Windows 10 Pro x64版でのHewlettーPackard xw9400/CTのCPU動作状況12CPUコア搭載のマシンであるため幾分差し引いて考える必要があるが、アイドリング状態ではせいぜい8コア程度しか利用できていないことがわかる。

Windows 7マシンにWindows 10を入れてみる その3

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by [2015年8月27日]

Windows 10インストール中のLenovo ThinkPad X200

Windows 10インストール中のLenovo ThinkPad X200

前回はWindows 7がインストールされているマシンへWindows 10をインストールする作業をご紹介しました。今回は、その動作を中心にご紹介したいと思います。

コア数が多いマシンほど有利か

さて、8年ものの古いマシンでも拍子抜けするほどあっさりとインストール作業が完了してしまったわけですが、デバイスドライバの適用状況や実際の体感速度などはどうなっているでしょうか?

ほぼ全てのデバイスにドライバがインストールされた

xw9400/CTにWindows 10をアップグレードした直後のデバイスマネージャSCSIコントローラ2基がPlug and Playで正しく認識されずドライバをインストールされていない以外は全て適切なドライバを適用されている

xw9400/CTにWindows 10をアップグレードした直後のデバイスマネージャ
(ドライバの提供されていない)SCSIコントローラ2基が未インストールである以外は全て適切なドライバを適用されている

まず、何かと問題になりがちなデバイスドライバですが、xw9400/CTとThinkPad X200のコントロールパネルの「デバイスドライバ」項目を開いて確認すると、驚いたことにはxw9400/CTに挿していたUltra 320 SCSIカード以外の(3.5インチフロッピーディスクドライブのようなかなりレガシーなデバイスを含めた)全デバイスに対して何らかのデバイスドライバが適用・インストールされていました。

Adaptec ASC-39320A64ビット接続で高速なPCI-Xバスに対応し、最大転送速度320MB/sのUltra 320 SCSIインターフェイスを2チャネル搭載するSCSIインターフェイスカード。この種のSCSIカードとしては最末期の製品であり、それゆえこれまでWindows標準のInBoxドライバが提供されてきた

Adaptec ASC-39320A
64ビット接続で高速なPCI-Xバスに対応し、最大転送速度320MB/sのUltra 320 SCSIインターフェイスを2チャネル搭載するカード。この種のSCSIカードとしては最末期かつ最速級の製品であり、サーバ機の起動ディスク接続用として搭載されるケースが少なくなかったため、これまでWindows標準のInBoxドライバが用意され(つまり特に何もしなくてもこのインターフェイスに接続されたハードディスクがWindowsのインストーラから自動認識され、そのインストール先として利用できた)、メーカーでも純正ドライバが提供されてきた

実を言うと、今回xw9400/CTに搭載したUltra 320 SCSIカードであるAdaptecの「ASC-39320A-R」とサウンドカードのCreative「Sound BLASTER X-Fi Xtream Gamer」についてはAdaptec・Creativeの両社の公式サイトを確認すると共に現段階では(そして今後も)メーカー純正のWindows 10対応ドライバの提供予定が無いことが案内されていて(※注1)、そのうち前者については「このカードは(も)ダウンロードで利用できるWindows 7 / Windows 8 ドライバで動作すると思われます」と代替手段として旧バージョンのWindows用デバイスドライバで動作する可能性があることがアナウンスされているような状況でした。

 ※注1:ちなみに後者についてはCreativeの北米サイトを確認すると、他のPCIバス接続対応版Sound BLASTER X-Fiの各機種と共に、既に純正ドライバが提供されていたりします。そればかりか、世代の古いAudigy4や廉価版のAudigy SE/Valueまでドライバ提供が始まっていて、このあたりの機種について冷淡に「予定なし」の一言で片付けている日本法人とはその対応状況に大きな格差があります。ワールドワイドで販売されている同じ製品について国別でOSの対応可否が大きく変わるというのは何とも釈然としません。

Creative SoundBLASTER X-Fi Xtream Gamerサウンドカードメーカーとしては老舗のCreativeが2006年に発売したロープロファイル対応のPCI サウンドカード。3Dゲームでの利用に適した3D音響効果が利用でき、またPCIバス対応では後継製品が用意されなかったため、長い間現行製品の座にあった

Creative Sound BLASTER X-Fi Xtream Gamer
サウンドカードメーカーとしては老舗のCreativeが2006年に発売したロープロファイル対応のPCI サウンドカード。3Dゲーム,特にFPSでの利用に適した高度な音響効果機能が搭載され、またPCIバス対応では後継製品が用意されなかったため、長い間現行製品の座にあった

(パラレル接続の)SCSIについては後継規格となるSAS(Serial Attached SCSI)が登場したWindows Vistaの頃からUltra SCSI、Ultra 2 Wide SCSI、Ultra 160 SCSIと世代別にWindows標準のInBOXドライバに収録されなくなる、あるいはメーカー純正ドライバの提供が終了するといった形で段階的にサポートが切られていっていたため、「ああ、やはりなぁ」、あるいは「遂にこの日が来たか」というのが正直な感想なのですが、サウンドカード、特にCreative自社開発のDSPサウンドチップを搭載する機種については、その機能の複雑さ故にドライバサポートが大きく遅れるのが常で、リリース時点での新WindowsにいわゆるInBoxドライバとして対応デバイスドライバが(例え1世代以上前のチップに対応し、最低限の機能しかサポートしないものであっても)収録されるというのは珍しいことであったりします。

Windows 10でInBoxドライバの提供のないAdaptec ASC-39320A-R Ultra320 SCSIカードにWindows 7/Windows Server 2008R2用デバイスドライバを適用した状況特に何の問題もなくドライバが認識され組み込まれている

Windows 10でInBoxドライバの提供のないAdaptec ASC-39320A-R Ultra320 SCSIカードにWindows 7/Windows Server 2008R2用デバイスドライバを適用した状況
特に何の問題もなくドライバが認識され組み込まれている

ともあれ、パラレルSCSIが完全に切り捨てられたのは筆者などには残念なこと(※注2)なのですが、その一方でSound BLASTERシリーズを搭載したパソコンで従来ありがちだった、新OSをインストールしたは良いが音が出ません、といった悲しい状況にならない可能性が高いというのは朗報です。

 ※注2:なお、Adaptec公式サイトの案内に従ってASC-39320A-R用として提供されているWindows 7/Windows Server 2008R2用デバイスドライバをインストールしてみたところ、特に何のエラーが出ることもなく正常にデバイスが認識されドライバインストールが完了しました。メーカーによる保証やサポートが一切ありませんが、このように古くてデバイスドライバが提供されていないデバイスでも、ものによっては提供されているWindows 7あるいはWindows 8用のデバイスドライバを適用することで動作する可能性があります。

古いマシンでも条件を整えれば動作は意外と軽い

Windows 10 Pro x64版でのHewlettーPackard xw9400/CTのCPU動作状況12CPUコア搭載のマシンであるため幾分差し引いて考える必要があるが、アイドリング状態ではせいぜい8コア程度しか利用できていないことがわかる

Windows 10 Pro x64版でのHewlettーPackard xw9400/CTのCPU動作状況
12CPUコア搭載のマシンであるため幾分差し引いて考える必要があるが、アイドリング状態ではせいぜい8コア程度しか利用できていないことがわかる

さて、Windows 10 Pro x64版をアップグレードインストールしたxw9400/CTとThinkPad X200の実際の動作状況ですが、12CPUコア搭載でGPUにRADEON HD5870を使用している前者は至って軽快で何の不自由も無く動作し、後者はさすがにCPUコア数が2基しかない上に内蔵GPU性能が低いこともあってか、重い処理になると若干息切れ感がある印象です。

Windows 10 Pro x64版でのLenovo ThinkPad X200のCPU動作状況アイドリング中とはいえ、意外なほど低いCPU使用率となっている

Windows 10 Pro x64版でのLenovo ThinkPad X200のCPU動作状況
アイドリング中とはいえ、意外なほど低いCPU使用率となっている

もっとも、そんな後者でもCPU使用率が100パーセントに達することはあまりなく、当初覚悟していたよりは挙動の切れがかなり良いことには正直驚かされました。

ちなみにxw9400/CTの挙動を見る限り、各CPUコアへの処理の振り分けがうまくなっている印象で、Windows 7時代と比較しても重い処理をきちんと分散させて動作できているようです。

このため、Windows 7だとCPUコアが12基あってもマルチスレッド処理に対応した動画エンコーダ以外ではほとんど意味も価値も無いような状態だったのですが、Windows 10ならば搭載されるGPUの演算能力のGPGPUでの活用も含め、これまで以上に効率の良いCPU周りの処理・動作を期待できそうです。

つまり、可能であるならばCore2 DuoならCore2Quadへ、Core i5やCore i3ならCore i7へ、それぞれ同世代かつ上位で多コアのCPUへ交換すれば、古い機種でもそれはそれなりにハッピーになれそうです。

削減されたOSのメモリ消費量

ThinkPad X200でのWindows 10 のメモリ消費状況を示すリソースモニターの画面メモリ使用率17パーセント、実際に使用中の領域が1406MBとなっている

ThinkPad X200でのWindows 10 のメモリ消費状況を示すリソースモニターの画面
メモリ使用率17パーセント、実際に使用中の領域が1406MBとなっている

一方、CPUと並んで注目されるのが、メモリ消費量の低減です。筆者所有のxw9400/CTの場合、Windows 7 Professional x64版だと何もしないでも常時メモリを3GB程度使っているような状態だったのですが、今回のWindows 10 Pro x64版のタスクマネージャを確認すると、特に何もアプリを起動しない状態ではメモリ使用量が2GB程度で推移しており、明らかにOS本体のサイズがスリム化されていることが見て取れます。

ThinkPad X200でのWindows 7のメモリ消費状況を示すリソースモニターの画面メモリ使用20パーセント、実際に使用中の領域が1672MBとなっており、ほぼ同条件でのWindows 10のそれよりもいずれも多くなっている

ThinkPad X200でのWindows 7 のメモリ消費状況を示すリソースモニターの画面
メモリ使用20パーセント、実際に使用中の領域が1672MBとなっており、ほぼ同条件でのWindows 10のそれよりもいずれも多くなっている

なお、ThinkPad X200で内蔵ハードディスクにパーティションを切って別途インストールしてあったWindows 7 Professional x64版と今回インストールしたWindows 10 Pro x64版で交互に再起動を繰り返して挙動を比較してみると、こちらでも2パーセント程度とわずかではありましたがメモリ消費量に有意な差が現れており(※注3)、状況にもよりますがWindows 10のメモリ消費量が従来バージョンのWindowsより減っていることは明らかであると判断して良さそうです。

 ※注3:実際にはWindows 10の方が常駐しているユーティリティ類が多く、Windows 7環境よりもメモリ消費量が多くなるはずであるにもかかわらず、今回はこのような結果となりました。

これはWindows 10が1GB~2GBと実装メモリ量の少ないタブレット機にもインストールされることからすれば必然の改良であったと思いますが、同じような動作でメモリ消費量が減るというのはつまりOSの無駄が減ったということで処理の高速化にもつながりますから、これは大いに歓迎できます。

実際、CPUのプロセス数やスレッド数、あるいはハンドル数もWindows 7よりも減っており、見た目以上に中身の改良が大きいことは明らかでしょう。

互換性には悪影響?

Steinbergが公表している同社製DTMソフトのWindows 10対応状況ご覧のとおり、Cubaseシリーズが軒並み「パフォーマンスとタイミングの問題」を引き起こしており、「互換性が確認されるまでは、Steinberg 製品を使用するコンピューターは Windows 10 へのアップデートをされないよう、おすすめいたします。」と告知されている

Steinbergが公表している同社製DTMソフトのWindows 10対応状況
ご覧のとおり、Cubaseシリーズが軒並み「パフォーマンスとタイミングの問題」を引き起こしており、「互換性が確認されるまでは、Steinberg 製品を使用するコンピューターは Windows 10 へのアップデートをされないよう、おすすめいたします。」と告知されている

もっとも、これは逆に言えばOSの内部処理タイミングがWindows 7とは結構異なるということで、処理のタイミングに依存するようなチューンでコーディングをされたアプリではこの辺の相違が動作互換性に影響する可能性が考えられます。

実際入出力デバイスのレイテンシの短縮を重視するため結構ギリギリのタイミングで処理を行っているDTMソフトでは、やはりというかSteinbergのCubase 8をはじめこの辺のCPUのスレッド分散処理を司る部分の互換性が問題になっていて、そのままではWindows 10で正常動作しないものがあるようです。

さらに、Steinbergのアナウンスによれば現状でApple QuicktimeがWindows 10にインストールできないため、これの機能を利用するアプリが正常動作しなかったことも示されています。

これなどはQuicktime側のインストーラのOSバージョンチェックで「知らない」バージョンであるために引っかかっているだけではないか、という気もするのですが、この手のマルチメディア系ソフトでは何気にQuicktimeの機能を利用するものが多いので無視できません。

また、Windows 7のx64版では正常動作していたアプリ、例えばいわゆるアダルトゲームに見られるようなアドベンチャーゲームタイプのものだと、利用しているスクリプトエンジンの互換性などが原因でWindows 8以降で正常動作しなくなっていたものが少なくなかったのですが、筆者が確認した範囲では、Windows 8あるいは8.1で動作しなかったその種のアプリはWindows 10でも同様に正常動作しないようです。

このあたり、Windows 7 x64版とWindows 8以降のx64版の間には他の各バージョンの間よりも暗くて深い溝があるようなので、特にWindows 7からのアップグレードインストールでは、動作しなくなるアプリが出る可能性がそれなりに高いことは覚悟しておく必要があります。

Windowsのゲームの場合、いつの間にかメーカーが解散したり活動を休止したりしていて、最新Windowsへ対応するための修正パッチ等の配布・提供が期待できないケースが少なくありませんから、そういったゲームを遊びたい場合には、最低でも1台は何らかの形で(XPモードの利用によりライセンスの追加購入なしにWindows XPまででしか動作しないアプリの動作も期待できる)Windows 7が動作する環境を残しておいた方が無難でしょう。

見た目に派手になったが……

Windows 10のスタートメニューを開いた状態Windows 8/8.1のスタート画面に相当する機能がメニュー右側に統合されたため、派手派手しくなっているが、左側の部分の機能はWindows 7のそれと本質的には変化がない

Windows 10のスタートメニューを開いた状態
Windows 8/8.1のスタート画面に相当する機能がメニュー右側に統合されたため、派手派手しくなっているが、左側の部分の機能はWindows 7のそれと本質的には変化がない

Windows 7からWindows 10へアップグレードするに際して、ユーザーが一番不安視するのは、恐らくデスクトップ画面でのユーザーインターフェイス(UI)の挙動、わけてもスタートボタンをクリックした場合のスタートメニューの挙動でしょう。

Windows 8では廃止され、Windows 8.1では復活はしたもののただデスクトップ画面からスタート画面へ移動させるためのボタンと化して、デスクトップ環境を利用するユーザーのこれまでのワークフローを滅茶苦茶にしたスタートボタンおよびスタートメニューの挙動ですが、Windows 10ではめでたくコンパクトな、そしてWindows 7までに近い操作が可能なアプリケーションランチャーとしてのスタートメニューが復活しています。

もっとも、ただ復活するだけではなく、Windows 8/8.1のスタート画面に相当する機能もメニュー右側に統合されたため、画面のかなりの部分を占有する大きなメニューが表示されるようになってしまっています。

これは元々Windows 8/8.1で全画面表示していたスタート画面を統合したのですから致し方ないことなのですが、シンプルなメニュー表示を好む方には少々厳しいかも知れません。

Windows 10のスタートメニューの右半分にMicrosoft  Office 2013のアプリなどよく使うものを紐付けて表示させた例このようにWindowsストアアプリだけでなくデスクトップアプリも紐付け表示でき、しかもグループ分けして表示できるので、うまくカスタマイズすればWindows 7のスタートメニューよりも便利に使える可能性がある

Windows 10のスタートメニューの右半分にMicrosoft Office 2013のアプリなどよく使うものを紐付けて表示させた例
このようにWindowsストアアプリだけでなくデスクトップアプリも紐付け表示でき、しかもグループ分けして表示できるので、うまくカスタマイズすればWindows 7のスタートメニューよりも便利に使える可能性がある

このスタート画面相当のアプリタイル表示機能は、単にアプリタイルによりWindowsストアアプリを紐付けて表示するだけでなく、通常のデスクトップアプリも紐付けて表示できるため、多少のカスタマイズは必要ですが、うまく使えばWindows 7のスタートメニューよりも便利に使える可能性を秘めています。

正直、筆者の個人的な感想としては、ストアアプリも全てメニュー左側の「すべてのアプリ」で表示できるのですから、右側のタイル表示を消せるようにして欲しいところなのですが、そうするとストアアプリのライブタイル表示機能を利用できる場所が無くなるためか、または「すべてのアプリ」では事実上フォルダによるショートカット配置のカスタマイズができないようになっていて、その代替品として「ピン留め」による右側アプリタイル表示が位置づけられているためか、現状ではこの機能は無効化できないようになっています。

とはいえ、スタートメニューに「すべてのアプリ」が表示され利用できるようになっただけでもデスクトップアプリの使い勝手は格段によくなっており、少なくともデスクトップアプリを一々スタート画面に紐付けなければ毎回アプリ名で検索せねばならないなど、デスクトップアプリユーザーをないがしろにしたひどい状況だったWindows 8/8.1と比較すれば、その操作性は劇的に改善されていると言えます。

ちなみに、スタートメニューからは外れるのですが、Windows 7の時点でも既に標準では表示されなくなっていたタスクバーの「Quick Launch(クイック表示)」が、Windowsのインストールされたドライブの

\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\InternetExplore

フォルダ内に「Quick Launch」フォルダを作成(※注4)し、これを新規ツールバーとして登録すれば利用できるようになっています。

 ※注4:Windows 10の場合、この登録作業ではタスクバー上の適当な場所で右クリックしてメニューを出し、「ツールバー(T)」から「新規ツールバー(N)」を選択、ここで表示される「新規ツールバー ー フォルダーの選択」の「フォルダー」に「shell:quick launch」と入力します。

これなどはスタート画面とやっていることの本質には差がないのですが、スタートメニューを開く度に画面を大きく占有されるのが鬱陶しい方はこちらを利用して極力スタートメニューを開かずに済ませると良いかも知れません。

第4回に続きます。

▼参考リンク
Windows 10(Windows 10メディア作成ツールダウンロードページ)

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