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注目の経営者に聞く!会社のベース作りと今後の展望~次世代リーダーになれるか?【B Dash Camp】

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by [2015年9月29日]

2015年9月17日から18日にかけて、京都ホテルオークラにて開催された「B Dash Camp 2015 Fall in Kyoto」。国内外の有望インターネット企業やスタートアップに投資を行うB Dash Venturesが主催する、招待制イベントです。

『次世代リーダーになれるか?』は毎回恒例のセッションで、APPREVIEWでも2014年7月「B Dash Camp 2014 Summer in Fukuoka」・2015年4月「B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka」にその様子を取材しています。

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今回も注目のベンチャー企業4社が登場しました。モデレーターはグリー株式会社の代表取締役会長兼社長、田中良和氏(左)です。

登壇者紹介

b_dash_0752上坂優太氏《株式会社Viibar》
映画監督を目指しTVCMなど映像の仕事・ディレクションを行っていたが、インターネットの勉強のため楽天に転職し、動画コミュニケーションの受発注を経験。その後、動画を作っている人と欲しい人を効率よくつなげるビジネスを展開すべく、2013年4月にViibarを立ち上げた。

b_dash_0756大湯俊介氏《Connehito株式会社》
大学時代、海外の意思決定を学ぶために留学。帰国後すぐに結婚、内定辞退、家族の猛反対と大きなターニングポイントを一度に経験し起業。現在、子どもが生まれる際の悩みや、生まれた後の悩みに対する意思決定をサポートするQ&Aコミュニティサイト「ママリ」を運営中。

b_dash_0765武田和也氏《Retty株式会社》
起業のために、3年間勤めていた広告会社を退職。「どの山を登るかで人生の半分が決まる」という孫正義氏の言葉に従い、アメリカにて事業案を練る。そこでの経験を基に帰国後、実名でオススメの店を投稿するサービス「Retty」を立ち上げる。現在の月間ユニーク数は8月時点で1,300万人。社員数は50名。
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b_dash_0770鶴岡裕太氏《BASE株式会社》
ハイパーインターネッツのインターン中に家入一真氏に出会う。2年前、学生の時にECショップ製作サービス「BASE」を立ち上げる。現在は簡単にオンライン決済が出来る「PAY.JP」と共にサービス展開を図っている。社員数は40名。
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(以下敬称略)

会社のはじまり

チームの作り方

───今日はこちら側で質問を用意していますので、それに沿って進めていきたいと思います。早速ですが、チームはどのように作られたのですか?

大湯 現在CTOをやってくれているエンジニアの島田は、私の幼馴染が紹介してくれました。その幼馴染とご飯に行く際に「お前とは頻繁に会いすぎてつまらないから、他に誰か連れてきてほしい」と話をしたことがありました。幼馴染と同じ学校に通っていた島田も「誰か面白い人を紹介してほしい」と彼に頼んでいたため、その無茶振りに挟まれた幼馴染が引き合わせてくれ、意気投合しました。2回目に島田と会ったときにはもう起業を決意していました。

鶴岡 2年前に創業した頃は12人で3LDKに住んでいて、毎晩二段ベッドの下のマイスペースでコードを書いていました。チーム作りの際は共に住んでいたメンバーや、家入さんなどの周辺にいた優秀な方に声をかけていきました。一緒に寝ずにやってくれる、創業期に必要な人がたくさんいてすごく助かりました。

事業内容決定の経緯

───創業期はチームの集め方と事業内容が大切になってくると思いますが、事業の決め方についても聞いていきたいと思います。

武田 アメリカで出たサービスが半年後に同じような形で日本で出ているという現実を、2010年サンフランシスコにいた際、目の当たりにしました。アメリカ先行が悔しかったので、日本が世界的に進んでいる領域であれば、イノベーション(日本先行でのサービスリリース)を起こせるのではないかと考えました。皆さんご存知の通り、日本が世界から評価を受けている文化には、「食」と「ゲーム」があると言われています。東京は世界でも飲食店が多い都市で、ミシュランガイドで三つ星が取得出来るような質の高い飲食店も圧倒的に多いため、食の探し方が多様化しています。そこに新しいニーズやサービスが生まれると感じました。また、おいしいお店に出会って人がハッピーになることも想像できたため、この事業をやろうと決めました。

───他のサービスは意識されているのですか?

武田 アメリカ発のサービス『Yelp(イエルプ)』を結構意識しています。いくつかグルメ系アプリが出ているアメリカでも、抜きんでたサービスがまだないため、海外でもやっていけるチャンスがあると感じています。

───上坂さんはいかがですか?

上坂 自分が今まで動画製作をやっていく中で感じていた課題をシンプルに煮詰めていって、それを解決出来るような事業を行っています。「誰でも良質な動画コンテンツを発注しやすい環境をつくる」という点は3年前も今も変わらない、事業のコアとなる部分だと思っています。

───クリエーターのプラットフォーム作りということですか?

上坂 そうですね。もともとは「動画×ITで人々のコミュニケーションを豊かにしよう」と掲げていたのですが、これを詰めていけばミッションはもっと明確に出来ると考えるようになりました。人の創造性というのは可視化されていないので、まだまだ流通していません。そうした創造性が流通出来るような事業を行っていきたいです。動画はチームで共創してつくっていくものであるため、創造性を持った人の生産性を高め、誰もがそういう力を活用できる社会にしたいと考えています。

資金調達の方法

───続いて、資金調達について伺いたいと思います。

上坂 最初はエンジェル投資家(創業期の企業へ資金を供給する投資家)に公開したり、オンラボ(スタートアップ支援サービスの一つ)を利用したりしていました。創業から10ヵ月後の2014年2月、GLOBIS CAPITAL PARTNERS様、GREE Ventures様にシリーズA(スタートアップ企業に対してなされる投資)を3億円していただきました。2015年4月にYahoo様にも出資していただき、計7億円をシリーズB(事業がある程度成長した段階での投資)で調達しました。意思決定において特徴的だったのが、シリーズBの段階で、Yahoo本体から投資を受けたという点でした。

───大湯さんはいかがでしょう。

大湯 我々の会社はto C(個人向け)サービスを展開していますので、シリーズAのパートナーを選ぶ際に、プロダクト作りをこちらに任せてくれ、資金調達に徹してくれる相手であるかという点を重視しました。

武田 田中さん、to Cの会社と事業会社が提携してうまくいったというような経験があれば、教えていただきたいです。

───課金や集客において大きなプレイヤーである会社と提携すること、広告代理店で一緒に広告を売ってもらうことがありました。

事業における失敗

───今までの大きな失敗を伺っていきたいと思います。

鶴岡 ドメインが落ちて二日間使えなくなってしまったことです。あの時はかなり焦って、会社が終わったと思いました。

───そこから学んだことは何ですか?

鶴岡 良いドメインを使う。

(会場笑い)

───なるほど(笑)では、武田さん。

武田 私はコンサルをやっていた元同僚と共同創業したのですが、彼とは400万円を資本金にしてRettyを作り、リリースできなかったら会社をつぶそうと話していました。サービスをやることが決まり帰国したときに、日本にエンジニアの知り合いが全くいなかったので大変でした。その後いろいろなイベントで多くのエンジニアに会い、何とかリリースをしましたが、もう少ししっかり準備をしてから始めればよかったと少し後悔しています。

───武田さんは、最初に資金調達する際に巨額と少額、どちらがいいとお考えでしょうか。

武田 最初から多く入れるのも良いと思いますが、サービスを出したり体制が揃ったりするまでは、自分たちのお金でやるのがいいと思います。そのあとでも調達は出来るからです。

リーダーとして直面していること

───では最後に現在、リーダーとして直面していることをお聞かせ願いますか。

大湯 会社が大きくなっていく中で、CEOである私がどこまでプレーヤーであるべきかという点はかなり考えています。私は女性ではないですし、最終的にユーザーにはなれないと感じています。しかし、ユーザーが画面の向こうで何を考えているのか、この瞬間どのようにサービスを使っているのかといった点を、週1回行っているインタビュー等を通して一番想像している自信はあります。ただ、社員に任せなければならない部分と自分でやっていい範囲のバランスが難しいと感じています。

───ゲーム業界の社長は、半分以上の確率で社長業をやりつつ、ゲームを作ってもいます。ゲーム業界ではそれが普通に近いです。業種によっても違うと思いますが、コミュニティやメディアを作るという点で、ゲーム業界とインターネット業界は似ています。プロダクトで伸びていく会社においては、どちらもやることが普通になっていくのかもしれません。

上坂 現在我々の会社は社員が50名ほどで、ミクシィのCTOだった松岡が第二創業的にCTOで入ってくれたことにより活発に動き出しています。採用活動では、大きな企業から貴重な人がきていただけているというのが今の状況です。それが嬉しい反面、組織が伸びていった際に全体を見るためには、ミドルマネジメントが必要にもなってきますし、どのように数を増やしていけば良いのかという思いがあります。ベンチャーとしてどうやっていくべきか、やり方や考えがあれば教えていただきたいです。

───正解はないと思いますが、私が楽天をやめてから5年程は直接こちらに引き抜いた人はいませんでした。楽天の初期からずっと働いていたため、私がそこをやめるということに加え、引き抜くことでさらに攻撃するようなことはしたくありませんでした。あとは、元の会社で認められていた人もいらっしゃるので、そういった人が来る際は上の方にひと言お断りしてから来てもらっています。ビジネスをしていく中で今後、その会社と取引をするかもしれないし、本人のキャリアや信用もあります。そういった部分を壊さないように(筋を)通すというのは重要なことだと思います。

前回登壇者の赤坂氏※より

赤坂 みなさんに直近の事業の伸ばし方、勝ち方を聞きたいです。
※B Dash Camp 2015 Spring IN Fukuoka『次世代リーダーになれるか?』に登壇したエウレカのCEO。

鶴岡 淡々と、良いと思うプロダクトを作るだけだと思っています。個人的にユーザーの声を聞く文化が好きではないので、声をもとに機能を改善するといったことはしません。それをしてしまうと、短期的なサービスになると感じているからです。いかに惑わされずに、10年や20年後に最大化しているサービスを作っていけるかという考えにも通じるので、開発陣やマーケターにもこの考えは共有しています。

上坂 動画は市場自体が大きく広がっているため、その速度に負けずに事業を伸ばさなければならない点が、勝負だと感じています。我々にはプラットフォームとプロジェクトマネジメントの事業があり、それぞれ顧客セグメントが異なります。また、前者だと営業が必要ありませんが、後者だと必要であるなど、マネジメントの方法も変わってきます。現在は様々な視点から事業を伸ばしている段階ですので、チャンスと課題のどちらもあるフェーズだと思います。

───これからもB(法人)向けビジネスがメインとなるのでしょうか。それとも、C(個人)向けのメディア事業や課金事業なども考えているのでしょうか。

上坂 時間軸の取り方で変わるとは思いますが、リソースも限られているので、まずは「創造性の流通」というコアな部分をやりきることに力を入れていこうと考えています。

大湯 デバイスや環境が変わる中で、ユーザーが表面的に求めているものは変わっても、本質的に求めるものは変わらないと思っています。ですからユーザーの声を聞く中で、今までやってきたことの形が変わる瞬間と、20~30年後に何が普通になっているかを常に見るようにしています。その姿勢が、最終的に事業の勝ち方になるのではないかと考えています。

───ここにいる皆さんが今やっている事業は、一つ目をつぶしてから始めたものが多いですよね。そうしたことによっての学びは何かありましたか。

大湯 昔は、本当に必要とされているものではなく、自分の欲しいものを作ってしまっていました。広く使われるものでないと、上場して数千億円の企業価値が付くこともありません。そこに気がついてから、「こういうことは自分なら考えない」といったことや「メインターゲットではない」といったものでも、一般的に幸せを作るものを作っていこうという考えに変わっていきました。

武田 
サービスを出して4年になりますが、最初の3年はひたすら、口コミを書いてくれる人を集めていました。そうして時間をかけて進めていき、ユーザー数が一千万人を超えたところから、飲食店からの認知も高まってきました。飲食店に提供する価値は集客ですが、様々なつながりからお客様を連れてこられるようなプラットフォーム作りをしたいと考えています。集客はもちろん、常連さんのつながりやファンの口コミで成り立つような世界を、飲食業界で作っていきたいです。

───社員が300人を超えると全員の顔と名前が一致しなくなってくるため、本当の組織課題も出てきます。しかし、現フェーズですべきことは事業を伸ばしていくことです。今皆さんは50~100人の会社を経営されていて、伸びてきてもいます。皆さんがこれから大きな会社を築き上げ、次世代のリーダーになっていくことを期待しています。本日はありがとうございました。

▼参考リンク
Viibar
Connehito
Retty
BASE
B Dash Camp 2015 Fall in Kyoto – B Dash Ventures

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