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祝・聖剣伝説リメイク! 入間川幸成がゲームボーイ版を引っ張りだして24年前の思い出を語る

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by [2015年9月25日]

 2015年冬『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』が、PlayStation Vita/iPhone/Android向けに配信されるとのニュースが発表されました。

 公開情報によると、1991年に発売されたゲームボーイ版オリジナルのストーリーはそのまま、サウンドは伊藤賢治氏の新アレンジ楽曲が登場するとの事。
 YouTubeのスクウェア・エニックスチャンネルで制作情報が発表された今年の初夏「待ってる。超待ってる。」と思わずSNSに発信するほど、このニュースに歓喜している入間川でございます。リリース前の作品にも関わらずレビュー未満の記事として原作の思い出、思い入れを語ってしまいたいと思います。

姉が買ったゲームボーイ版『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

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 24年前の1991年、当時のスクウェアからリリースされたこの作品は、今は僕が保管しています。今でこそスマートフォンの普及によりゲームのプレイは1人が1台で行うのが普通ですが、当時我が家にはゲームボーイが一台。姉がプレイする様を両端から兄と僕とが覗き込んだり、レベル上げの戦闘は僕が代行したりして、主人公が世界を救う旅に参加していたものです。
 このゲームはセーブスロットが2つだったんですよね。姉の旅の記録と、兄の旅の記録。姉のクリア後に、僕はセーブスロットの使用を許可されたはずです。兄弟でシェアしていたソフトなのでヒロインに好きな女の子の名前は……たぶん付けなかったと思います。
 3人で並んで小さな画面の中での冒険に入り込んだ面映ゆい絵面には、現在のプレイ実況動画に通じるものがあり、一方でプレイ実況を視聴するのとは違う楽しみもあったものです。今はきっとできないでしょう。そしてできてもしないでしょう。追憶ゆえの憧憬。
 スクリーンショットはゲームボーイでのプレイの様子をスマホで撮影しました。当時の攻略本はこのようにしてプレイ画面の写真撮影がなされていたのでしょうかね。

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 フィールドを歩き回って、剣を振り、魔法やアイテムを駆使して道を行くタイプのアクションRPG。僕がこのジャンルのゲームをプレイしたのも『聖剣伝説』が最初でした。当時の僕のおつむで物語に没入できていたかは微妙なところですが、ヒロインや世界を救うため戦いながら世界を旅し、登場人物のドラマに触れ、エンディングで感動したのは間違いのない記憶です。

ゲームミュージックの原体験

 音楽に関しては特に語らせていただかなくてはなりません。
 「サウンドは伊藤賢治氏の新アレンジ楽曲が登場」と公表するにはちゃんと理由があるはずです。僕のようにこの作品の音楽に心奪われた人がたくさんいるからでしょう。以前僕のインタビューでも話題に登りました。僕のゲーム音楽のルーツについてお話をする時には必ず出てくるのがこの『聖剣伝説』です。ゲーム音楽最初の感動体験はおそらくこの作品だったと思います。
 耳コピの原点は、オープニング曲『Rising Sun』をピアノで弾いたことだったと記憶しています。プレイした時間が他のゲームに比べて長いので耳に残っているのは当然なのですが、当時から「弾いてみたい」と行動を起こしている事や、何度聞いてもやっぱり好きなのは、ナイスなメロディがあるからでしょう。当時の僕の幼い耳は主旋律を追って「好き!」となったはずですから。
 この冬の新作ではそんなナイスメロディの数々が、当時の制約無しでアレンジされる事を思うと待ち遠しさもひとしおです。

  1. 果てしなき戦場
  2. 戦闘2
  3. マナの神殿

 特にこの3曲は是が非でもニューバージョンを聞きたいので、リリース直後は寝る間も惜しんで引きこもる気がしないでもないです。少なくともマナの神殿に辿り着くまでは。公式のサウンドコレクションCDでもオーケストラアレンジバージョンが収録されていたり、二次創作によるアレンジ版がたくさんある人気の曲です。
 操作が原作そのままだとしたらスマホでプレイするにはちょっとしんどそうなので、その点を現代の開発陣がどのように料理するのか注目です。必要とあらばPS Vitaの十字キーを駆使させていただきたい。でも電車の中でVitaを取り出しプレイするのは少し抵抗がある歳になってきたので、できれば移動中にもプレイできるようにスマホで戦いたい……。
 楽曲制作をなされている伊藤賢治氏。聖剣伝説に限らずサガシリーズなどを通じて僕は感動し強く影響を受けています。『聖剣伝説』の制作時、氏が当時20代前半だった事を後で知り改めて衝撃を受けました。Wikipediaを見るとスクウェア入社直後に制作に参加されているようです。
 この情報にたどり着いたのは、僕がちょうどサンプル楽曲を作ってゲーム会社に送り続けていた頃でした。作曲の合間にゲーム音楽をいろいろ聞きながら作曲家を調べたりゲーム会社やデモテープ募集の情報を集めたりする中で「まさに今の俺の歳に、既にこの名作群を作り終えていたのか!」といった具合にヘコんだりしていました。
 伊藤氏の経歴を我が身と比べヘコむなどとは、思い返すとおこがましい話でして、別に思い返さなくても身の程をわきまえぬ考えであった事に変わりはないのですが「隣のトシ君はな、お前の年頃にはもう自転車乗れたんだぞ」的な感じでヘコむ事ってあるじゃないですか。そういうやつです。今も優れた作曲家が平成生まれだったりする事にビビったりしています。相変わらずです。
 この『聖剣伝説』での音楽体験は、現在の僕の楽曲制作にも強く影響しています。ゲーム音楽においてはもちろんですが、バンドでの楽曲制作にも通じるところがあります。当時のゲーム機の状況から、現在の携帯ゲーム機で再生される音楽と比較するとだいぶデフォルメした形となっていますが、使用する楽器を問わない素敵なメロディの重要性や楽曲を形作る概念は、僕が今現在も追いかけているモノと変わりません。
 もっと単純に、ゲームで遊んだ少年が「弾いてみたくなった。実際弾いた」というように、聞いた人の行動に影響を及ぼす力のある楽曲への憧れも、この作品をプレイした自分の体験から生まれています。だからと言って僕が作った曲を聞いてくれた人全員に耳コピしてほしいという訳ではないのですが、僕の場合はゲームをプレイした時の感動が「はじめての耳コピ」というかたちで行動となって現れたからですね。それは、誰かにとっては、ふいに気付く鼻歌かもしれないし、お気に入りのフォルダへの保存なのかもしれません。そういう影響力は僕の理想とするところなのです。

 リリース前に原作の思い出を語ってしまうほど影響を受けた大好きなこの作品。重ねて言おう。待ってる。超待ってる。あの感動を現代のテクノロジーで! ありがとうスクウェア・エニックス!

▼参考リンク
聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝- | SQUARE ENIX
Riverside Creature(入間川氏が所属するバンド)

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