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金利がマイナスになるとフィンテック開発が進むのはなぜか?

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by [2016年2月24日]

 2016年、世界経済は波乱の中で幕を開けた。日経平均株価は1万9,000円から1万5,000円を割り込むまで下がり、NYダウや上海総合指数も大きく下落、原油安や急速な円高も起き、一部ではリーマンショックの再来と言われるほどだ。そうした状況下で、日銀はマイナス金利の導入を発表し、市場の混乱を収めようとした。そんなこともあって数多くのテレビ番組や新聞を始めとするメディアで取りざたされているマイナス金利だが、この政策が日本のフィンテック開発を加速させるのではないかと密かに話題になっている。

マイナス金利とフィンテック

 マイナス金利とフィンテックの関連性を説明する前に、そもそもマイナス金利とは何か、マイナス金利が経済にどのような影響を及ぼすのかを考えてみよう。

マイナス金利とは

 マイナス金利とは端的に言うと、今までは民間銀行が日銀にお金を預けると利子を受け取ることができていたのが、逆に手数料を取られてしまうというという政策だ。日銀に預けても手数料を取られるのならば、民間金融機関は投資や企業への融資にお金を回すので、経済が回復するというのが、マイナス金利の狙いだ。
 マイナス金利が発動した場合、金融機関の業績は当然低下する。そこで、我々の預金への金利が引き下げられたり、手数料をこれまで以上に取られる可能性がある。実際にみずほ銀行は定期預金の金利を0.025%まで下げたし、三菱UFJ銀行が口座手数料の導入を検討しているという旨の報道もされている。

苦境でこそ技術は発達する

 しかし、過去の歴史を振り返っても、技術は必要とされたとき、苦境に陥ったときこそ発達する運命にある。フィンテックにおいても然りだ。銀行の経営が厳しくなり、融資業務や銀行決済システムなどでコスト削減を求められている今こそ、フィンテックが日本で発展する可能性は大きくある。

欧州での実例

 実際に日本に先行してマイナス金利を導入したユーロ圏、スイス、デンマーク、スウェーデンなどの欧州ではフィンテックの受け入れ態勢が確かに進んでいる。
 例えば、マイナス金利のおかげで、欧州各国では、金融仲介機関としての特権を享受してきた銀行に対し、規制による参入障壁を徐々に緩和する動きが起きているといわれている。

http://blog.symbid.com/2015/trends/future-of-finance-fintech-investments-triple-to-12bn-in-2014/ より


 また、世界的に見て欧州のフィンテックへの投資は特筆していることが分かる。

従来の金融機関が破滅する可能性も

 フィンテックがマイナス金利から金融機関を救う可能性がある一方で、逆に銀行を追い詰める可能性も否定できない。
 実際にフィンテックへの投資が最も多い国であるアメリカのコンサルティング会社の試算によると、銀行の利益のうち「決済」で35%、「中小企業向けの融資」で35%、「資産管理・運用」で30%、「住宅ローン」で20%がフィンテックによって失われるという。
 すでに、アメリカを始めとするフィンテック先進国では従来の銀行にはないサービスが人気になっている。例えば、銀行の融資審査を通れない人向けに、資金を借りたい人と貸したい人を仲介するサービスである「ファンディング・サークル」やスマートフォンやタブレットでカード決済が出来る『スクエア』など、その種類は多種多様だ。
 こうしたサービスが日本で本格的に流行する前に、フィンテックにどれだけ投資をできるかどうかがマイナス金利で苦しむ民間金融機関の明暗を分けるかもしれない。

●参考リンク
日系ビジネスONLINE 日銀のマイナス金利がフィンテックを加速!? 施策の“先輩”欧州で起きていること
symbid Future of Finance: FinTech Investments Triple to $12bn in 2014
Square – iPhone、Android、iPadでクレジットカード決済。

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