Windows 7 Professional x64版からアップグレードしたWindows 10 Pro x64版のデスクトップ画面筆者はタスクバーを画面右に縦に配置し、クイック起動を表示させる習慣があるが、それもきちんと引き継がれている。

Windows 7マシンにWindows 10を入れてみる その1

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by [2015年8月21日]

Windows 7 Professional x64版からアップグレードしたWindows 10 Pro x64版のデスクトップ画面筆者はタスクバーを画面右に縦に配置し、クイック起動を表示させる習慣があるが、それもきちんと引き継がれている。

Windows 7 Professional x64版からアップグレードしたWindows 10 Pro x64版のデスクトップ画面
筆者はタスクバーを画面右に縦に配置し、クイック起動を表示させる習慣があるが、それもきちんと引き継がれている。

7月29日、Windows 10の正式リリースが行われました。

Insider Previewの前のTechnical Previewの頃からつきあってきた筆者などからすれば、遂にというよりもようやくという感が強いのですが、ともあれWindows 8.1に代わる最新版Windowsが登場したわけです。

各所で大変な批判を浴びたWindows 8/8.1のスタート画面が事実上タッチパネルを備えるタブレット機限定の機能という位置づけに追いやられてWindows 7までのスタートメニューが復活し、さらに従来は全画面表示を強要されていたストアアプリがデスクトップ上で他のアプリと同様にウィンドウ表示されるようになるという、Windows 8で一度180°向きを変えたユーザーインターフェイス(User Interface:UI)の設計方針を再度180°転向させてWindows 7以前の延長上に軌道修正したこのWindows 10は、それゆえにその発表以来、特に筆者のようにデスクトップパソコンをメインで使用しているユーザーからは大きな期待をもって注目されてきました。

Windows 8 スタート画面何が何でもこの画面へユーザーを誘導しようと強要したこと、それがWindows 8の失敗の大きな要因であったことは否定できない。

Windows 8 スタート画面
何が何でもこの画面へユーザーを誘導しようと強要したこと、それがWindows 8の失敗の大きな要因であったことは否定できない。

実際のところデスクトップ機ユーザーばかりの筆者周辺ではWindows 8/8.1は本当に不評で、「スタートメニューがちゃんと復活しない限りもうWindowsは買わない」「新しいパソコンを買ったけどUIがあまりにひどいので速攻でWindows 8を消してWindows 7を入れ直した」、あるいは「(Windows 8の)発売記念の格安アップグレード版を何本か買ったけどUIが論外なのでインストールせず棚に放置してる」といったWindows Vistaの時でさえ聞かなかったような厳しい声すら上がる始末(※注1)でした。

 ※注1:その発売以来色々酷評されたWindows Vistaですが、それでも一般向けで初めてx64対応が行われて大容量メモリが有効活用できるようになったため、またメーカープリインストールとDSP版でのみ提供されていたWindows XP Professional x64 Editionが初物故に色々難ありであったため、特にx64版にはそれはそれでかなり大きなメリットがありました。それと比較すると、魅力的なラインナップがあるわけでもないストアアプリが利用できることくらいしか目新しいメリットの無いWindows 8/8.1は、特にデスクトップ環境でのUIにまつわるデメリットの方が大きく目立ってしまう状況でした。

そういった状況だっただけに、Windows 10が大きな注目を集めるのはある意味必然であったと言えるのですが、これはつまり、Windows 8/8.1をまともに触れずにいきなりWindows 7からWindows 10へ移行するユーザーが多くなるということでもあります。

そこで今回は、4回に分けて正式にリリースされたばかりのWindows 10を結構古めのWindows 7 Professional(Service Pack 1適用済み)搭載マシンにアップグレードインストールし、Windows 10がWindows 7と比較してどこがどう変わったのか、どこが変わっていないのかを中心に見てみたいと思います。

無償アップグレードの対象

Windows Update適用は必須

Windows 7のコントロールパネルにある「システム」を開いた例この項目の「Windows Edition」の節を確認すれば、そのWindowsのService PackやUpdateの適用の有無を確認できる。

Windows 7のコントロールパネルにある「システム」を開いた例
コントロールパネルのこの項目の「Windows Edition」の節を確認すれば、そのWindowsのService PackやUpdateの適用の有無を確認できる。

さて、今回Windows 10への無償アップグレードの対象となっているのは、Windows 7のService Pack 1適用済みの環境と、Windows 8.1の「Windows 8.1 Update」適用済み環境となっています。

このため、出荷時状態のWindows 7やWindows 8、あるいはWindows 8.1をそのまま利用している場合は、それぞれWindows Updateで最新の状態に更新し、Windows 7はService Pack 1を適用、Windows 8は一旦最新の状態にしてからWindowsストアでWindows 8.1へアップグレード、(Windows 8からのアップグレードを含む)Windows 8.1は更新を行って「Windows 8.1 Update」適用済みの状態までアップデートを済ませておく必要があります。

このあたりはWindows 8のWindows 8.1へのアップグレード以外はWindows Updateで最新版への更新をきちんと適用していれば特に問題の無い部分ですが、何らかの事情でWindows Updateの適用を止めていたような場合、非常に多くの更新ファイルの適用を行わねばならずWindows 10インストールの前段階でかなり時間を要することがあります。

どのエディションがどのエディションに対応するのか

マイクロソフトのサイトで公開されている、Windows 10とアップグレード元となる旧バージョンWindowsの各エディションとの対応表Windows Phone 8.1がWindows Phone 10にアップグレードされることも案内されている。

マイクロソフトのサイトで公開されている、Windows 10とアップグレード元となる旧バージョンWindowsの各エディションとの対応表
Windows Phone 8.1がWindows Phone 10にアップグレードされることも案内されている

次に、Windows 10で無償アップグレードで提供されるエディションはWindows 10 HomeとWindows 10 Proの2エディションです。

このことでお気づきの方もおられるかと思いますが、Windows 7・8.1の双方にあった法人向けのEnterpriseエディションは無償アップグレードの対象外で、さらに以前の記事でも少し触れましたがCPUアーキテクチャが異なり、新機種開発が終了したWindows 8.1 RTはそもそも無償アップグレードの対象となるべきエディションが用意されていないため、これも対象外となります。

そのため、無償アップグレードの対象となるのはWindows 7・8.1共に一般向けの各エディション、つまりWindows 7はStarter、Home Basic、Home Premium、Professional、Ultimateの5つ、Windows 8.1はいわゆる無印とProの2つとなり、
それぞれWindows 7は上位のProfessionalとUltimateがWindows 10 Pro、それ以外がWindows 10 Home、そしてWindows 8.1は順当に無印がWindows 10 Home、ProがWindows 10 Proへのアップグレードとなります。

なお、この無償アップグレードではアップグレード元とアップグレード先のエディションの関係は固定で、例えばWindows 7 ProfessionalからWindows 10 Homeへのアップグレードはできず、またこれまでのWindowsでもそうであったように、32ビットのx86版の環境やインストールされたアプリをそのまま64ビットのx64版Windows 10へ上書きし引き継ぐ形、あるいはその逆の組み合わせでのアップグレードインストールはできないようになっています。

Windows 7のWindows Anytime Upgradeコントロールパネルにあるこの項目を利用して、旧バージョンのWindowsの段階でエディションを変更すればWindows 10 Homeがアップグレード先となるWindows 7/8.1でもWindows 10 Proへこれまでの環境をほぼ保ったままアップグレードできる。

Windows 7のWindows Anytime Upgradeコントロールパネルにあるこの項目を利用して、旧バージョンのWindowsの段階でエディションをWindows 10 Proがアップグレード先となるものへ変更すればWindows 10 Homeがアップグレード先となるWindows 7/8.1の各エディションでもWindows 10 Proへこれまでの環境をほぼ保ったままアップグレードできる

上位のエディションから下位のエディションへのダウングレードというのは事実上皆無に近いと思いますが、その反対のアップグレードを希望するケースは少なくないと思います。

その場合は、旧バージョンのWindowsで「Windows Anytime Upgrade」を利用してあらかじめエディションのアップグレードを済ませるのが一番手っ取り早いようです。

また、これを機会にOS環境をx86版からx64版に切り替えようと考えておられる方は、その内部処理上の制限から形式的には上書きインストールでも実質的には新規インストールを行う必要があることにご注意ください。

まずはインストール先を用意

HewlettーPackard xw9400/CT内部筆者所有の個体で各パーツや拡張カードの構成は出荷時とは大きく異なる。

HewlettーPackard xw9400/CT内部
筆者所有の個体で各パーツや拡張カードの構成はメーカー出荷時とは大きく異なる。なお、中央の銀と黒の箱大小2つとその周辺の黒いパイプのつながっている部分がCPUの水冷ユニットである

なにはともあれ、インストールしてみないことにはどうにもなりません。

今回はWindows 7からの移行ということで、Windows 7が動作し、かつWindows 10のx64版がインストールできる機種の中でも最古参に近い機種の例(※注2)として、AMD Opteron 8435(2.6GHz ヘキサコア)を2基搭載するヒューレット・パッカードのxw9400/CT(メモリ32GB搭載)と、Intel Core2Duo P8800(2.66GHz デュアルコア)1基搭載のLenovo ThinkPad X200(メモリ8GB搭載)の2機種にインストールしてみることとします。

 ※注2:最新機種でのインストールについては恐らく他のメディア媒体各誌等で紹介されているでしょうし、「動いて当然」のマシンで動かしても特に面白くも何ともない、ということもあります。なお、xw9400/CTのプリインストールWindowsは最新のものがWindows Vistaで、メーカーであるHewlettーPackard社による公式サポートWindowsはWindows 7までとなっており、Windows 8以降については対応ドライバ等が提供されておらず、またThinkPad X200も同様にメーカー公式サポート対象のWindowsはWindows 7止まりです。

AMD Opteron 8212(左)・Opteron 2376(右)Socket F対応のOpteronシリーズ2種。左は最大8CPUソケットでの動作に対応するデュアルCPUコア搭載モデル、右は最大2CPUソケットでの動作に対応するクアッドCPUコア搭載モデルで内容は大きく異なる。ただし対応ソケットが共通のためパッケージ表面の表記を見ないとまず区別がつかない。

AMD Opteron 8212(左)・Opteron 2376(右)
Socket F対応のOpteronシリーズ2種。左は最大8CPUソケットでの動作に対応するデュアルCPUコア搭載モデル、右は最大2CPUソケットでの動作に対応するクアッドCPUコア搭載モデルで内容は大きく異なる。ただし対応ソケットが共通のためパッケージ表面の表記を見ないとまず区別がつかない

xw9400/CTは元々2007年に発表された機種で、BTOオプションとしてデュアルCPU搭載時のみ日立製作所製の水冷ユニットを搭載可能であったことなどから、途中でデュアルコア(Santa Rosa)からクアッドコア(Shanghai)へ、さらにはヘキサコア(Istanbul)へ、と何度か搭載CPUの変更はありましたが2010年頃まで大方4年以上にわたってヒューレット・パッカードのワークステーションラインナップの上位機種としてカタログに掲載され販売され続けた、異例のロングセラーモデル(※注3)です。

 ※注3:ワークステーションでは一般的に通常のデスクトップパソコンなどと比較してモデルチェンジの周期が長くなる傾向にありますが、同じCPUソケットのままで内蔵CPUコア数や搭載キャッシュ容量を増やす改良が行われたためとは言え、同じシリーズの機種がマザーボードの基本構成も変えずに4年以上も現行製品であったのはさすがに異例です。

xw9400/CTにSLI構成でNVIDIA GeForce 7900GTXを搭載した状態同型の対応GPUカードを2枚挿して並列動作させることで3Dグラフィック表示を高速化させるSLIはxw9400/CTがデビューした当時、流行していた技術の1つで、特に2枚のGPUカードを共にPCI Express x16スロットの16レーンフル接続としてSLIを構成できることはこの機種の大きなセールスポイントであった。

xw9400/CTにSLI構成でNVIDIA GeForce 7900GTXを搭載した状態
同型の対応GPUカードを2枚挿して並列動作させることで3Dグラフィック表示を高速化させるSLIは、xw9400/CTがデビューした当時流行していた技術の1つで、特に2枚のGPUカードを共にPCI Express x16スロットの16レーンフル接続としてSLIを構成できることはこの機種の大きなセールスポイントであった。

この機種は搭載されているチップセットがNVIDIAのNFP 3600+NFP 3050、つまり同時期のAMD製CPU搭載パソコン向けチップセットのヒット作であったnForce 570 SLIの系列に属するモデルで、メインメモリとしてPC2-5300あるいは6400のDDR2 DIMMを使用し、同型GeForce系GPUの2枚挿しおよび専用ブリッジアダプタの接続によるSLI動作に対応するという、この時代の自作パソコンの流行に沿った仕様となっていました。

そのため、この機種できちんとWindows 10がインストールできてデバイスドライバが正しく適用されるのならば、同時代・同世代以降のAMD製CPUおよびNVIDIA製チップセットを搭載するパソコンの大半は同様にWindows 10が正しくインストールでき動作するものと期待できます。

一方、ThinkPad X200は2008年登場のxw9400/CTと同時期に各社から販売されていたIntel Core2Duo搭載ノートパソコンの1つで、当時としてはCPUの動作クロック周波数が高めのモデルですが、搭載GPUがモバイルIntel GM45 Expressチップセット内蔵のIntel GMA X4500 HDであるため性能的にはかなりぎりぎりの印象があって、この機種での挙動を確認すれば同時期のチップセット内蔵GPU搭載マシンがWindows 10でどの程度の性能を期待できるかの指針とできるでしょう。

AMD RADEON HD58702009年にデビューしたDirect X 11対応GPUカード。高いレベルで性能のバランスがとれていて、ヒット作となった。

AMD RADEON HD5870
2009年にデビューしたDirect X 11対応GPUカード。高いレベルで性能のバランスがとれていて、ヒット作となった。

なお、デバイスドライバ適用で問題となりがちな搭載拡張カードの構成については、今回のxw9400/CTではグラフィックカードに当たり障りのなさそうなところで玄人志向の「RH5870-E1GHW/HD/DP」というAMDのRADEON HD5870チップ(2009年発表)を搭載したカードを1枚、サウンドカードにはCreativeの「Sound BLASTER X-Fi Xtreme Gamer」(2006年発表)を搭載し、さらにストレージ系インターフェイスのドライバサポート状況を確認する意味でAdaptecの「ASC-39320A-R」という2chのUltra 320 SCSIバスに対応するSCSIカードとMSIの「Star-USB3/SATA6」というMarvell製6Gbps SATAコントローラとルネサス製USB 3.0コントローラを搭載した複合カードの2枚を別途拡張スロットに挿して、Windows 7上で全てのデバイスが認識され、デバイスドライバが正常に動作する状態としています。

SCSIカードはともかく、それ以外はこの世代のマシンを今もWindows 7で使用し続ける上では最低でもこのクラスの性能のものが欲しい、あるいはあった方が幸せになれる(≒この世代のマシンを快適に使い続けるにはあった方が望ましい)ようなデバイスを選択しています。

言い替えれば、このあたりのデバイスを搭載し認識されているWindows 7環境に対してWindows 10のアップグレードインストールを行い、デバイスドライバが正常に適用されないとすれば、それはかなり困った状況であるということになります。

第2回に続きます。

▼参考リンク
Windows 10 の仕様とシステム要件 – マイクロソフト
Windows 10(Windows 10メディア作成ツールダウンロードページ)

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