アイキャッチ画像

新宿ダンジョンついに書籍化!?『新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか』大好評発売中!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2016年3月10日]

ss001
みんな大好き『新宿ダンジョン』・UeharaLaboの上原大介氏が書いた新宿駅解明本が、2016年3月5日に発売されました。その名も『新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか』。駅スパートな一級建築士の田村圭介准教授との共著です。上原氏の新宿駅MAP制作秘話と、田村准教授の新宿駅解説が交互に書かれていて、新宿駅旅行記としても新宿駅資料としても非常に面白く価値のある本であるといえます。

▼関連記事
脱出不可能!?方向音痴が『新宿ダンジョン』に挑んでみた
『新宿』から1年、待望の続編登場『渋谷ダンジョン』君は聖なる犬像に辿り着くことができるか!?
目指せ都庁!ニンテンドー3DS版『新宿ダンジョン』配信開始
駅の工事に合わせ続くアップデート…『新宿ダンジョン』開発者・上原氏インタビュー
UeharaLabo 記事一覧

新宿駅の歴史と、新宿駅を踏破した男の足跡


『新宿ダンジョン』がリリースされたのは2014年10月のこと。衝撃が走り抜けたのを今でも鮮明に覚えています。本文でも触れられていますが、これまで新宿駅(新宿駅群)を一望できる地図はなかったそうです。「新宿駅ってマジでダンジョン」とは誰しもが一度は思うことですが、実際のところ一般人が新宿駅を一瞥して把握することは不可能だったわけです。ゲームとしての完成度も素晴らしい『新宿ダンジョン』ですが、実はMAPとしても非常に優秀なのです。

本書の巻頭にはリアル新宿駅の地図と、ゲーム内MAPが掲載されています。さらに、新宿駅の成り立ちと発展を考える上で重要な、凹凸マップまで収録されています。新宿駅攻略の合言葉は「田ラみ」。本書を読んで「田ラみ」の意味を理解すれば、ダンジョンを攻略できる日は近いでしょう。


ブックファースト新宿店ではご覧の通り、山積みディスプレイ! 新宿駅が主役で、新宿駅ユーザーにもネット民にも鉄道オタクにもアプリファンにも訴求力のある本ですから当然といえますね! 残念ながら私は発売日に新宿駅に行く余裕がなかったので、ブックファースト渋谷文化村通り店で購入しました。


2016年3月7日にはブックファーストの新書ランキングで1位を獲得(本日3月9日も3位と健闘)。おめでとうございます。


そして本書が発売される前日に、新しい改札が増えたことが発覚。これは大型アップデートが待ち望まれますね!

本書の中でつづられる上原氏の足跡からは文字通り血のにじむ努力がうかがえます。冗談抜きで、歩きすぎて足から血が出たそうです。沖縄在住で普段の移動は車だから、と謙遜されていますが、たぶん東京在住の新宿駅ヘビーユーザーでも、すみずみまで調べつくすとなれば足から血がでる人が多いと思います。以前APPREVIEW編集部でもインタビューさせていただいたことがあるのですが、上原氏が細身の方でよかったと思います。太いと、足の裏(まめ)よりも膝の皿が大変なことになりますから……。

立ち上がれ方向音痴、誇れその自信のなさを!

ネタバレをなるべく回避しつつ本書の魅力をご紹介するためにここでひとつ唐突な自分語りを。新宿駅ユーザー&方向音痴あるあるネタです。


これは2014年10月、『新宿ダンジョン』をレビューした日に私が描いた新宿駅略地図です。「新宿駅ならわかるよ!」と鼻息荒く、意気揚々と描いたのですが、正しい地図をみると間違いだらけです……。自分が方向音痴たるゆえん、つまり空間認識力のなさだとか、歩いているときは脳みそが妄想に忙しくてお留守になってるだとか、そういったことを痛感しました。(それにしてもこの地図、ほんっとうに酷いですね!)

新宿駅で迷う人の多くは、自分の方向感覚に自信がある人や、普段案内表示を利用せずに駅の乗り換えをしている人だ。(本文p40)

新宿駅をはじめとする駅で「一度も迷ったことがない、駅で迷う人の気が知れない」と自負する人に会ったことがある。興味深いことにその人は、駅よりも普通の街のほうがずっと迷いやすいという。(本文p40~41)

田村准教授によると、方向音痴ほど駅中で迷いにくい傾向にあるそうです。なぜなら、方向音痴は方向音痴ゆえに、自分の感覚をまったく信用せず看板を見て歩くから。

いろいろ腑におちました。私は重度の方向音痴で、最近ちょっと改善の気配がみられるものの、基本的に一度通った道から少しでも逸れたらダメなタイプです。通勤経路を固定しているのは時間のロスが惜しいからではなく、家に帰れなくなるからです。基本的に最初に通った道しか覚えられないし、逆走も苦手なので、ものすごく遠回りになっても確実にたどり着ける実績のある道しか歩きません。Google Mapがなかったらいまごろ何度も街中で遭難しています。Google Mapがなかった時代は、Yahoo地図を印刷して経路をマーカーで塗り、その辺を歩いている人を捕まえて「ここに行きたいのですが……」と尋ねながら歩いていました。みなさんの親切のおかげで私の生活は成り立っています。

「新宿駅ならわかる(ドヤァ)」という感覚はまさしく、駅構内にこれでもかとぶら下げられている看板のおかげで成立していました。

大学時代から中退後までかなり長い間、中央線沿線に住んでいました。当時のバイト先・勤務先が、新宿駅西口・東口、池袋駅、渋谷駅などだったので、ハブ駅としての新宿にはわりと詳しいつもりだったんです。実際には看板のおかげでしたし、そもそも中央線を利用する時点で「最後尾車両しか乗らない」など、徹底的に迷わない工夫・新しいルートに出てしまわない工夫をしていました。今は区内に引っ越しましたし、新宿駅を使わない生活に慣れてしまったので、たぶん迷ってしまうと思います。

ss002
本書には、『新宿ダンジョン』のスクリーンショットや制作過程、地図資料がふんだんに収録されています。田村准教授によって、上原氏が迷った理由まで説明されていて、ただただすごいなぁと。新宿駅って理論で語れるんだ……と感嘆の溜め息が漏れました。

田村准教授が語る、新宿駅の発展の歴史が非常に面白く、駅が複雑化していった理由も納得いくものでした。納得したからといって迷わなくなるわけではないのですが(笑)迷ったときに本書の内容を思い出せば、苛立ちも虚しさも寂しさもきっと減るでしょう。新宿駅を解明する本ですが、方向音痴を励ます本でもあると思います。

実際の新宿駅の写真はあまり掲載されていません。というのも、どうやら撮影禁止区画が多いらしく、上原氏もMAP制作をメモ書きで行ったというのです。上原氏に畏敬の念を抱かざるを得ません。ゲームデザイナとしてもプログラマとしても一流人ですが、典型的な方向音痴としては、自分の足とメモだけでMAPを制作するなんて神業としか思えません。

歴史を知り、成り立ちを知り、道を知り、物語を知り、アプリを知る……難しいことを抜きにしても面白いし、新宿駅にもより愛着がわきますし、良書だと思います。『新宿ダンジョン』を知っている方なら絶対楽しめますし、知らずに手を取られた方はぜひアプリで遊んでみてください。

ダンジョンシリーズ

新宿ダンジョン
新宿ダンジョン 新宿ダンジョン

渋谷ダンジョン
渋谷ダンジョン 渋谷ダンジョン

PageTopへ