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日本最大のYouTuberプロダクションUUUM鎌田氏が語る~最新動画マーケティング情報

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by [2015年6月10日]

 米国ではテレビを超える視聴数を記録とも報道されるGoogleの動画メディア「YouTube」。YouTubeに動画をアップするクリエイター「YouTuber」マネジメントを手掛けるUUUM(ウーム)は、東京・六本木アカデミーヒルズで、動画広告に興味がある企業を対象とした「動画マーケティングセミナー」を開催した。セミナーの第一部では、UUUM代表取締役・鎌田和樹氏が「日本、海外の最新動画マーケティング情報」と題した講演をしたのでその模様をレポートする。

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UUUMってどんな会社?

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UUM株式会社代表取締役・鎌田和樹氏。1983年生まれ31歳。2013年6月に前身となるONSALE株式会社設立。2013年10月UUUM株式会社に商号変更

 弊社は、クリエイターのYouTube上での動画制作活動のサポートや、所属YouTuberのマネジメントを主な事業にしています。すでに、いろいろな企業様と広告タイアップさせていただいていますので、皆様も弊社所属YouTuberの動画をご覧いただいているかもしれません。また、去年は弊社所属YouTuberとファンとの握手会も開催しました。昨年のこうしたイベントがとても盛況でしたので、今年もいろいろなイベントを計画しています。最近では、Google様と時代劇のセットで一緒に動画撮影したり、動画制作のリテラシーがあまり高くない方々でも動画を簡単に作れるアプリをリリースして、多くの方々が動画を作れる環境を整えたりしています。

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UUUMに所属するYouTuberたち

 では、ここで弊社所属の代表的なYouTuberの一部をご紹介させていただきたいと思います。ご存じの方が多いと思いますが、HIKAKIN(ヒカキン)はテレビCMやGoogle様のプロモーションにも出演させていただきました。女性YouTuberでは、トップクリエイターの「佐々木あさひ」、大食い系テレビ番組に大食いタレントとして出演していた「木下ゆうか」などがいます。また、ゲームをしたり、商品レビューをしたりするマルチクリエーターのほか、ヘアメイクのクリエイターなども所属しています。
 最近伸びている動画コンテンツのジャンルですと、玩具レビューが特に去年から伸びています。この動画は、子供たちが玩具を買った気になって、玩具の開封シーンからずっと見て楽しめます。もう1つは、ゲーム実況です。ゲームをやる時間がない人でも、自分がやったつもりになれるのかもしれませんね。

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チャンネル登録者数トップ100のうち、30%程度がUUUM所属YouTuberだという

 YouTubeには、それぞれのチャンネルのファンの数を示すチャンネル登録者数というものがあり、国内1位はエイベックスさんです。トップ10には、弊社所属YouTuberのHIKAKIN、はじめしゃちょー、SeikinTVが入っています。さらにトップ100のランキングには、企業、個人、音楽レーベルなどもあります。その中で頑張っている個人YouTuberの多くは弊社に所属しています。
 また、女性のメイクやファッションを扱う「reel(リール)」という女性YouTuberグループをリリースしました。弊社は女性による動画発信を応援していきたいと考えています。加えて、これからYouTubeをやりたいという人たちを広くサポートするために「セカンドリクルートメント」と題して第2回目のYouTuberを募集しています。弊社としてはインターネット上のすべての動画コンテンツに対し、何らかの価値を提供していきたいと考えています。

データで見る海外動画ビジネス

In An Internet Minute – 2013 VS 2014 [Infographic](TechSpartan)より

 これはイギリスのTechSpartanというメディアが今年に入ってから出した資料です。一番上のFacebookは、2013年には1分間に46万人がログインしていましたが、2014年には60万人に増えています。特徴的なのがYouTubeのアップロード数です。2013年には1分あたり103時間分の動画が、全世界でアップロードされていましたが、2014年には306時間分に増加しています。

 YouTubeは10億人のプラットフォームで、1か月あたり60億時間以上の視聴時間を記録しています。Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSでも、今では当たり前のように動画の機能がついています。とにかくインターネットのコンテンツの中でも「動画」に対して皆さんが関心を持っているわけです。

 とはいえ、日本のオンライン動画広告市場は、テレビ広告市場と比べると1.5%しかありません。アメリカでは5.7%です。海外と比べてしまうと、インターネット広告の動画ビジネスはまだまだ未成熟だと考えています。

プラットフォーマーがコンテンツビジネスに参入

Netflix_PR_UI_WEB_RegDarwin_OutofDevice_US

日本にもファンが多いハウス・オブ・カード

 海外では、SVOD(定額制動画配信)をはじめ、ネットで当たり前に動画を見るというビジネスが早くから成り立っています。1つのコンテンツに対してマネタイズなどを含めて、エコシステムが充実しています。5,700万人以上の利用者を有する巨大なサービスNetflixでは、「ハウス・オブ・カード」という、オリジナルコンテンツを作りました。

 900万人のユーザーを持つHuluも同様に、自らドラマを作っています。プラットフォーマーが自分たちでコンテンツを作るということが、当たり前に行われています。YouTubeのなかでも、「TheEllenShow」は毎回コンテンツを作り、エンドロールも出てきます。テレビで放送しなくとも、ネットだけで十分ビジネスとして成り立っているのです。

Transparent

TRANSPARENT Best TV Series, Musical or Comedy(ゴールデン・グローブ賞公式サイト)

 ウォルトディズニーもMaker Studioという弊社と同じビジネスモデルの会社を買収していますし、自分たちのコンテンツをテレビではなくて、ネットに流していくことが当たり前のように行われています。また、アマゾン(が製作したドラマ「TRANSPARENT」)がゴールデン・グローブ賞を獲得するなど、プラットフォーマーがコンテンツに進出しているのが最近の傾向です。

 また、米国の音楽チャート「Billboard」のランキングでは2013年から、YouTubeの視聴回数が含まれるようになりました。CDの販売枚数だけでなく、YouTubeで何回再生されたのかも評価の対象になったわけです。パーソナライズされたCMが自動的に流れてくるプログラマティックTVは、今年、2015年に米国で登場します。同じチャンネルを見ていていても、隣家の人と自分の家では異なるCMが流れるようになっています。

ティーンエイジャーの憧れはYouTuber!

Survey: YouTube Stars Shine Brightest(Variety)より。赤色がYouTuberだ

 Varietyという米国のメディアが13歳~18歳のアメリカ人にとって最も影響力のあるスターを調査した結果、1位~5位はすべてYouTuberでした。海外では、YouTuberよりYouTubeスターという表現をします。日本の学校でも、全体の48%がYouTuber になりたいと回答する中学校もあったようです。今はそれぐらいYouTuberの影響力があるということです。

▽Smosh:
 YouTubeで最も有名な2人組。動画上で出てくるのは2人ですけど、スタッフを含めて十数人います。ゼルダの伝説、ポケモン、スーパーマリオブラザーズをパロディにしている動画で、月に2、3本ぐらいしか配信していませんが、1本あたり1,000万回は再生されています。

▽Freddie Wong:
 高度な画像合成技術を持ち、SFXを活用した動画が得意なYouTubeクリエイタ―です。元々好きでやっていたことが映像制作の仕事に繋がることもあるようで、映画なども作ったりしています。

▽Michelle Phan:
 世界No.1の女性クリエイタ―です。メイク動画がメインだと思うのですが、他にもいろいろなビジネスもやっていて、女性向けコンテンツを自分たちで発信していく「ICON」の他、月額1,500円で試供品が入った化粧ポーチにが届くサービス「IPSY」は年商142億円のビジネスを手がけています。

 もう1つ特徴的なのが、アメリカ政府が「車を乗りながらスマホをいじるな」と啓蒙するための動画をYouTuberに依頼したりしています。弊社も最近、内閣府や県庁からお仕事をいただくことがあります。

日本のインターネット動画事情

 今年の頭に総務省がNHKにインターネット配信を認可する可能性があるという報道がありました。また、サイバーエージェントがテレビ朝日とサブスクリプション型動画配信プラットフォーム事業として「AbemaTV(アベマティーヴィー)」を作ったり、フジテレビは最近「ホウドウキョク」という無料で24時間流しっぱなしのオンデマンドサービスを始めました。Netflixが今年の秋に日本へ上陸することもあって、それに向けて取り組んでいるのではないかと思っています。
 また、ソニーが4kに対応したAndroidテレビ(ブラビア)を出しました。スマホと同じようにAndroidが入っており、これでネット動画を見る人が増えてくると思います。
 プラットフォームが乱立すると、ユーザーは何を使えば良いか分からなくなってきます。「Huluのこれが観たい」とプラットフォームを意識する人はいないと思います。スマホはテレビに取って代わってきています。それこそ、バナー広告より、動画の方が圧倒的に伝わりやすい、言うなればプラットフォームではなく「コンテンツが大切」なのです。プラットフォームに依存しないコンテンツの例として、ドコモ公式チャンネルの「3秒クッキング 爆速海老フライ」があります。

 海外の事例をあげますと、バイラルメディアが2014年から流行っていますが、最も伸びたのがBuzzFeedというメディアです。会社は2006年からありますが、2014年の伸び率を見ていくと、再生回数が月間6000万回から5億回に、登録者数が100万人から900万人になりました。犬にタランチュラの着ぐるみを着せてドッキリさせる動画(2014年に最も人気だったYouTube動画)をコンテンツとして束ねているのがBuzzFeedだったのです。

UUUMによる拡散性を持った「動画のネイティブアド」

 YouTuberを起用した映像が流行るのはこれからです。現状、YouTubeとUUUMはネット上で評価を得ています。
 サントリーのYouTubeチャンネルが突如登場して、しかもこの松岡修造さんが出演している動画はどれも数万~数10万再生です。今まで芸能人を使ったネット動画がこんなに流行ることはありませんでした。「3秒クッキング」同様、非常にネットの文脈にあったコンテンツを作っていると言えます。
 広告と分かっていながら見てしまうような動画を「動画のネイティブアド」と言ったりします。私たちYouTuberの動画コンテンツは拡散性を持っています。ネイティブアドのためのコンテンツは、制作会社と組むのもよし、1から作りあげるのもよし、それで出来上がったコンテンツをどこに流すかという考え方です。
 動画を作れる「制作者」、そこから生まれる「コンテンツ」、それを配信する「プラットフォーム」の3つに分けた場合、これまではプラットフォーマーが圧倒的に強かったんです。ただ、プラットフォーマーがコンテンツを買い始めています。弊社は、作る側ですからそこから生まれるコンテンツしかありませんが、今後1~2年は「コンテンツ」をどう押さえるかが企業のマーケティングにおいてポイントになると思います。
 2014年は「動画元年」と言われていましたが、2015年は「コンテンツ合戦」になっていくでしょう。
 弊社は、コンテンツも作れますし、マネタイズもします。多くの企業様とタイアップをさせていただいていて、いろいろな動画制作もやっています。クリエイタ―も1,000人以上サポートしています。弊社が率先して、次の文化を作っていけると思います。

▼参考リンク
UUUM(ウーム)オフィシャルサイト
Netflix
In An Internet Minute – 2013 VS 2014 [Infographic]
Survey: YouTube Stars More Popular Than Mainstream Celebs Among U.S. Teens

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