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Webのオーディオ&MIDIはここまで進化している! 音楽教育ツール『Chrome Music Lab』

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by [2016年3月25日]

 GoogleのWebブラウザ『Chrome』を使用した音楽教育ツール『Chrome Music Lab』がリリースされました。Chrome Music Labは、Google Chromeを使用して音楽を体験学習できるWebアプリですが、Webブラウザ上だけでどんなことができるのかを解説していきましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

『Chrome Music Lab』とは?

 Google ChromeはいわゆるWebブラウザの一つですが、拡張機能を追加することによってブラウザ上でWebの閲覧だけでなく、あたかもアプリケーションのような様々なツールとして活用することができることは、ご存知の方も多いでしょう。
 Chrome Music Labもこれらと基本的には同じと考えて良いのですが、オーディオやMIDIを利用したプログラムである点が特徴です。このWebアプリではGoogle Chromeをプラットフォームとして、Web Audio API、WebGL、Mucrophone Input(WebRTC)、Tone.js、Pixi.jsなどの技術を活用して12種類のアプリが作成され、リズムやメロディ、ハーモニーなどの要素を楽しみながら学習できるようになっています。

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Chrome Music Labのトップ画面。デザインから小さな子供が親しめるような工夫が感じられる

実際に『Chrome Music Lab』を体験してみた

 Chrome Music Labを体験するには、Google Chromeを使用するため、まずGoogle Chromeをインストールしておくことが必要です。
 続いてGoogle Chromeを起動したら『Chrome Music Lab』のサイトへアクセスします。ブラウザ上にサイトが表示されると、そこには12種類の体験アプリが並んでいますので、それらをタップするとプレイ可能な状態になります。
 まずはRHYTHMから試してみましょう(図2参照)。

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RHYTHMの部分をタップした状態

 アプリのプレイ画面に入ると、ティンパニとトライアングルを持ったサル(?)の親子の画面が現れます。
 画面下部中央にあるプレイボタンをタップすると3拍子のリズムが再生され、その下にあるグリッドをタップするとリズムパターンが変えられ、演奏されているリズムに合わせて親サルがティンパニを、子ザルがトライアングルを叩く動作を行う、という仕組みになっています。

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実際にプレイしている状態

 一通り楽しんだら右方向の矢印をタップすると、4拍子、5拍子……と拍子が6拍子まで増えていき、それぞれのリズムで、違う動物の親子が同様にリズムに合わせて演奏するという流れでした。色々な使い方はあるかと思いますが、ここでは、拍子のとらえ方を実際のリズムパターンや打楽器を変えつつ、学習するのを目的としたツールに適したものだと言えるでしょう。
 次に試したのは、SPECTROGRAMです(図4参照)。

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SPECTROGRAMの部分をタップした状態

 黒地の画面の下部に並んだ10個のボタンを選ぶと、選んだボタンに描かれている楽器や鳥の鳴き声、モデム音などの音声が再生され、その周波数帯とそれらの含有量がグラフィック状に表示されます。各音のそれらの成分がどのようになっているのかをカラフルな色使いで目視できるので、小さな子でも色の変化や動きに興味を持ちやすいように思います。なお、ここで右手アイコンのボタンを選ぶと、画面上でドラッグすると動きに応じた周波数が再生され、さながらテルミンのような演奏で遊べるのもオススメです。

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実際にハープのボタンを選んでプレイしている状態

 3つ目はOSCILLATORSです。一見するとゆるキャラのような四角、三角、丸、ギザギザ形のキャラクターが現れます(シンセサイザーではおなじみですが、四角は矩形波、三角は三角波、丸印はサイン波、ギザギザはノコギリ波を表しています)。キャラクターをタップすると選んだキャラクターに割り当てられているシンセ波形が発音するのですが、タップしたまま上下にドラッグすると発音している音のピッチの高低が変化し、その動きに合わせてキャラクターの形が変わったり、動いたりするという仕組みになっています。

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サイン波のキャラクターを選んだ状態

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ドラッグしてピッチを変更している状態

 この他、画面をタップしながら簡単なメロディ作りが行えるMELODY MAKERや、有名な曲を再生するPIANO ROLLなどのように、DAWのピアノロールのGUIを使用した打ち込み的なアプリなど、どのアプリもMIDIやオーディオの技術がふんだんに活用されたものになっていながらも、フレンドリーさとシンプルさを十分に持ったものになっていることから、非常に優れたWebアプリだと感じました。

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MELODY MAKER。画面上をタップすると、その位置の音程とタイミングが入力され、入力が進むごとにフレーズ化してくるというもの

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PIANO ROLL。その名の通り曲を再生してくれるアプリで、有名な曲が5曲ほどプリセットされている

 また、ピアノ鍵盤部分をタップするとドットが揺れ、ピッチの変化と振幅の関係が学べるSOUND WAVES、メジャーコードとマイナーコードの様々なアルペジオの演奏を体感できると共に同主調や平行調の関係なども学べるARPEGGIOSなどは、年齢を問わず音楽学習の入門時に使用できるアプリでしょう。

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SOUND WAVESをプレイしている状態

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ARPEGGIOSはいわゆる楽典でいうところの5度圏を学ぶ際にも十分活用可能だ

 実際に一通りのアプリを体験してみると、GUIのデザインの親しみやすさに加え、シンプルに音程が変わったり、リズムや曲が演奏されたりといった直接感性に響くプレイ方法の容易さなどから、幼児向けの音楽教育用として最適化されたものであることが実感されます。親子で手軽に楽しみながら、音楽による情操教育が行えるファミリー向けアプリとしてオススメです。
 また、技術的な観点から言えば、Webブラウザ上でAudioやMIDIの技術がここまで容易に扱えるようになってきたという技術進化を実感すると共に、本格的な音楽制作などが実務レベルで可能となる日もそれほど遠くないように思います。今後もWebブラウザを利用した音楽アプリは要注目の分野だと言えるでしょう。

▼参考リンク
Chrome Music Lab
Google Chrome
Web Audio API
WebGL
Mucrophone Input
Tone.js
Pixi.js

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