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フォトリアルな作品に憧れて…『もっと!ぴよ盛り』「Gam.eBB」インタビュー

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by [2015年4月21日]

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可愛らしい3D画像と抜群の操作性で評価されている『もっと!ぴよ盛り』『SECRET CODE』。今回は、愛媛県今治市に事務所を構える、株式会社Gam.eBB(ゲームビービー)の住吉さんにメールで開発秘話などをお伺いしました。

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最初はFLASHゲームだった

──自己紹介をお願いします
 株式会社Gam.eBB(ゲームビービー)という会社を営んでおります、住吉と申します。9年間の会社勤めを経て、個人事業主として独立し、2012年4月に今の会社を立ち上げました。ゲームの制作を始めた時期は、約8年ほど前です。開発初期はFlashの脱出ゲームや脳トレゲームを作っていました。副業のつもりで始めたゲーム制作だったのですが、今ではメイン開発の1つになっています。

──社名の「Gam.eBB」はどういう意味なのでしょうか? またどのような経緯があってそう名付けられたのですか?
 由来についてはよく尋ねられるのですが、実はあまり意味がないんです(笑)Flashゲームサイトのドメイン名を検討している時に、借りているレンタルサーバの「ebb.jp」というドメインのサブドメインが無料で取れるということでしたので、「gam」というサブドメインを取りました。ドメイン名とつなげてみると、ピリオドを挟んで「gam.e(ゲーム)」になるので、ゲーム関連のサイトらしいのではと考えたからです。
 その「gam.ebb.jp」で公開していた謎解きゲームシリーズ『解体』のユーザさんが徐々に増えてきて、Flashゲームサイトとして認知してもらえて来たかなと感じていましたので、会社設立時にそのまま社名にしました。

──社員構成を教えてください
 僕がメインプログラムと3DCG制作を担当しています。2Dグラフィック制作、ゲームのバランス調整、テキスト制作などに1名と、テスト時には臨時で1名お手伝いして貰っています。企画は基本的に全員で検討しています。

笠松山から見下ろす今治

笠松山から見下ろす今治

──今治はどんなところですか?
今治といえば「瀬戸内しまなみ海道」です。瀬戸内海に浮かぶ島々を橋で繋いだ文字通り“海の道”で、自動車道と併設する形で自転車道があり、自転車で海峡を渡れるようになっています。昨年には国内最大級の国際サイクリングイベントが行われるなど、今やサイクリングの聖地となりつつあります。自身で自転車を持っておられなくても、安価で便利な市営レンタサイクルがありますので、気軽にサイクリングを楽しむことができます。私も一度、レンタサイクルを借りて今治から1つ目の島まで走ったこともありますが、橋の上から眺める瀬戸内の景色は最高でした。

フォトリアルな作品に憧れて3DCGへ

──3Dにこだわりがあるのでしょうか?
 3DCGの制作は、フォトリアルな作品に憧れて始めました。最初はお試しで「Lightwave」という3DCGソフトを使ってみたのですが、全く使いこなせず挫折しました。諦めかけている時に「Sketchup」に出会い、そのとっつきやすさのお陰で何とか3DCGを作れるようになりました。Sketchupは、名前の通りスケッチをするように3DCGを描くことが出来ますので、お気に入りのソフトの1本です。3DCGソフトの中では安価なのも良い点です。

──作業環境を教えてください
 PCはWindows機とMacbookを使っています。
 グラフィック作成やプログラムなどの主な作業はWindows機で、iPhoneアプリの出力部分のみMacbookで「XCODE」を使っています。ソフトウェアは、アプリ開発には「Unity」を使っています。2D制作では主に「Illustrator」と「Photoshop」を、3D制作では「Sketchup」と「メタセコイア」を使っています。

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──いつごろから3Dゲームの制作をはじめられたのですか?
 3Dゲームの制作をはじめたのは『ぴよ盛り』からですので、2011年の中頃だったと思います。ゲームを作り始めた頃からずっと、3Dゲームを作ってみたいと考えていました。Flashの3Dライブラリを使って試行錯誤していたのですが、どうしてもパフォーマンスを出すことができませんでした。諦め掛けた時に3Dを簡単に扱うことの出来るUnityのことを知り、すぐに飛びついて勉強して『ぴよ盛り』を制作しました。

──FLASHゲームからアプリに移行したのはいつごろですか?
 2010年の中ごろにアプリ第1作目の脱出ゲーム『iRoom Perfection』を作り始めました。『iRoom Perfection』はCocos2DとObjective-Cで出来ています。XCODEで制作したので、iOSにのみ対応でAndroid版はありません。

──今後はアプリに注力していかれる予定ですか?
 地力をつけるためにも暫くは自社アプリの開発に注力していこうと考えています。

『ぴよ盛り』はこうして生まれた

005──『ぴよ盛り』のひよこを盛っていくという企画が生まれた経緯を教えてください
 実は「ひよこ」と「丼」の3Dモデルは、それぞれ別のゲーム用に既に作られていたものでした。
 新しいアプリの企画を考えている時に、ゴミ箱にゴミを投げ入れるゲームアプリ『Paper Toss』をプレイしていて、ゴミ箱を「丼」に、ゴミを「ひよこ」に変更してみたらどうだろう、盛った数で競うゲームはどうだろうと思ったことから企画が生まれました。
 最初に『ぴよ盛り』のプロトタイプを作った時は、ひよこを「丼飯の米粒」に見立てていたため、ひよこのサイズが今の1/10程度で、スコア200以上が簡単に出せていました。当時の最新機種がiPhone4だったので、処理が追いつかなくなる上に、「毎回200匹以上盛るなんて面倒くさい!」という意見が社内から出まして(笑)調整を繰り返した末に今のサイズのひよこに落ち着きました。

──クレーンゲームなどに商品展開されていますが、感想をお聞かせください
 自分のデザインしたキャラクターが、実際の商品として展開されるとは、全く想像もしていませんでしたので、サンプルをいただいた時は感無量でした。とても貴重な体験をさせていただきました。商品化でお世話になった皆様には本当に感謝しています。

SS10──今後もステージを増やすなどのアップデートはありますか?
 現在『もっと!ぴよ盛り』は全13ステージで構成されていて、最新ステージは、昨年末に追加された「パンケーキ」ステージです。新しいステージと衣装ひよこは、今後も追加していく予定です。新しいステージギミックも考えているのですが、アップデートで追加するか、新シリーズに追加するかは検討中です。『もっと!ぴよ盛り』そのもののアップデートはまだまだ予定していますので、これからもどうぞよろしくお願いします!

──新シリーズのリリース予定はありますか?
 新シリーズはいずれ出したいと考えています。『ぴよ盛り』から『もっと!ぴよ盛り』にバージョンアップした際には視点の上下移動機能、衣装ひよこが手に入る「ぴよガチャ」などいくつもの新しい要素を追加しました。新シリーズに向けては、ユーザさんにもっと楽しんでもらえるような、新しいギミックやゲーム性を模索中です。
 ただ『ぴよ盛り』の良さである「誰でも手軽に遊べる」という部分は残していきたいと考えています。まだちょっと先になりそうですが、新シリーズもどうぞよろしくお願い致します!

世界中で遊んでもらいたい『SECRET CODE』

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──3D脱出ゲーム『SECRET CODE』では文章(言葉)による説明がありませんでしたね
 言葉による説明的な要素を使わずに解き方が伝われば、世界中で遊んでもらえるのではと考えているからです。ただ、ヒントアイテムであるメモ用紙にだけ、言葉による説明(日英)が入っています。完全に説明がないと謎解きの難易度が上がってしまうので、最終的には説明文を入れざるを得ず、今でも残念に思っています。
 そのほかにも、問題を考える時は、前提知識がなくても解いてもらえるよう気を付けています。例えば「ある曲の歌詞」や「将棋の駒の動き」を知らないと解けないような問題は入れないようにしています。謎解きが全てアプリの中で完結していると、ユーザさんがクリア後に「すっきりした!」と感じやすくなってくれるのではないかなと思っています。

──やや難易度を高めに設定したのはなぜですか?
 前作アプリである『解体 お寿司編』のユーザさんからのコメントに「簡単すぎる」というものが多かったため、少し難しめに設定しました。本当に難易度にはいつも頭を悩ませています。難し過ぎず、簡単過ぎず、脱出初心者の方、脱出好きの方どちらにも喜んでもらえるようなバランスを目標にして調整しています。

──クリア後の画面に「あなたは○○番目の脱出成功者です」と出ますが、これはやはり達成感を持たせるためですか?
 達成感を持ってもらうためと、他にも遊んでいる方がいる、という感覚を感じてもらえたらと思っています。もともとはある有名な脱出ゲームで使われていた表現を参考にさせてもらいました。

007──どのように脱出方法を設計されたのですか?
 まず、問題数を決めて問題を箇条書きで書き出しています。そして、それを基にフローチャートを作成します。この問題を解くと○○が手に入り、○○を使うと××が開く、といったようなクリアまでの流れが書かれています。解き進めるに従って難易度が上がるように調整しています。
 完成したフローチャートを基に、部屋の下絵を描いて、モデリング、プログラミングを始めるという手順で開発をしています。最初に書いたフローチャートは、開発を進めていくに従って、大抵跡形も無くなってしまいます (笑)
 フローチャートの作成には「Cacoo」というサービスを利用しています。

アプリ名でどういうゲームなのかを伝えなくてはならない

──『SECRET CODE』『ぴよ盛り』シリーズの総ダウンロード数を教えてください
『SECRET CODE』が2015年4月20日現在で累計約38万DL、『ぴよ盛り』シリーズが累計約500万DLです。

──利益はどのくらい出ていますか?
 『ぴよ盛り』シリーズは制作費用を回収することができました。しかしその後出した『解体 お寿司編』は大コケしてしまいました。リリースしてから1年以上経つのですが、いまだ回収の見込みはたっていません。謎解きゲームなのですが、一体何をするゲームなのかアプリ名だけでは伝わりにくいことが敗因の1つかなと考えています。先日Android版のアプリ名を『解体 お寿司編』から『謎解きゲーム 解体 お寿司編』に変更したらDL数が伸びました。やはりアプリ名は大切だということを再認識しました。
 最新作の『脱出ゲーム SECRET CODE』は海外でも伸びてくれると信じて、これからに期待しています。

──課金システムを導入するご予定はありますか?
 今のところありません。自分たちのアプリをできるだけ沢山の方に楽しんでもらえたらと思っていますので、出来る限り無料でのリリースを続けたいと考えています。

──アプリ制作で食べていけそうですか?
 余裕はあまりありませんが、今は何とか成り立っています。ただ不安定な業界ですので1年先はどうなっているかわかりません。ゲーム制作は好きなので、何らかの形でずっと作り続けていきたいと思っています。

──今後の展開について教えてください
 当面は既存アプリのアップデートと新シリーズの開発に重点を置いていきたいと考えています。また、まだ何も形にはなっていませんが、新しいカジュアルアプリのアイデアを色々と出し始めています。
 Gam.eBBはこれからも、魅力的で楽しんでもらえるアプリを作り続けたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

──ありがとうございました

▼関連リンク
株式会社Gam.eBB

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