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読者に主観的な視点を提供する最新「VRジャーナリズム」とは?

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by [2015年12月17日]

皆さんこんにちは!!

2015年は、各社続々と一般向けVRデバイスを発表するなど、いよいよVRが一般的になってきた1年でした。

またハード側だけではなくソフト側も日々、新しいVRコンテンツをリリースされており、その熱を感じずにはいられません!! そこで、APPREVIEW編集部も「乗るしかない、このビックウェーブに」という事で、Gear VRを使ってVRコンテンツをレビューしていきます。

第4回目は、前回に引き続き、ニューヨーク・タイムズやVICEなどと協力してVRコンテンツを製作しているアメリカのVRスタジオのVrse.worksが提供するアプリ『Vrse』の中から、世界のサブカルチャーなどを中心に扱うメディアVICEが手掛けるVRジャーナリズムの先駆け「VICE NEWS VR:MILLIONS MARCH NYC12.13.14」を紹介します!!

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VRジャーナリズムとは?

VRジャーナリズムとは「バーチャルリアリティの技術を使って、事件や事故などの出来事をユーザーに追体験させる事で、これまでよりもセンシティブに事実を伝えるジャーナリズムの事」です。
その方法は大きく分けて、アニメーションなどを使って仮想空間の中に3Dモデルを形成し、その中でユーザーに擬似体験させる「フィクション型VR」とVR撮影用カメラで撮影された映像の中でユーザーに擬似体験させる「映像型VR」に大別されます。

「フィクション型VR」の代表作としては、シリア内戦の様子を再現したVRコンテンツ『Project Syria』であり、自爆テロや空爆、難民キャンプの様子をユーザーに体験させるものがあります。

一方「映像型VR」の代表作としては、ニューヨーク・タイムズが手掛けているVRコンテンツ『NYT VR』であり、VR用に映像を撮影し、体験したユーザーを中心とした映画の様に、事実や出来事を伝えていく方法です(※『NYT VR』は次回ご紹介する予定です)。

現状では、VRコンテンツの製作費を考慮すると、「フィクション型VR」よりも「映像型VR」の方が主流となっているようです。
また、VRを視聴するために必要なデバイス(Google Cardboard、Gear VRなど)の普及率はまだまだ低いですが、ニューヨーク・タイムズは2015年11月に同社新聞の購読世帯にGoogle Cardboardを配布するなどして、よりセンシティブに事実を伝える事のできるVRジャーナリズムの活用法を模索しています。

VRでより深く考えるきっかけに

そして今回紹介するのが、世界のサブカルチャーなどを取材するメディアVICEのVRコンテンツ「VICE NEWS VR:MILLIONS MARCH NYC12.13.14」です。
これは、昨年2014年12月にアメリカで発生した、白人警官による射殺事件が不起訴になった事に対する黒人たちの抗議の様子をVRジャーナリズムとして擬似体験させるものです。

このVRコンテンツを利用する方法としては、Gear VRを利用する場合はOculus Share、Google Cardboardを利用する場合はAppStore、Google Playから『Vrse』というアプリをダウンロードする事で体験する事ができます。

ちなみに、VRデバイスをお持ちでない方のために360℃Viewに対応している動画を張り付けておきます。

では、さっそく見ていきましょう。

白人警官による黒人暴行事件の無罪に対するニューヨークデモを撮影した映像

白人警官による黒人暴行事件の無罪に対するニューヨークデモを撮影した映像

この映像は、2014年8月にアメリカで起きた白人警官による黒人少年の射殺事件と同年7月に起きた白人警官による暴行を受け死亡した黒人男性の事件を受けて、全米各地で頻発したアフリカ系アメリカ人に対する警察の取り締まり手法をめぐる抗議デモの様子を収録したVRビデオです。

ニューヨーク5番街のワシントン・スクエアの平和凱旋門前で多くの人々が抗議集会に集まっている

ニューヨーク5番街のワシントン・スクエアの平和凱旋門前で多くの人々が抗議集会に集まっている

このVRビデオを製作したVICEは、記事中で、

“I think VR holds the potential to fundamentally change journalism.”(訳:VRはこれまでの根本的なジャーナリズムを変える可能性がある)

と述べ、ユーザーが実際の事件や出来事を擬似体験する事で、これまでよりもセンシティブに、より深く考えるきっかけになる可能性を示唆しています。

抗議のためにニューヨーク市内を練り歩く人々

抗議のためにニューヨーク市内を練り歩く人々

首を絞められた黒人男性が発言されたとされる「I can’t breathe」がスローガンとして叫ばれていた

首を絞められた黒人男性が発言されたとされる「I can’t breathe」がスローガンとして叫ばれていた

一個人のインサイトに訴えるVRの将来性に期待

今回「VICE NEWS VR:MILLIONS MARCH NYC12.13.14」を体験してみて感じた事は、VRの持つ新たなジャーナリズムの将来性です。

VRをジャーナリズムに応用する事で、擬似体験したユーザーに“主観的な視点”を提供する事ができます。
これまでの方法では、事件や出来事に対し“客観的な視点”でしか訴える事ができませんでしたが、VR技術を使う事でより体験者のインサイトに訴えかける事が可能になります。
このような点から、VRジャーナリズムは、今後ジャーナリズムの更なる発展に貢献する事ができると言えそうです。

文字文字

※かなりデータ通信量を要するのでWi-Fi環境下でのダウンロードをオススメします。

参考・関連
Vrse,works公式サイト
Chris Milk, Spike Jonze, and VICE News Bring the First-Ever Virtual Reality Newscast to Sundance

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