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ビッグデータで日本社会はどう変わる?「ビッグデータ活用社会に向けた経済産業省の取組みについて」

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by [2015年11月04日]

 ビッグデータ活用展【秋】において、「ビッグデータ活用社会に向けた経済産業省の取組みについて」と題して、ビッグデータによって日本社会がどのように変わっていくかが語られた。
 現在、経済産業省は、分野・組織の壁を超えたデータ利用による「データ駆動型イノベーション」の創出に向けて具体的な事例づくりを進めると共に、プライバシー・個人情報の保護や電子商取引に関わるルール整備など、事業者がIT・データ利活用を積極的に進められるような制度や事業環境に取り組んでいる。

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スピーカー:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長 佐野究一郎氏

情報社会化によって世界はどうなっていくの?

現代の社会は第4次産業革命、つまりデータ駆動型社会とも呼ばれています。IoT(Internet of Things:モノのデジタル化)やネットワーク化が急速に進み、私達を取り巻く環境が急速に変化している時代だと思っています。IoTによって得られた情報がデータとして蓄積されて、モノに反映されていきます。物体に通信機能を持たせて、IoTで集約したデータをまたモノにつないでいくというモノとモノ、またはモノとヒトをつないでリアルタイムで瞬時に回転していく世界がどんどん近づいてきています。「CPS(Cyber physical system 実世界とサイバー空間との相互連間)」と言ったりもします。

経済産業省としては、デジタル化、ビックデータ解析、ロボットのパーツ等といった部分に重点を置くのではなく、CPSを大きく捉えていくプロデュースを打ち出していきたいと考えています。
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IoTは各分野に広がりを見せていきます。例えば、サプライチェーン(モノの原材料から消費者にわたるまでの全工程)では、在庫がゼロの状態で商品が効率よく流れていくでしょう。車産業では、完全自動運転が出来るようになれば、渋滞や自動車事故の軽減が見込めます。この他にも教育や医療の分野でも、精度の高いデータを活用した取り組みが増えます。

マス(集団)から個人へ

IoT化によって起こる変化としては、マス(集団)対サービスだったのが個人対サービスになり、サービスの質の向上が見込まれます。より社会が個人化していくということです。個人のニーズに応えたサービスの供給で、産業分野では今までの大量消費社会は終焉の一途をたどるだろうと予測しています。

デジタル化の進展で水平分業(製品の一部分もしくは全部を外部に発注し、組み立てて一つの製品を完成させること)が活発化し、各分野におけるグローバル競争が活発化していきます。
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ここで現在活用されているIoT化、データ化の取り組みをいくつか紹介します。

総合繊維メーカー、セーレンは顧客の好みに合わせたパーソナルオーダーメードの洋服が作れます。カスタマイズオーダーメードのビジネスモデルです。

医療健康分野では、健康情報と医療情報をカスタマイズして、医療予防の展開をする取り組みとして東レ株式会社とNTTドコモが共同開発した『hitoe』があります。

教育分野ではリクルート「受験サプリ」が有名ですね。受験生の約半分が会員(会員数約30万人)で毎月980円で有名講師の授業とテストを受けられるというアプリで、従来の学習塾の産業構造を変えたサービスです。

農業分野ではソフトバンクグループの「e-kakashi」やクボタの「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」でIoT化が進んでいます。

データの総取り合戦

データ化は時にリスクもついてきます。セキュリティリスクの増大や企業の個人情報の漏洩(コンプライアンスリスク)が社会存亡の危機を迎える可能性もあります。これらについてどう対応して行くかは、日本企業のアプローチを考えていくべきです。

日本においてITの世界では、問題を解決してから新事業に取り組んでいます。しかしながら、IT分野はデータが中核になる結果として、まずは事業をはじめ、いち早くデータを取得し、ビジネスモデルを獲得したものが総取りの世界なので、日本的なアプローチの方法では世界から遅れをとることになりかねません。

そこで、官民一体で基盤を整備していく必要があります。

  1. セキュリティ面:セキュリティやプライバシーへの懸念によるルール形成などの制度を整備
  2. 技術面:産業界のチャレンジを生かして、企業間連携で新たな産業モデルを生み出せるように国として支援をする
  3. 人材面:ベンチャー企業、企業家を育てる環境をつくるために支援すること

これらを重視し、データの利活用を促進していきたいです。これらを推進することは、国際競争で求められる日本企業を創り出すことに他なりません。

そのために今月(10月23日)「IoT推進コンソーシアム」というのが発足しました。ここでは新産業構造ビジョンとして2030年を見据えてAI・ビッグデータ・IoTで日本の産業社会がどう大きく変わっていくのかを議論し、官民で共有しようと思っております。

▼関連リンク
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受験サプリ
e-kakashi
KSAS クボタ スマートアグリシステム
ビッグデータ活用展

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