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もっとモバイル、グローバルへ。PayPalが提供する未来の決済体験【B Dash Camp】

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by [2015年4月14日]

PayPal Pte. Ltd. 野田陽介氏

PayPal Pte. Ltd. パートナーシップマネージャー 野田陽介氏

 ヒルトン福岡シーホークで開催された「B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka」から、4月10日のセッション「なめらかな決済体験とその未来」のレポートをお届けします。

B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka記事一覧

決済システム 進歩の歴史

 決済の未来の話をする前に、少し歴史を振り返ってみたいと思います。お金の概念が登場する前、人は自分が欲しいものと相手が欲しいものを物々交換することで価値の交換が成り立っていました。お金という概念が登場したのは約3000年前で、金で出来たエレクトロン貨というのが世界で初めての通貨と言われています。お金の登場によって大きく二つの変化が起きました。一つめは、これまで物々交換でリンゴが何個だとか牛が何頭だとか価値の尺度が曖昧だったものが、統一出来た。もう一つが、価値の持ち運びが便利になり、壊れにくい・腐らないなど、価値が保存できるようになったという変化。これらはお金が果たしている役割のスタート地点でもあります。

 1885年、日本では明治時代に中央銀行がお金を管理するという現金の仕組みが始まりました。1949年、約60年前にアメリカでダイナース社がクレジットカードの提供を開始し、カード一枚の信用で買い物ができるようになりました。2009年にはビットコインが登場して、中央銀行の概念すら無い新しい通貨として、これからどう発展していくのかというお話になっています。利便性とセキュリティを両立させることで決済は進化してきたんじゃないかなと考えています。

ECユーザーの「カゴ落ち」が増える原因は?

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 ECの歴史を見てみますと、Amazonが1994年、楽天が1997年に始まっています。ECの登場から20年経つわけですが、Amazonはアメリカの小売業で売上9位になっていますし、楽天も流通総額で見れば日本の小売業のトップ5に入るなど、大きな進展をしています。しかし2006年から2013年にかけてのカゴ落ち率(カート離脱率)の推移を調査会社がグローバル平均で取ったところ、驚くことに7割以上のお客さんがカートに入れるんだけど購入に至っていない、しかも年々その比率が増えているという現実があります。

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 別の調査が、カゴ落ちする理由を示しています。一番多いのが「予想外に送料が高かった」というもので3割弱。しかし今回は、セッションのテーマに則って、決済フローに関する理由を3つ見ていきます。まず「アカウント登録が必須だった」が23%。ゲスト購入の動線を用意しておくことで事業者さんのメリットが生まれるものと思います。次に「セキュリティが心配」が13%。ECは相手が見えないなかでの取引なので、当然のユーザー心理だと思います。セキュリティ製品の導入でコストをかけてでも心理的ハードルを下げるという対応策が一つあるかなと思います。そして「購入手続きが面倒」が12%。例えばユーザーに配送住所と請求住所を両方入力させるような重複を避けるとか、郵便番号から住所を自動入力させる仕組みを導入するなど、極力ユーザーに不必要な入力や選択をさせないことが必要だと思います。

モバイル化・クロスボーダー化が進むEC

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 これは今週発表された最新のデータですが、ECカテゴリの中で、モバイルを通じてどれだけの人が決済をしているのかという国別のランキングになります。日本は1位で、今年のQ1(第一四半期)で初めて50%を超えました。ECカテゴリの中では、モバイルが主流になっています。この小さな画面で、いかにユーザーのカゴ落ちに対応して利便性を向上していくか、というのは大きなトピックだと考えています。

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 これは経産省が発表している、EC越境取引の市場規模を推計したものです。今後5年で、2.5倍に膨らむと。これはオリンピック効果という訳ではなく、ECそのものが国境を越えてものをやり取りできる環境になってきているということです。グローバルに展開する事業者さんにとっては大きなチャンスかと思いますが、一方で複数通貨にどう対応するとか、新しいビットコインみたいな通貨にどう対応していくのかといった、新たな課題も挙げられると思います。

あらゆる買い物がデジタルウォレットへ

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 我々は、利便性とセキュリティを両立させながら、カゴ落ちへの対策、そしてモバイル・グローバル・新しい通貨への対応を進めることが決済の未来の姿だと考えております。そこで出した答えが「デジタルウォレット」になります。これは、一人ひとりが持っているIDを使って、モバイルを通じて、国内外やネットかリアルかを問わず買い物が出来るというものです。IDには、例えば配送先住所・銀行口座・クレジットカード・ポイントカード・クーポンといった決済に必要な個人の情報が、セキュアに使えるよう全て格納されています。

 この「デジタルウォレット」、抽象的なので具体例をご紹介しようと思います。
 まず一つ目はサムスンの事例ですが、指紋で決済するというものです。動画をご覧ください。指紋認証・顔認証・静脈認証といった様々な認証を経て、紐付いたIDを使って決済する、ユーザーにとってはパスワードの入力なんて要らない、そんな利便性の高いものが事例として起こっています。

 二つ目の事例がUberのケースです。車に乗る前にUberのアプリでデジタルウォレットのIDやクレジットカードを登録しておくと、車を呼んで、乗って、降りるときに支払いの必要がありません。単に車を降りるだけで、アプリにレシートが届きます。決済という行為を無くしているということで、ユーザーの負荷を無くしている良い事例だと思います。

 また、今はまだクレジットカード情報をお店側が管理しているケースが多々あります。昨年はアメリカのTargetやThe Home Depotといった小売店で、数千万件の情報流出がありました。今後はお店に決済情報を渡さず、デジタルウォレットのトークン化という仕組みを使ってセキュリティを担保するというのが、非常に大事な考え方だと思っております。

PayPalが提供する決済SDK

 IDを使ってあらゆる情報を紐付けることで、ユーザーにとっての負荷を下げる便利な決済……例えば今まで現金をタンスに保管していたものを、銀行という安全な場所に保管し、あらゆる場所のATMで引き出せてすごく便利になったように、ポケットにあるお財布が、安心安全に管理できるデジタルウォレットというクラウド上にあがって、事例にありましたようにユーザーにとって決済が簡単になる、簡単になるから事業者さんも嬉しい、という世界が決済の未来の姿ではないかなと考えております。

 最後に少しPayPalのお話をさせて頂きます。PayPalは創業から約16年経ちます。PayPalの前身となるConfinityという会社をピーター・ティールとマックス・レヴチンが創業し、PalmのPDAのデバイスで暗号化技術を元に送金をするサービスをやっていました。その頃から彼らはデジタルウォレットというコンセプトを推進してきています。ユーザーの決済情報を暗号化技術を用いたセキュアな環境で保管し、なめらかな決済フローを提供していくというのが、我々の目指すところとなっています。

 その一例として、ネイティブアプリの事業者さんに向けて、我々はモバイルSDKを提供し始めております。まずIDを持っていない人に対して、クレジットカードで直接決済する機能。そして先ほどのUberの事例はPayPalが裏で走っていまして、Uberのような消える決済を実現する機能。カメラを使ってクレジットカード番号を読み取って、ユーザーはセキュリティコードを入力するだけで支払いが出来てしまうという機能。そのようなSDKを、一般公開ではなくベータプログラムとして提供を始めています。

モバイルSDK(アプリ内決済SDK)-PayPal(ペイパル)
B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka

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