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Antennaの荒川氏が考える「若年層の心を捉える”スマートフォン×マーケティング”」

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by [2015年4月20日]

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株式会社グライダーアソシエイツ COO 荒川徹氏

 宣伝会議が主催する広告業界の課題を語り尽くすイベント「AdverTimes DAYS 2015(アドタイ・デイズ)」。その中からキュレーションマガジン『Antenna(アンテナ)』を運営するグライダーアソシエイツの荒川氏による講演「若年層の心を捉える”スマートフォン×マーケティング”-成長著しいスマートフォン広告市場を考える-」をお届けする。
 講演では「ネイティブ広告」という言葉が一度も使われなかったのが印象的だった。講演後の荒川氏に直接聞いてみたところ、ネイティブ広告という言葉にとらわれず、もっといろいろな可能性を感じてほしいと思っているので、あえて使わないようにしているそうだ。そんな広告に対して真摯に取り組む荒川氏のお話はきっとみなさんの参考になるはずだ。

メディア接触の変化 直近10年間推移

 直近10年間の日本国内におけるメディア接触の変化についてです。テレビはほぼ変わっていませんが、スマートフォン、モバイルに関する接触率がこの8年間で急激に伸びているのがお分かり頂けます。紙媒体の減少傾向、パソコンも2013年をピークに減少に突入しています。
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 次は平日1日あたりの接触時間を性年代別に見た図です。スマホの占める時間が非常に長くなっています。そして女性の20~40代では、すでにPCよりもスマホの接触時間が長くなっています。プライベート時間でスマホへの移行が進んでいます。
 また「若者がテレビを見なくなった」と言われていますが、この数字を見る限り、若者が決してテレビを見なくなったわけではないようです。
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  1. テレビ 接触時間は変わっていないが、タイムシフト視聴のように、録画をして自分が気になったものだけを見る人が増えたり、ザッピングやながら視聴が減少したことで、CMへの接触の仕方が大きく変化
  2. 雑誌、新聞 書店自体が減少し、雑誌を手に取る機会、定期購読の減少ということで、広告やチラシに触れる機会が減っている
  3. ラジオ 有料会員を伸ばしているradikoは全国的に好調に推移。Antennaもradikoと連携を進めているが、若者は検索やiTunesで購入した音楽ではなく、ラジオから流れてくるものを聞くという習慣ができつつある
  4. スマホ、パソコン 常時触れているスマホはスキマ時間にアクセスされて、アプリの使用時間が増えている。パソコンは起動回数、閲覧時間ともに減少

 ニールセンが発表している「アクセス量 スマートフォン>PC となった時期」という資料によると、情報検索は2013年7月に、ECは2014年2月に、動画は2014年3月に、ニュース・雑誌情報は2014年7月に、それぞれスマホからのアクセスがPCのそれより多くなっています。
 メインディスプレイがスマホになっていくという状況はここ1~2年は変わらないでしょう。PCのブラウザでお気に入りやネットサーフィンで見ていたのに対して、スマホではアプリ、ブラウザを中心にアクセスをしているというように、行動変化が起きてきています。

スマートフォン普及率

 さて、スマホ自体はどれくらい普及しているのでしょうか? ビデオリサーチの調査によると、現在60.8%にまで普及しています。
 そして性年代別で表した図が衝撃的な数字になっています。今年の1月にNHKでも引用されていましたが、まず中高生、大学生はかなり高い割合でスマホを所有しており、すでにこの世代はPCを飛び越えてスマホがメインディスプレイになっています。20~30代では75%を超えていて、40代も50%、50代でも40%まで普及が進んできています。
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 今日のテーマは「若者層」ということで、20~30代を主にお話していますが、今までは、スマホを持ったことによる特有の行動変化は20-30代に多く見られる傾向とされていました。しかし今後は、40代、50代といった世代にもスマホを持ったことによる(若者同様の)変化が起きると言われています。

スマートフォン利用実態

 ビデオリサーチが発表しているデータに基いてスマホの利用実態を見てみましょう。全国5万人が使っているデータを計測したものです。
 スマホの4大機能(電話、メール、ブラウザ、アプリ)の中で、アプリが使われている時間が70%を占めています。ブラウザはあまり使われていないのでネットサーフィンという習慣はスマホにはないようです。スマホはPCと明らかに違うことが言えます。
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 またスマホは1つ1つの滞在時間が非常に短いことが特徴です。アプリを起動している時間帯は、6~8時、12~13時、17時以降が多く、スキマ時間での利用が伸びていることが分かります。
 スマホならではの見せ方も特徴になっていきています。例えば元LINEの森川氏が発表された『C Channel』は縦型の動画です。みなさんはスマホを縦向きで使っていると思いますが、縦のサイズにマッチした動画がこれから増えてくると言われています。ライブドアニュース等は全文を読む時間は無いというユーザーのためにヘッドラインの要約を表示してそこを読んでもらうようになっていたり、女性向けキュレーションサービス『4meee!』は4コマ漫画風に画像と説明文を表示するようになっています。若者に対する、スマホならではの情報提供、メディア運営の方法が変わってきているようです。
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 私がマクロミルという調査会社にいたときの視点ですが、スマホには3つの限定があると言われています。

  1. スペースの限定 PCより小さい画面=プライベート性高い 急にポップアップのバナーが出てきたり、良からぬメッセージが出てくると二度とそのサイト、アプリは立ちあげない
  2. 使用数の限定 1日に立ち上げるアプリは5個前後 スマホにいろいろなアプリが入っているが、一日に立ち上げるアプリは5~7個
  3. 利用時間の限定 短くたくさんの機能を起動する PCと違い1つ1つのアプリやサイトの滞在時間が短いのがスマホの特徴

 メインディスプレイになりつつあるスマホで、メディアが、そして広告主がどのように情報発信をして、寄り添っていくべきなのか、大きなテーマになっています。

情報流通変化 キュレーション成長

 広報会議(宣伝会議発行)で紹介された図です。メディアから消費者への情報の流通の仕方が大きく変わったのが2014年です。
 これまでは検索サイト、まとめサイト、SNSを使って情報が届けられていましたが、今後はこれらに加えて、Antennaを含めたキュレーションメディアがスマホへ情報を届ける方法に定着していくでしょう。
 消費者からすると、情報収集の方法がいろいろできたと言えます。スマホであれば、検索サイト、まとめサイト、SNS、キュレーションメディアを使って情報のきっかけを作る、PCであればより検索サイト、ポータルサイトの位置付けが大きくなると思います。
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 キュレーションメディアも各社いろいろなUIを出しています。文字を読ませるよりも、画像やタイトル、ビジュアルを見せることに割り切ったUIが増えてきています。グローバルで一番大きい『Flipboard』は全面に画像を使って表示させています。
 人はなぜキュレーションサービスを使うのでしょうか? いろいろな情報がユニバースに広がっている中でオートメーションでキュレーションする、編成といって人の手を入れてキュレーションする、様々な方法があります。ユーザー視点で言いますと、無駄な情報が無くて、視覚的でわかりやすく、いろいろな情報を知るきっかけ、出会いになるということで、若者を中心に支持を集めていると思います。
 2015年、キュレーションサービスは本格浸透フェーズになると言われています。ヤフー、LINEの他、最近はDeNAも資本参入で買収がありましたが、領域特化型のキュレーションメディアも増えています。下記は2015年4月時点のポジショニングです。女性、家、アート、本に特化した様々なサービスが出てきています。
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  1. 左上 住宅情報、おしゃれな家具など「ある領域」について知りたいときに使われていてブラウザの検索流入も多いのも特徴
  2. 右上 明確な目的がなく、雑誌を読むような感覚で見られている。アプリでトップページからの利用がほとんど
  3. 左下 ニュース、時事をより深く知るもの
  4. 右下 ニュース、速報記事を簡単に確認する、通勤時によく使われるもの

スマートフォン広告タイプの変化

 スマホ広告の分野では、2014年に大きな変化と兆しが見られました。賛否両論あると思いますので、私個人の意見としておきたいのですが、広告でのブランディングを考えたときに、これまでの効率を追求する「顕在顧客向け」に、システムでターゲティングしてバナーで追いかけてクッキーと連携して、というやり方に加えて、いろいろなメディアが持つ内容や見た目に合わせて広告を自然に、ビジュアルを中心に訴えていく、そういった「潜在顧客向け」の共感追求型広告が売れ始めてきています。今後は、両輪を使い分けていく必要があります。
 手前味噌ですが、Antennaの広告事例では、Antennaのアプリを立ちあげたときに、様々な顧客が全面に現れます。それをタップすると中身の記事が出てきて、さらにそれを押すと、サイトへリンクするというものです。あからさまな広告ではなく、Antennaはすべてこういった見せ方になっています。
 ブランディングも企業の訴えたいものを押し付けるというかたちでは、なかなかユーザーに触れてもらえません。PCと違いスマホの限られたスペースで広告の出し方を間違えてしまうと、効率は追求できても、ブランディングとしては逆効果になってしまうケースもあります。強制的に動画を見せることも一歩間違えると企業のイメージを下げてしまいます。
 Antennaが行なった動画でのブランディングのケースでは、伝えたいストーリーと優れたクオリティを、何度も見たくなるようなものにしました。どのようにユーザーへ自然に届けられるか、徐々に考え方ができているかと思います。
 こちらは量的広告、質的広告という考え方を広告代理店様がまとめたものです。AIDMAと言われていますが、質的広告は“I”と“D”に効くものです。
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  •  量的広告 純広告、インターネット広告 認知獲得、記憶獲得
  •  量的広告 従来型バナー広告(インターネット広告) ダイレクトレスポンス運用 刈取型
  •  質的広告 Antenna 興味理解、消費欲求
  •  これはどちらが優れているわけではなく、目的によって量的広告、質的広告を使い分け、組み合わせをしていきましょうということです。
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    スマートフォンにブランディングの概念を用いるAntenna

     スマホでブランディングをと言っても、2014年は「?」という感じだったのですが、今では600社以上のお客様にAntennaをお使い頂いています。2015年度も大きなチャレンジをしていきます。若者の興味関心やスマホの使い方が変わり続けている中で、Antennaとしてどのような形でご一緒できるか、ぜひお声がけください。

    キュレーションマガジン Antenna[アンテナ]
    宣伝会議 AdverTimes DAYS 2015(アドタイ・デイズ)

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