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仏教をゲームアプリとして昇華する開発者「RhinocerosHorn」インタビュー

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by [2015年4月27日]

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 仏教をモチーフにゲームアプリを開発しているというRhinocerosHorn。どのアプリも、ミニマルなデザインと単純明快なゲームシステムがストアでも異彩を放っている。そして何より、アプリを遊んでだあとに残る、なんともいえない心地よさは、他のアプリではなかなか味わえないものだ。この一風変わったコンセプトとセンスはどこからくるのか…その秘密をRhinocerosHornに伺った。

淡路島生まれゲーム育ち、そして仏教へ

出身はどちらですか?
 兵庫県は淡路島の洲本市というところです。

専門分野は何ですか?
 大学は工学部でしたが、専攻といえるほどのものはないです。ゲームだけはずっと昔から接し続けているので、ゲームに関しては専門家といえるかもしれません。
 ここ数年はずっと仏教を勉強していて、現時点ではまだまだ未熟ですが、将来的には専門家と言えるように勉強を続けたいと思っています。

職歴をお聞かせください
 これまでは主にコンシューマーゲームのゲームプランナーとして働いてきました。とはいっても、派遣が主でどこかの企業に長く所属していたわけではありません。
 私は人一倍「自分で考えたゲームが作りたい」と思う方だったので、スマートフォンアプリの隆盛に乗って、独立することにしました。

仏教が必要とされる時代が来る

RhinocerosHornの由来は?
icon_1 RhinocerosHorn(ライノセロスホーン)という名前は、直訳すると「犀の角」という意味で、同名のブッダの有名な詩から取りました。詩の中で繰り返し「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉が出てくるのですが、ゲーム業界をやめた当時は、その言葉に強く勇気づけられました。

なぜ仏教をアプリに取り入れようと思いましたか?
 これにはたくさんの理由があるのですが、大きく分類すると3つの理由があります。
 1つ目は、自分自身が仏教に強い興味を持っていること。仏教に関しては、深くまで修めたいという思いを持っていますので、仏教系のアプリを作ることによって、アプリを作りながら仏教が学べるのは理想的だと思いました。
 2つ目は、ビジネスとして需要があると考えたこと。日本はなんだかんだといって仏教国ですし、コンビニには仏教の本が必ず1冊は置いてあります。仏教をモチーフにしたアプリは企業はまず作らないだろうし、個人でも十分勝負ができると思いました。
 3つ目は、少しこそばゆいのですが、苦しんでいる人を救いたいという思いがあるからです。私自身仏教によってかなり救われましたので…。特に今の時代は未婚の人も増えていますし、何も持たない人も多いと思います。何も持たない人でも幸せになれるのが仏教の考え方です。だから、私は今後日本では仏教が今よりもずっと必要とされる時代が来ると思っています。こう言うとやっぱり宗教は押し付けがましいと思われるかもしれませんが…。

RhinocerosHorn_1

開発環境を教えてください
 Mac miniで作っています。ゲームフレームワークにはCocos2d-xを使っていて、Xcodeと実機のiPhoneで開発し、Androidではたまに確認する感じです。Androidの方は言語が違いますし、ハマりどころも多いので、いつも移植には苦労しています。

イラスト、デザインはどうしていますか?
 ほとんどがフリー素材のアイコンや、簡単な図形を使って作っていました。ただ、それではやはり限度があるので、自分でも簡単な絵を描けるようになりたいと思っています。

BGM、SEはどうしていますか?
 商用利用可能なフリーの音源を利用させて頂いています。加工したり組み合わせたりもしますが、触らないことも多いです。MacのGarageBandから拝借することも多いです。

本当は広告を表示したくない

最もヒットしたアプリは?
 純粋に収益をあげたアプリでいうと、有料アプリの「ダンマパダ」です。リリース当初から少ないですが、ずっと一定のペースで売れ続けており、2012年にリリースしましたので、累計金額でいうと一番になると思います。

プロモーションはどんな方法ですか?
 アプリをリリースしたり、バージョンアップしたりした場合は、RhinocerosHornの公式サイトやFacebookにその情報を載せ、さらにTwitterでもつぶやくようにしています。Twitterはたまに拡散してもらえることがあります。
 後はプレスリリースをできるだけ多くのメディアに送るようにしています。
 お金をかけた広告は少しだけしたことがありますが、少額だったためかあまり効果がなかったように思います。お金に余裕ができればブースト広告などもやってみたいです。

マネタイズは広告でうまくいっていますか?
 広告によるマネタイズは、正直いうとあまりうまく行っている方ではないと思います。これまで作ってきたアプリは、ミニマルなテイストを売りにしてきたので、広告との相性はあまりよくないというか、できれば広告を一切表示させたくないぐらいでした。そういう考え方を持っていましたので、積極的にお金を取りに行くような構成にはなっていないです。
 ただ、嫌味ではなく積極的にマネタイズしているアプリに出会うと、素直に感心しますし、参考にしたくもなります。有料アプリはゲームのような娯楽ではなかなか難しいと思いますので、ゲームアプリの場合は今後も広告モデルでいくと思います。

現状のアプリストアをそれぞれどうご覧になっていますか?
 アプリストアは基本的に褒める文化があるのは素晴らしいですね。開発者としてもやる気がでます。ただ、星の数が内容をあまり正当に反映していません。バグ報告のつもりで星1をつける人が多いですが、本来の星の役割ではないと思います。
 また、Appleは審査がありますが、その審査基準や審査方法にも疑問はあります。ですが、コストをかけて審査してもらっている分、信頼性もあり、売上もいいので今後も続けて欲しいと思います。

自薦!RhinocerosHornアプリ

その1:Rinne ~輪廻~
ZEN_SPLASH プランクトンから始まり、輪廻転生を繰り返して、ブッダを目指すアクションゲームです。こう説明するとバカゲーのようですが、結構考えて作っていて、仏教の思想が(ある程度は)きちんとゲームシステムとして落とし込まれているのではないかと思います。なので、たとえば仏教に造詣が深くても、ゲームにうとい人には作れないゲームだと思いますので、そういう意味では非常にRhinocerosHornらしいゲームだと思っています(笑)。プログラミング的にはすごく未熟な時期に作ったものなので、もう少し手を加えたいと思っています。
 ユーザーの評価は概ねいいです。特にクリアできたときの達成感がものすごいという評価をよく頂いています。ただ、ちょっと難しいとか操作性がよくないという評価も頂いています。
 攻略アドバイスとしては、加速度センサーの検知の仕組み上、iPhoneを寝かせて(上に向けて)操作すると、操作のレスポンスがぐっと向上します。逆にiPhoneを立てて操作すると、操作が難しくなってしまいます(この点に関しては、プログラミング的な補正を入れるなどして、対応したいと考えています)。

関連記事→ 生まれ変わるために、生まれてきた。『Rinne ~輪廻~』
Rinne ~輪廻~Rinne ~輪廻~

その2:ZEN SPLASH
Rinne 画面の奥から3Dで次々と迫ってくる図形を避け続けるというゲームです。これもアクションゲームです。ゲームとしては避けゲーと呼ばれるジャンルに分類されますが、見た感じの演出等は、今までにちょっと見たことがない感じに仕上がっていると思います。「どこが仏教やねん」と突っ込まれると、なかなか答えづらいゲームでもあります…(汗)。
 こちらも評価を頂けた方からは、概ねいいですが、面白さを感じるられるようになるまでに、つまづいてしまう方が多いようです(特に遠近感が掴むまで)。また雰囲気等も含めて好き嫌いがはっきり別れる印象です。
 攻略アドバイスとしては、まずは遠近感を掴みましょう。どこまで四角が大きくなるとヒットするのか掴めば、クリアがぐっと楽になると思います。後は飛んでくる順番は固定ですので、それを把握することです。有料になりますが「禁断の力」を購入するのもアリです。

関連記事→ 新感覚!3D感溢れるパズルゲーム『ZEN SPLASH』
ZEN SPLASHZEN SPLASH

仏教系アプリを自問自答

次回作はどんなゲームですか?
 実は現在はCocos2d-xのバージョンを2.x系から3.x系に移植する作業をしながら、ゲームの内容の改修等を行なっていますので、次回作に手をつけているわけではないです。
 次回作は漠然と色々と考えてはいますが、とりあえず現在の方向性とは少し変わると思います。仏教をテーマにしたアプリになるのは間違いないですが「自分が求める仏教系アプリとはどういうものか?」という問いを常に自問自答している感じです。表面的なテイストは仏教的だけど、中身は既存のゲームと同じ、というようなゲームは作りたくないので、毎回常に色々と悩んでいます。夏頃には新作を出したいと思います。

Rhinoceros Horn公式サイト

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