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高クオリティVR体験を手軽に。第二世代VRのキーワード「Foveated Rendering」とは?

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by [2016年3月04日]

FOVE VR業界で『Foveated Rendering』という新技術が話題になっている。日本産のこの技術がVRの普及に大きく役立つかもしれない。

従来のヘッドマウントディスプレイの欠点

 VR元年と目される2016年だが、今年発売される予定のヘッドマウントディスプレイの多くは、共通の欠点を抱えている。それは、高クオリティな体験をするにはかなりの費用がかかる点だ。
 従来のHMDは大きく分けて2つのグループに分類される。ひとつが、ハコスコ、Gear VR、Google Cardboardのような低コストですむ一方で、体験できるコンテンツのクオリティも低いグループだ。こうしたHMDはスマートフォンを装着するだけでいいため、HMD本体さえ買えば気軽に、VR体験が出来る。特にGoogle Cardboard、ハコスコ(写真)はかなり安価で、1,500円程度で購入することが可能。とはいっても、体験できるVRコンテンツもそれ相応、スマホゲームレベルのコンテンツしか楽しむことが出来ない。

 ふたつめのグループはOculus(写真)、PlayStation VR、HTC Vive、などのハイエンドHMDだ。こうしたHMDは高品質なVR体験が出来る一方で、値段が高い。HMD自体も10万円近くするが、15万円~20万円ほどのハイエンドPCも同時に必要となり、合計で25万円程度は見ておかなければならないだろう。

 そんな中、『Foveated Rendering』はどちらのグループにも属さない、値段を抑えて高クオリティなVR体験を楽しめるHMDグループを誕生させた。これにより、誰でも高クオリティなVR体験を楽しめるようになるのだ。

『Foveated Rendering』でVRがより身近に

 『Foveated Rendering』とはずばり、見ているところだけ、高解像度でレンダリングする機能だ。従来のVRHMDは視野角全体を高詳細グラフィックスで表示する必要があったため、高スペック、高価格なPCが必要だったが、この技術のおかげで、ハイエンドPCなしで、高品質なグラフィックが実現可能になった。
 『Foveated Rendering』によって、演算にかかるパワーをなんと最大1/5~1/6に節約できる。なぜなら、人間の有効視野はせいぜい横に30度、縦に20度に過ぎないからだ。
 必要なレンダリングパワーを大きく下げることが可能な『Foveated Rendering』はハイエンドPCを持っていない、ミドル層が手軽に高クオリティなVR体験が出来るだけでなく、Oculus、Playstation VR、HTC ViveなどのハイエンドHMDの性能が更に進化する可能性すら示している。

熾烈になる開発競争

 現在、多くの企業が、『Foveated Rendering』技術の開発をスタートしている。一部では、『Foveated Rendering』を制したものがVRを制するとまで言われはじめ、その競争は激しさを増す一方だ。

株式会社FOVE

 『Foveated Rendering』の元になっているのが『アイトラッキング(視線追跡)』という技術。HMD内で、赤外線のLEDで目を照射、内蔵カメラで瞳孔を見ることで、視線の位置をリアルタイムで検出するというものだ。『Foveated Rendering』も『HMD向けのアイトラッキング視線追跡』も、元々は日本の企業である株式会社FOVEがスタートした技術、現在もこの2つの技術で他社を牽引している。
 日本では珍しい、ハードウェアのスタートアップ企業であるFOVE社。2014年にKickstarterで48万ドルあまりを調達し注目を集めた。2016年秋にヘッドマウントディスプレイFOVEの発売が予定されている。

The Eye Tribe

デンマークのベンチャー企業であるThe Eye TribeはVRに限らず、視線で操作するデバイスを数多く手がけている。 すでにプロトタイプとしてOculus Rift DK 2、 HTC Vive、Gear VRなど従来のHMDへの『Foveated Rendering』の搭載に成功している。

トビー・テクノロジー

 2008年に設立したトビー・テクノロジーはアイトラッキング技術の様々な分野への応用を試みている企業だ。マーケティングや消費者分析、赤ちゃんやこどもの分析、スポーツにおけるヒューマンパフォーマンスなどその範囲はとても広い。こうした経験を生かし、『Foveated Rendering』技術に参入してくる可能性も高い。

VRを大きく進化させうる『Foveated Rendering』技術。体験できる日はすぐそこに迫っている。
 
●参考リンク
GAME Watch ハイエンドVRを超低負荷で実現する“Foveated Rendering”最新動向
ハコスコ
FOVE
The Eye Tribe
トビー・テクノロジー株式会社

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