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地震対策の切り札となるか? 防災への活用が期待されるVR

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by [2016年3月02日]

jishin_house 30年以内に70%の確率で起きるといわれている首都直下型地震。もちろん、国や自治体はそうした地震に対し、避難訓練をしたり、避難所の整備をしたりと様々な対策をしている。しかし、そうしたやり方では対策できないものもある。それは「地震時の人の行動の想定」だ。
 首都直下地震となればその被害のスケール、状況は今までの地震とは一線を画すものとなるのは確実で、今までの地震経験が役に立たない可能性は高い。そこで地震時の行動をシミュレーションするために、注目されているのがVRだ。

VRを使った防災策

人の行動を予測する

 今回、VRを使い、地震火災発生時の人の避難行動を検証する実験を始めたのは、東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターの加藤孝明准教授ら。加藤氏の研究テーマの一つである「自然災害に対する市街地の脆弱性評価」のうちの地震火災・避難大規模シミュレーションの構築プログラムの一環として行われるカタチとなった。
 どの程度、火災がひどくなったときに避難するのかをシミュレーションし避難場所の改定などに反映する予定だ。

地震時の予行演習にも

 VRは地震時における被災者の行動をシミュレートすることが出来るだけでなく、地震の予行演習が出来る。ブイテック研究所がエンブレマティックグループと共同開発した災害体験コンテンツを使えば、地震だけでなくあらゆる災害を体験することが出来る。
 VR訓練の効果に関しては、1997年のBliss&TidwellによるVRの学習効果に関する実験が証明している。設計図とVRを用いた訓練や、訓練なしの3つの条件において消防士による救助活動の向上を調べた実験結果では、VR環境による訓練が最も有効だったとか。
 実際に地震を経験したのか、していないのかでは地震に対する知識だけでなく、行動時での冷静さも異なってくる。知識だけでは補いきれない経験の差を埋めるにはVRが最も適しているということだ。
 SankeiBizの記事によれば、東日本大震災の際、被災者の中には恐怖で動けなかった人もいたとか。
 ブイテック研究所は現在、官公庁や自治体、消防庁、自衛隊などへ災害体験コンテンツの導入を働きかけている。近い将来、学校や職場で現在行われている避難訓練に取って代わり、VRで避難訓練をする日が来てもなんらおかしくないのではないだろうか。

●参考リンク
東京大学生産技術研究所 加藤孝明研究室:地域安全システム学
SankeiBiz ブイテック研究所、VR活用した防災訓練システム 再現映像使い災害を疑似体験
 
 

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