SONY Xperia Z4 SOV31現行最新のVoLTE端末の1つ。

あまりの高音質に絶句……VoLTE初体験記

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by [2015年6月22日]

SONY Xperia Z4 SOV31現行最新のVoLTE端末の1つ。

SONY Xperia Z4 SOV31
現行最新のVoLTE端末の1つ

それはXperia Z4 SOV31がauから発売された週末、部屋で色々と家事やらなんやらをやっていた筆者の元に、後輩のM君(某自動車部品メーカー社員)から簡潔なSMSメッセージが届きました。

曰く、「(Xperia)Z4に機種変してきました」と。

これまで歴代Xperia Zシリーズを乗り換え続け、ポータブルオーディオ機器にあのハイレゾウォークマンこと「NW-ZX1」を愛用し、ことあるごとにソニータワーの展示会だの発表会だのを訪れてはメーカー係員に意見を述べるほどのソニー製品信奉者で、 iPhoneを買わない理由を聞かれて「防水とおサイフケータイに対応したら考えてもいい(≒この2つに対応しない限り買わない)」と豪語した彼のことですから、きっとその内防水もおサイフケータイもあるZ4に機種変するんだろうなぁ、と漠然とおもっていたのですが、さすがに発売から3日とたたずに辛抱たまらず機種変してしまうというのは予想外でした。

このXperia Z4については既に紹介記事がありますので、主な特徴などはそちらの方をご覧いただきたいのですが、au向けについては最近の同社ハイエンドAndroid搭載端末の例に漏れず、また型番のメーカー・端末種別識別用アルファベットの末尾が「V」となっていることが示すように、3G通話・通信機能を全廃したいわゆるVoLTE(ボルテ)端末となっています。

で、そのM君としばらくSMSで他愛のないメッセージを投げ合っていたのですが、ふとした拍子にM君から「話は変わりますが今VoLTEしています?」「ちょっと音質チェックの為に電話しても良いです?」というメッセージが飛んできました。

iPhone 6・6 PlusでiOS 8.3以降を使用している場合の3G通話とVoLTEの切り替え画面このバージョンより新規追加された「音声通話およびデータ」にチェックを入れることでVoLTEの利用が可能となる。

iPhone 6・6 PlusでiOS 8.3以降を使用している場合の3G通話とVoLTEの切り替え画面
このバージョンより新規追加された「音声通話およびデータ」にチェックを入れることでVoLTEの利用が可能となる

筆者の使っている端末は昨年末に機種変したau版Apple iPhone 6 Plusで、今年4月9日のiOSのiOS 8.3へのバージョンアップでLTE使用時に通話をVoLTEと3Gから任意で選択できるようになっています。

つまり、筆者とM君の端末はどちらもVoLTE対応かつ同一キャリア(au)ということで現時点の日本国内でVoLTEの機能を試すための必要十分な条件を満たしていたわけです。

そんなわけで、双方合意の上でまず筆者のiPhoneの通話設定を確認してから、VoLTE通話実験を行ってみることにしました。

なお、iPhone 6/6 Plusでの通話のVoLTEへの切り替えは簡単で、設定→モバイルデータ通信→4Gをオンにする、と進んで「音声通話およびデータ」にチェックを入れればそれでOK、3G通話に戻したいときはそれ以外の「オフ」あるいは「データ通信のみ」にチェックを入れることになります。

圧倒的な静かさと伝わる息づかい

そうして開始したVoLTEでの通話実験ですが、3G通話とのあまりの音質差に、2人してしばらく絶句してしまいました。

3G通話だと、結局の所人の言葉が伝われば良い、ということでauのCDMA2000方式ではCELP(Code Excited Linear Prediction:符号励振線形予測)方式というモデル化によるかなり乱暴な音声帯域削減技術の一種であるEVRC(Enhanced Variable Rate Codec:拡張可変レートコーデック)が採用されていて、しかもその対応する周波数帯域が人声のレンジに絞られているため音がかなり籠もって聞こえ、さらに無音のはずの部分でも独特のノイズが信号に乗ったりするのですが、そうしたノイズが全く聞こえず、相手の部屋の背景雑音やM君のかすかな息づかいまで生々しく響いてくるのです。

まぁ、300Hz~3400Hz程度の周波数帯域しかサポートしなかったのが、いきなり50Hz~7000Hz程度までワイドレンジ化する(それでも音楽CDなどと比較するとかなり低音質です)のですから、音が良くなって当然といえるのですが、音の変わり方があまりに劇的です。

黙っていても仕方ないのでM君との会話を始めてみたのですが、まるで目の前にM君がいて直に会話しているような生々しさで、内心「ああ、これまで私たちはニセモノの電話を使ってきたのだ」などと嘆息してしまったことでありました。

なにしろ、多少の滑舌の悪さでも明瞭に言葉が伝わり、携帯でありがちな「え、何だって? 済まん、もう一度頼む」が一度も起きないままに会話が進むのだからただ事ではありません。

かくして話がはずみまくった結果、気がつくと8時間が経過していました(汗)。

ここで筆者はVoLTEでの通話による消費電力を確認してみることにしました。

通話開始前の時点で筆者が確認していたバッテリー残量が95パーセント、通話終了時点での残量が37パーセントで、つまり約8時間の通話でバッテリー総容量の58パーセントの電力を消費していたことになります。

実は筆者の住むマンションはこの6月初頭に屋上へauの基地局が設置されていて、auの通話を行う分には最良に近い電波条件となっています。

そのため、気になったのでM君にバッテリー残量を確認してもらったのですが、そちらでも通話開始時点で残量85パーセント、終了時点で残量28パーセントとのことで総容量の57パーセント程度を消費していました。

au版iPhone 6 Plus2015年4月9日に実施されたiOSのiOS 8.3へのバージョンアップでVoLTE・3G通話の両対応となった。

au版iPhone 6 Plus
2015年4月9日に実施されたiOSのiOS 8.3へのバージョンアップでVoLTE・3G通話の両対応となった

iFixitの公表したiPhone 6 Plusのバッテリー容量が2,915mAh、auの公表するXperia Z4 SOV31のバッテリー容量が2,930mAhとのことでほぼ同等で、同一時間での消費電力もおおむね同等(バッテリーの全容量に対し約57~58パーセント)ですから、VoLTEでの通話に必要となる消費電力は計算上、少なくとも今回の実験では両機種でほぼ同等ということになります。

まぁ、両機種ともに同じQualcommの、それも世代の近いベースバンドプロセッサを搭載しているのですから当然の結果という気もしますが、なかなか興味深い結果です。

ちなみに、iPhone 6 Plusの3G通話での公称連続通話時間は24時間、Xperia Z4 SOV31のVoLTEでの公称連続通話時間は1,280分、つまり約21時間半といったところで、今回の実験結果では計算上届かない値を公称されています。

これはバックグラウンドで動作しているタスクやWi-Fi通信の有効無効も絡んでくるため難しいところですが、少なくとも筆者の端末は常時Wi-Fi通信をonにして利用していたため、恐らくこれが一因と推測されます。

とにかく音が良いことには脱帽

以上、対応端末同士でVoLTE通話を行った場合の実験結果をみてきましたが、とにかくその音の良さには唖然愕然呆然といったところで、身内の人間にとにかくVoLTE対応端末を勧めまくりたい、と発作的に思ってしまう程度には魅力的です。

これだけ音が良ければ、多少耳の遠いお年寄りでもいわゆる「オレオレ詐欺(振り込め詐欺)」で騙される可能性はかなりの低減が期待できるのではないでしょうか。

また、今回の実験結果を見る限りは通話中の消費電力も十分実用レベルで、さらに通話中でもメールなどの送受信ができるという、これまでCDMA2000方式を採用するauでは通信方式の制約からできなかったこともできるようになっており、全国の全サービスエリアで4G LTE通信を可能とするよう、十分な基地局の整備を行えば、という条件はつきますが、少なくともauについては今後発売する全端末をVoLTE対応にしても良いのではないか、と思ってしまったことでありました。

無論、そうするとフィーチャーフォンユーザーや低価格を理由にLTE非対応のサービスで契約しているユーザーが困ったことになるのですが、そうした問題を、例えばLTE契約のさらなる低価格化などの企業努力によって解決し、全通話をVoLTEに移行することに絶大な価値と効果があることは断言できます。頭の中では判ったつもりでいたのですが、正直ここまで素性の良い技術であったというのは驚きでありました。

まぁ、VoLTEになったらなったで、各キャリアのVoLTE端末同士での通話の互換性(特にCodec)やらなんやら面倒な問題もあるのですが、大手3キャリアにはその辺の問題を乗り越えてでもVoLTE普及を推進して欲しいところです。

▼参考リンク
au VoLTE(ボルテ) | サービス・機能 | au

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