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動画元年にどう稼ぐのか?「ついに本格化してきた動画ビジネス」【B Dash Camp】

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by [2015年4月10日]

 「B Dash Camp 2015 Spring IN Fukuoka」がヒルトン福岡シーホークで開催されています。
 4月9日に行なわれたセッション『ついに本格化してきた動画ビジネス』では、第一線で活躍するゲストたちがスマートフォンの普及で大きく環境が変わりつつある業界の最前線について、熱く語り合いました。モデレーターはフリークアウトの佐藤裕介氏です。

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    登壇者(写真向かって左より)本文中は敬称略

  1. 株式会社フリークアウト COO 佐藤裕介氏
  2. 株式会社Donuts MixChannelプロデューサー 福山誠氏
  3. 株式会社スリーミニッツ 代表取締役 宮地洋州氏
  4. 株式会社ニワンゴ 代表取締役 杉本誠司氏
  5. LINE株式会社 上級執行役員CSMO 舛田淳氏

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自己紹介

佐藤 まずは、簡単にスピーカーの紹介をさせて頂きます。

杉本 ニコニコ動画です。

佐藤 皆さんニコ動のことはよくご存知だと思うので、次に行きます(笑)。

福山 佐藤さんとは元同僚で、グーグルのあと、自分で会社を立ち上げ、その後ドーナツという会社に売却して、いまはミックスチャンネルという動画のコミュニティサービスをやっています。

佐藤 ミックスチャンネルは、300万ダウンロードという記事も出ており、ご存知の方ほどんどのことと思います。

福山 ミックスチャンネルは、10代のユーザーがメインで、スマホで動画を作って共有するというサービスです。

佐藤 (スリーミニッツは)最近ではLINEやイーストベンチャーズからの出資を受け、成長している会社です。

宮地 去年の9月に株式会社スリーミニッツを立ち上げ、11月から女性に特化したYouTuberのプロダクション事業をやっています。特に、Instagramのインフルエンサーである「インスタグラマー」を1,000人近くネットワークしまして、そこの運営をしています。トータルフォロアーで270万人ほどいるizuさんや、最近では道端アンジェリカさんや、藤井リナさんにも参加してもらっています。

佐藤 マーケティングテクノロジーのフリークアウトと、スマートフォンメディアの運営をしているイグニスという会社で取締役をしています。今日は宜しくお願いします。

スマホでネット動画はどう変わった?

佐藤 最近あらためて動画がきているという話ですが、杉本さんの場合は2006年頃からやっておられます。

杉本 スマートフォンが普及したというのもあるし、プラットフォームそのものも多様化し、使う人の選択肢が増えたように思います。ここ数年の間に、SNSでも動画を埋め込めるようになり、動画の裾野が広がっていった。また、スマホで動画の撮影が容易になり、パッと取って、パッと上げるものも出てきた。ただ、だからこそ、ちゃんと編集されたものも需要が出てきているとも思います。

佐藤 投稿される動画の質にも変化がありますか?

杉本 SNSにアップされるような短い尺のものは、ほわっとちょっと幸せになるようなものが多く出てきています。一方、YouTubeやニコ動など、ある程度尺が許されるものでは、編集技術が上がっており、動画のハードルが高くなった。しかし、裾野は広くなっているので、三角形がすごく大きくなった感じがします。

佐藤 ランキングの推移などにも影響はありますか?

杉本 やはりカテゴライズされつつあるので、特定のカテゴリーのものが、そんなに多くなくても、ものすごく楽しまれているというような感じです。ただ、全般的に裾野が広がったので、マス受けするようなものが増えてきて、みんな楽しまれるようにもなっています。あとは、ボカロ(VOCALOID)など、細く長く愛されるような人気コンテンツもありますね。

今なぜ動画ビジネスなのか?

佐藤 福山さんは、ソーシャルランチをドーナツに事業売却し、そのままドーナツで動画の波をとらえたという感じです。そもそもなぜ動画のサービスをやろうと思ったのですか。

福山 会社からヒットするアプリを作れという指令を受け、2013年頃から動画に着目していました。ちょうど、スマートフォンの普及もあり、サービスやメディアにおける動画の扱い方や見せ方が変わっていくタイミングだった。ミックスチャンネルは、TwitterのVineをモチーフにしており、アプリに組み込まれて、開いた瞬間に見せちゃうという形式。動画の実装方法が変わってきているので、動画を使ったコミュニケーションも変わってくるだろうと思っていました。

佐藤 最初から女子中高生をターゲットにしていたのですか?

福山 若い人の方が、新しもの好きなので、まずはその方たちにフォーカスしていくことを考えました。

佐藤 ミックスチャンネルやニコニコ動画はプラットフォーム型といえますが、宮地さんのスリーミニッツはコンテンツを作る側に特化しています。それを今動画でやろうと思った理由はなんですか?

宮地 自分自身、Instagramのヘビーユーザーで、3~4年前からDIYやファッションなど、海外のライフスタイル情報をYouTubeから得ることが多くなっていました。静止画だけだったInstagramが昨年くらいから動画も始め、僕もここで動画にトライしてみようという気になりました。もう一つは、僕の周りにインフルエンサーと呼ばれる人が多かったというのもあります。

コンテンツや視聴環境にも大きな変化が

佐藤 モバイルだからこその動画コンテンツや視聴態度というのはありますか? モバイルとコンテンツの相互作用について教えて下さい。

福山 PCスキルを持たない女子高生が作ったハイクオリティな動画がミックスチャンネルに上がっていますが、これはスマホのみで作っています。というのもこれは動画ではなく、写真の連続になっている。500枚くらいの画像をLINE cameraなどのカメラアプリでつくって、ミックスチャンネルでスライドショーにしているわけです。

佐藤 スマホが、コンテンツを作る道具になってしまうという。ミックスチャンネルでは、編集のツールなどは提供しているのですか?

福山 編集ツールは提供していないですが、画像をインポートしたり、トリミングしたりできます。ミックスチャンネルは、ユーザーが自分でオリジナリティを出して作れるので、メイドバイ女子高生というようなコンテンツがたくさんあります。製作期間は1週間かけているケースもあります。

佐藤 ニコ動は、実況系の動画が強いですが、モバイル環境になって変化はありますか?

杉本 視聴環境はスマホになっているし、よりライトユーザーが入ってきている感じはします。ゲーム実況とか、最初はコアな人だけに人気だったのが、僕らがびっくりするくらい一般の中高学生にキャーキャー言われるようになったり。視聴環境の変化が、彼らを引き上げていると思います。

ニコ動のコメントにも変化が

杉本 ニコニコ動画では、コメントが変化しています。スマホは視聴デバイスとしては優れていますが、入力デバイスとしてはキーボードがついているわけではありません。なのでwww(笑)や888(拍手)など、より直感的かつ簡便な言語になっている。しかしこの先、スマホを入力デバイスとして支障なく使える世代が出てくると、ちょっとまたシチュエーションが変わってくると思う。それによって、コンテンツにも影響があるのでは。

佐藤 アイコンの方向か、テキストの方向か?

杉本 テキスト文化がハイブリッドしていくのか、化学変化していくのか。LINEでスタンプが生まれたのも、直感的なものを記号にしていくほうが、なんとなく感情移入できたり、(テキストで正確に書くよりも)ある程度欠落した中途半端な情報の方が、それぞれが想像する余地があるというか。もしかすると、テキストは使われなくなっていくのかもしれないが、タイプアップはタイプアップでどんどん早くなっていくと思う。(スマホの場合)音声やバイブレーションなど、様々な可能性があると思います。

プラットフォームの「属性」とコミュニティ

佐藤 YouTubeの中で、ウケるコンテンツはどういったものですか?

宮地 YouTubeでは、雑誌やカタログのような動画はまったく当たらないですね。再生回数が伸びない。それよりは、メイクをすっぴんから公開していって、いわゆるアイラインひとつとっても、百均で買ってきたものをまず使います、みたいな。メイクの過程を公開するハウツーなどがヒットします。一方、Instagramは全然異なって、もろファッションっぽいおしゃれな感じのほうがウケる。プラットフォームによって全然違うので、プラットフォームの属性を考えたコンテンツ作りが必要。

佐藤 視聴しているユーザーとのコミュニケーションでいうと、ミックスチャンネルはどうなっています?

福山 ミックスチャンネルは、ニコニコ動画のように上にコメントが乗っかるのではなく、YouTubeのように動画に対してコメントをするかたち。あとは「ファンになる」というサブスクライブ機能があり、人気のあるユーザーだと、6万~7万人のファンがいる。そこで、応援メッセージなどのコミュニケーションがある。

杉本 ミックスチャンネルの場合、作っている側の人と、見ている側の人がニアリーイコールで、距離感が理想的に近いと思う。コメントや直接対話がなくても、ミックスチャンネルというプラットフォーム上でいろいろな人が一方的な発信をすることが、双方向っぽい感じになっている。

福山 ミックスチャンネルで結構あるのが、真似をするという行為。実は、やっていることはみんな一緒。「目をつぶってチュー」をおそらく数千人がやっている。真似をしたりされるのが、ひとつのコミュニケーションというか。コンテンツで返すというような。また、全ユーザーのうち30パーセントが投稿したことがあり、これは極めて高い数字です。

動画ビジネスでどう稼ぐか

佐藤 動画ビジネスを、どうやってお金にしていくか。そもそもニコ動の場合、2007年くらいからやってますね。通期黒字になったのが2010年くらいということで、釈迦に説法だと思いますが、動画ビジネスできちんとお金を稼いでいくのは結構難しい印象ですが、いろいろな収益チャンネルに挑戦されてますよね。

杉本 動画ビジネスでお金は取りにくいことは皆さんご承知だと思います。ニコ動の場合も、ちゃんと分析していくと、これは動画コンテンツビジネスではない。どちらかというと、コミュニティサービスとして、動画をサブスクリプションとして見られますというような。正確に言うと、動画で勝負しているかは疑わしいですが、ネット上の動画ビジネスというかたちでは、参考にはなると思う。これまで様々な方が、対コンテンツに課金してきたが、なかなかうまくいかない。そこを変えていったのが、僕らのコミュニティ型サブスクリプションタイプという。

佐藤 ただ、比率からいうと、ユーザー課金型の仕組みが圧倒的ですよね。

杉本 圧倒的です。あとは広告と個別課金というかたちで、ユーザー向けのガジェットを置いている。例えば、ライブストリーミングをするときに、編成枠ということでお金を頂くというようなことがある。それが2割弱。ただ、一つのガジェットで儲かるものではないので、いろんなものを散りばめる必要がある。ビジネスとして考えるには、ユーザーのお財布を開く瞬間に対して課金をしていくしかないということだが、コンテンツメディアの人は長い間まずコンテンツに対してお金を払ってもらうというかたちだったので前提条件がかみ合わない。正しいとは思うが、売り上げるかということを考えると難しいと思う。

佐藤 ミックスチャンネルも今週にビデオアドの発表がありました。

福山 ミックスチャンネルは10代が90パーセントを占めていて、これは広告メディアとしては珍しい。確かに十代の子はあまりお金を持っていないので、どれくらいの価値が出せるかは不明だが、他にはないような濃いコミュニティになっているので、独自性を生かしていければ。

佐藤 キュレーションメディアでも、10代、20代向けだとどうしても広告単価が落ちてしまうが、ミックスチャンネルにユーザー層そのものを拡大していくイメージはありますか?

福山 18歳以下がメインなので、19歳まで広げるみたいなことは頑張りたいが、25歳の女性までに広げるのはそもそもコミュニティ自体が成り立たないような気がしている。

LINEも動画ビジネスに乗り出した

佐藤 スリーミニッツは2ヶ月くらい前に、LINEが投資を決めました。LINEの舛田さん、LINEとしては、スリーミニッツさんのどういう点に将来性を感じて、またLINEとのどんなシナジーを感じて投資を決めたのですか?

舛田 私が代表をやっているLINEベンチャーズというところで、ファンドを立ち上げ、コンテンツも含めて投資をしていこうということです。2015年が動画元年ということは明白で、いろいろなご相談がほぼ同時期にあった。コンテンツ、プラットフォームをやられているところなどからです。全て興味深かったが、(スリーミニッツは)まず第1号ということで。我々はロシアでLINE cameraなどのプロモーションに女性YouTuberを使ったところ、驚異のパフォーマンスだった。日本でもHIKAKINさんなど大きなパフォーマンスを上げてきたが、女性YouTuberは弱い。しかし、市場には求められている。広い目で考えてみると、女性YouTuberのほうが市場を育てていく。いつの日か、LINEの動画プラットフォームをやるときには、スリーミニッツの強力なYouTuberの皆さんに参加してもらいたいという狙いもありつつ、出資を決めた。

佐藤 実は動画系のサービスって割とやられてるんですよね。

舛田 皆さんご存知ないと思いますがLINE TVというサービスが、タイと台湾向けだけにあります。これは、いわゆるプロコンテンツを配信しようということで、ビジネスモデルとしては広告です。LINEのアクティブ度をあげるのと同時に、動画ビジネスに対する先行投資として進めている。日本でも最近はやっているが、公式アカウントの機能としてライブキャストというのがある。これは、公式アカウントの方が、リアルタイムのストリーミングをやるというもので、最近これが驚異的なパフォーマンスを見せている。昨年、ソニーミュージックと一緒にやったLINEオーディションでは、60万人の同時視聴があった。つい先日あった第20回目の東京ガールズコレクションでは、同時接続が16万人あった。最後にBIGBANGのライブがあったが、演出の都合でストリーミングを注視したらクレームの嵐が来た。それ以降、浜崎あゆみさんや西内まりやさんなどもやっている。LINEはリアルタイムのメディアなので、ライブキャストと親和性がある。

杉本 接続が伸びるという意味では、エンターテイメントがやはり強い。

佐藤 周りでコミュニケーションが発生しそうなコンテンツのほうがうまくいくということですか?

杉本 そうです。先ほどのBIGBANGもそうだが、対象に対する結びつきの強い対象は、人が人を呼ぶという感じで、視聴も接続も増える。

佐藤 LINEの動画サービスは、あまり広報していない印象ですが、その意図は?

舛田 まだ順番が来ていないという感じです。最初にテキストがあって、次にスタンプ、そして画像(カメラ)、これはまだですがLINE MUSIC、そして動画がある。LINEの場合、早くてはいけないと思うんですね。LINEは、一歩先行ってはいけない。ユーザーは、日本でも5000万~6000万人いらっしゃいますし、かなりマスです。なので、ストーリーやタイミングは非常に重視している。2015年は周りの環境や空気として、様々なものが出てきているなかでこの辺りだろうと。

プロコンテンツとマネタイズ

佐藤 LINE TVは、プロのコンテンツを出していくというNetflixのようなモデルと、ライブキャストのような方向と、ビジネス的な可能性としてはどちらを向いているのですか?

舛田 両方あるのですが、いま日本国内でいうとNetflixも出てきていますし、Huluが絶好調ですが、最終的にはコンテンツの買い合いになってしまうんですね。もしくは自分たちで作るか。Netflixは作ると宣言しています。作り方も、1つの国だけでNetflixを成功させようと思ったら、収支があわない。一個作ったコンテンツを世界中で配信して、初めて元が取れる。我々はその戦いに入っていくよりは、例えばライブキャストのように、ある一定のトップコンテンツに視聴者を集めて、テレビのようにスポンサーを集めるとか、ライブキャストは個人も企業も自由に持てるので、個人配信のようなものを積極的にやって、そのベースメントはアドネットワークでやるという考え方はある。

佐藤 ニコ動の場合、コミュニティ型のサブスクリプションモデルと、プロコンテンツは、やはり相性が悪いのでしょうか?

杉本 プロコンテンツの中でも、課金に結びつくものは限定される。一般マス向けのものが少し多い。ただ、最近はアニメをはじめ、そうではないものも増えてきている。なので、そういったものは僕らもどんどん取り入れていって、課金軸に乗せるということに手応えを感じている。プロコンテンツの中でも仕分けが必要です。

杉本 単純にコンテンツだけに課金するのではなく、いかにコミュニティ機能をつけていくのかであったり、ガジェットみたいなものを実装したりして、ユーザーからするとコンテンツに課金されているのではないように見せていくやり方もある。

舛田 コンテンツ次第だが、SHOWROOMやAfreecaTVのような投げ銭方式もあるにはある。

杉本 コンテンツの魅力もあるが、ドネイション(寄付)ということがゲーム化している。課金を遊ぶという感覚を少し印象づけていくことは重要だと思う。

佐藤 ニコ動でも「提供」がありますが、成長していくイメージはありますか?

杉本 あります。あれは、やっているユーザーさんのマインドセットとしては、クラウドファンディングに近いのではないかと思う。

女性クリエイター登場

 セッションの終盤では、スリーミニッツに参画しているタレント・モデルとして活躍する道端アンジェリカさんと「WEAR」で60万人以上、LINE公式アカウントで50万人以上のフォロワーを持つizu(出岡美咲)さんが登場。
 YouTubeで多くの視聴者を持つizuさんは、メイク動画が人気だとし「誌面やブログとは異なり、わかりやすいという声をたくさん頂く」と話しました。
 バラエティ番組などの出演も多い道端アンジェリカさんは、ユーザーとの距離感が近いYouTubeで、テレビで見せることのできない新たな一面を見せたいと抱負を語りました。

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株式会社Donuts
LINE株式会社
株式会社スリーミニッツ
株式会社ニワンゴ
株式会社フリークアウト
izu(出岡美咲)オフィシャルブログ 「Izu is」
道端アンジェリカオフィシャルブログ「ANGELICA’S DIARY」
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