの大企業、さらにはバラク・オバマ大統領がネットワーク中立性を支持して法制化を推し進めています。その一方でネットワーク中立性に反対する声も多く、大手を含む通信業界は反対の立場を示しています。実際、とあるインターネットプロバイダー会社が特定のサービスの回線速度を恣意的に操作したことがあったようですが、これはFCC(アメリカ連邦通信委員会)によって規制されました。

ネットワーク中立性に賛成側・反対側の意見をまとめると、以下のようになります。

・賛成側の意見

  1. ユーザーがどのサイトにも自由にアクセスできる
  2. インターネットをオープンなテクノロジーにし続けることで民主主義的なコミュニケーションを助ける
  3. (中立性がなくなって)特定のサービスが優遇されてしまうと、新たな代替サービスが生まれる余地がなくなる。結果的に市場の競争も減る(長期的に見るとユーザーの不利益に)

・反対側の意見

  1. テレビと同様、インターネットにも帯域幅の優先順位付けをするべき。優先させて得られた収益によって、より安価にサービスを提供できる
  2. 大企業は高性能のサーバーと広帯域の回線でネットワークに接続し、中小企業より優位に立っている。インターネットはすでに平等な競争の場ではない。必要なアクセス速度に応じた価格を提供することによって、ユーザーのニーズをより効率的に満たすことができる

このようなネットワーク中立性の問題についてLINEの舛田氏は、ケータイWatchなどのメディアに対して次のように回答しています。

「特に米国でサービス事業者と連携してより良いプランを作る流れがあり、ユーザーからもニーズに即したプランが求められている。私どもは問題ないと思っている」

LINE取締役CSMO舛田淳氏とDirector of BD at Twitter Japan味澤将宏氏

LINE Corp 取締役 CSMO舛田淳氏とDirector of BD at Twitter Japan味澤将宏氏

確かにLINE、Facebook、Twitterは若年層スマホの要というべきサービスで、これらによる通信料をカウントしない「UNLIMITED COMUNICATION」には非常に多くの需要があります。しかし、これらを超えるサービスが生まれなくなる恐れがある点に関しては是非を問いたいところです。

▼参考リンク
LINEがMVNO参入、2016年夏に「LINE MOBILE」 – ケータイ Watch
コミュニケーションアプリ LINE(ライン)

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