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予定管理の概念を変えるカレンダーアプリ『TimeTree』~JUBILEE WORKSインタビュー

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by [2015年4月07日]

 美しいUIとこれまでにない使い心地で人気のiOS/Android用カレンダーアプリ『TimeTree』。すでにストアにはたくさんのカレンダーアプリがあるが、TimeTreeを使うとどんなメリットがあるのだろうか? そんな疑問を開発元であるJUBILEE WORKS代表の深川氏にぶつけてみた。話題になった奥さまのツイートについてもコメントを頂けたので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

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株式会社JUBILEE WORKS 代表取締役 深川泰斗氏

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自分も、仲間も、大切に出来る。2つの顔を持つカレンダーアプリ『Time Tree』

ヤフー、カカオで生まれたチームワーク

会社名の由来をお聞かせください
 僕が好きな中村一義というミュージシャンのJubileeという曲名からです。サビの歌詞が「日々を祝え」というフレーズなんですが、本来の意味は「祝祭」で、語源は大昔に行われていた50年に一度借金を帳消しにする恩赦的なお祭りらしく、世の中をフラットにして色んな人にチャンスが与えられる、という意味でインターネットっぽくていいなと思いました。そして、我々はものづくりにこだわる会社なので後ろにWorksをつけました。

JUBILEE WORKSはどんなメンバーで構成されていますか?
 ヤフーからカカオジャパンに出向していたメンバーです。当時同じチームで仕事をしていて、これまでに経験した仕事とは違って非常にチームワークが良く、それを全員が感じていました。そのチームで仕事を続けたかったんですけど、会社の中ではただのワガママになってしまいますので、それならいっそみんなで会社を作ろうかということになりました。
 何をやるかは独立を決めたあとです。不安も相当大きかったですけど(笑)、TimeTreeみたいなものをやろうというのはすんなり決まりました。

起業は自己資金ですか?
 はい。あとは身近な方たちに協力して頂きつつという感じですね。

この場所(東京・北参道)を選んだ理由は?
 メンバー全員が集まりやすいからです。あとは散歩しながら考えるのが好きなので、神宮外苑や新宿御苑が近くにあっていいなと。

代表の略歴をお聞かせ頂けますか?
 僕は、出身地の福岡で大学を卒業したのですが、ぼんやりして出遅れたせいで就活に失敗しまして、職も決まらないまま東京に出てきてフリーターをやっていました。ところがアルバイトをしていた会社の1つに拾って頂けたんです。5人くらいの小さな広告代理店でイベント、編集、何でもやるような会社でした。そこで3年ほど働いた後、転職活動しまして、30社くらい落ちたのですが、なぜかヤフーだけ受かって、そこで8年間務めました。そして独立に至ります。

ご専門は何ですか?
 恥ずかしながら専門といえるほどまじめな学生ではありませんでしたが、文系の社会学と人類学です。就活には良いも悪いもなかったように思いますが、今の仕事には何周かして役に立っていると思います。人類学は、自分と全然違う異文化の人の暮らしに飛び込んで、インタビューして、研究する学問です。例えば中国に1~2ヶ月行って、いろいろな人にインタビューして、といっても僕は中国語ができないので筆談なんですけど、そういったことはユーザーインタビュー等に活きています。年齢も性別も違う方から何かを聞き出して「こういうことかな?」と想像することができるからです。

社内でのみなさんの役割は?
 僕は、ディレクターです。他の担当はiOS、Android、サーバー、デザインに1名ずつです。
 ディレクターとしてはちょっと特殊でして、何かを決めるわけではなく、決めるための材料を集めてくる係です。社内で何かを決めるときもだいたい意見は一致しますので、あとは作りながら、その都度という感じです。僕が知らない間にいつの間にか…というケースも結構あります(笑)。

予定に対する付き合い方を変える

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一度TimeTreeに触れると他のカレンダーアプリには戻れなくなるかも

TimeTreeはどのように企画されましたか?
 スマホアプリということは決まっていたので、毎日開いてもらえるものとして予定管理がいいなと思っていたんです。そして予定管理には2つの課題があると思っています。
 1つは、予定って相手があって初めて決まるものですよね。にも関わらず、手帳やカレンダーアプリは一人で書き込むだけの個人作業なんです。
 もう1つは「今晩何しようか」という時に、選択肢が探しにくいし限られているなと。例えばテレビを買おうと思ったらAmazonで検索すればだいたいの型番が出てきます。さらにレビューもあるし値段も比べられる。比べられるっていいですよね。ところが、イベントって探しにくいしあまりに選択肢が少ない。
 この2つを解決できるような、予定に対する付き合い方を変えるというのがTimeTreeの根底にあるコンセプトです。

どんなユーザーを想定していますか?
 ここも2種類のお客様を想定しています。
 1つは、私もそうですが夫婦とか、他にもサークルのようなクローズドなところで「この予定見ておいて」「ごめんその日行けない」「この日ならOK」というように、誰かが予定を共有して、みんながそれを確認して、調整もそこでできてしまう、超簡単なグループウェアみたいなイメージです。
 もう1つは、Twitterをそのように使っている方もいますが、例えばあるバンドを好きな人たちの間で行なう、そのバンドに関するあらゆる情報の共有です。そうすれば、ライブやテレビ出演、新譜の発売の見逃しも減るし、何より一緒に盛り上がれたら楽しいですよね。こちらはオープンなコミュニティのイメージです。

妻を誘うのは簡単ですが、コミュニティのメンバーに使ってもらうのは大変です。良い方法はありますか?
 まずは知名度が重要になってきます。知らないアプリよりは聞いたことがあるアプリのほうがインストールしやすいはずです。夫婦や恋人、親子の間で使ってみて、気に入って頂けたら、ぜひお友だちとも使ってみてください。
 次に、アプリをインストールする前のステップとして、WEB版TimeTreeの開発を検討しています。WEB版でもある程度のことができる、もっと便利に使おうと思ったらアプリをインストールしよう、となっていれば、いきなり「アプリをインストールしてね」と言わなくても済みますからね。WEB版のご要望はお客様からも頂いていますので、前向きに取り組んでいきたいです。

最優先で取り組んでいることは何ですか?
 最も多くご要望を頂いている“Googleカレンダーとの同期”です。現状はGoogleカレンダーの情報をインポート(コピー)するかたちになっています。

ストアでのユーザー評価が高い理由をどうお考えですか?
 そのために何かをしているつもりはありません。機能が足りない点は承知しているのですが、今ある機能のクオリティについてはこだわったので、そこを評価して頂けたとすれば、嬉しい限りです。

ユーザーと密にやり取りをされていますがなぜですか?
 僕の性格だと思います。社内でも、世の中にはカレンダーアプリがたくさんあるので、少し出来が良いくらいではすぐに忘れられてしまう、という危機感を持っています。そういう意味で、カスタマーサポートもお客様が「2~3日で返事が来たらいいかな」と思っているところを、すぐに対応することで驚いて頂いて、覚えて頂く。そうするとTimeTreeと別のアプリどちらにしようかというときにTimeTreeを選んでもらえるかなと思います。

この規模でその対応は大変そうですがきちんと休まれていますか?
 僕も土日のサポートは子供を抱っこしながらやっていたりします(笑)。弊社は、その辺りは柔軟で、事情によって自宅で作業する時もありますし、保育園に子供を送って戻ってきたりということもあります。

最大の競合相手はGoogleカレンダーでしょうか?
 そもそも 「予定管理アプリ、予定調整サービスを作ろう」といったスタートではなく「予定管理という概念を変えよう!」というところが起点だったので、あまり具体的な競合サービスはイメージしていませんでした。
 ただ、GoogleカレンダーやOutlook等のサラリーマンしか知らないような便利さをスマホでのわかりやすさにフォーカスして提供したら、喜んでくれる方がいるのではないかと思っています。

美しいデザインの秘密は?
 担当はデザイナー歴1年の女性なんですが、実はこれが初めて手がけたアプリなんです。僕が言うのも何ですが、すごいですよね(笑)。
 彼女はアプリオタクというか、何百というアプリをプライベートのiPhoneとAndroidへ入れていて、デザインの良いUIをクリップし続けるということをデザイナーになる前からやっています。その積み重ねがこういう形になったんだと思います。

(デザイナーの金さんが登場)

デザインのこだわりは?
金さん こだわったのは余白の美です。そのこだわりもうまくくみ取ってくれるエンジニアがいてこそなんです。

特に気に入っているアプリは?
金さん iShowsです。アメリカのドラマが好きで、それらをコレクションするアプリなんですが、深い遷移があってもスワイプだけで行けるUIが好きです。私たちもアプリを作る上で、デザイン的にはボタンを減らしたいのですが、iShowsのジェスチャー操作はとても気に入っています。

(金さんが退席)

 弊社の開発者は経歴がおもしろくて、iOS担当はヤフーではデザイナーをやっていたり、Android担当もヤフーではエンジニアだったんですけど学生のころはデザインの仕事をやっていました。デザイナー寄りの開発者がいるからこそ、実現できたデザインとも言えます。

デザインやユーザーの声から、いわゆるリア充向けに見えますが、それ以外の方にもオススメできますか?
 テーマに沿った自分の好きなイベントが見つかれば、それはリアルな友だちで無くても全然良いと思っています。そもそも私がインディーズのバンドが大好きでして、今は子供がいるので難しいですが、年間で100本のライブに一人で行くんです。インディーズのイベントは仲間がいないと、なかなか情報が集まらなかったりするので、それらを解決して一人で好きなライブへ行けるという使い方をイメージしています。一人の趣味がはかどるようなこともやっていきたいですね。現状のリア充向けというイメージは何とかしたいと思っています。

開発環境を教えてください
 特別珍しいものではありません。最近のスタートアップがよく使っているようなものです。

    社内ツール

  1. 社内コミュニケーション:Slack
  2. ドキュメント:Qiita:Team
  3. 経理:freee
    開発マシン

  1. MacBook Pro
  2. iMac
    開発ツール

  1. Xcode
  2. Android Studio
  3. RubyMine
  4. Vagrant
  5. Docker
  6. AWS
  7. Jenkins

夫婦で驚いたTwitterの影響力

ダウンロード数の想定は?
 最初は、自然流入のお客様の意見を元にアプリをチューニングして、段々と本格的にやっていこうかなと思っていたんですが、まだバグがある状態で話題になってしまって…。
※編注 深川氏の奥さまが、ご主人とTimeTreeに関する内容をTwitterでつぶやき、それが1万を超えるリツイートを記録し話題となった。

奥さまのツイートですね?
 TimeTreeのプレスリリースは配信しましたが、それだけでメディアに取り上げられるとは思っていませんでした。ただ、独立して初めてのアプリで「使って頂けるだろうか」という不安もピークで、検索しても1件しか出なくて「やっぱりか…」と思って、凹んでいたんです。
 妻にも「身近な人に使ってもらうところから始めるしかない」という話をしたんです。妻は普通のTwitterユーザーで、普段からおもしろおかしく僕のことをネタにしているんです。それでいつもの調子で数百人のフォロワーさんに向けてつぶやいたら、なぜか1万リツイート超えになって、そこに僕が即レスするもんだから、こういうスキームなんじゃないかとか言われたりして(笑)。
 こんな広がり方は初めてのことで本当にびっくりしました。Twitterの影響力を目の当たりにしてひやひやしましたが、すごく温かい声を頂けました。

プロモーションはプレスリリースのみですか?
 はい。TimeTreeをチューニングして徐々に定着率があがって、評価して頂けるようになったら、ほかの方法も考えていきます。

マネタイズはいかがですか?
 短期的なブーストやバナー広告等は考えていません。必勝の策はありませんので、たくさん使って頂けるようになってから、そのときに最適な方法を選べればよいですね。

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Oculus Rift DK2の姿も。詰めればもう少し置けそうだ

アプリ開発に行き詰まったときはどうしていますか?
 社内には自宅に置いておくと奥さんから怒られるようなものを集める場所があって、その中からギターを弾いたり、みんなでボードゲームをしたりしています。Oculus Rift等は新しもの好きのメンバーが買って試しているものです。

音楽がご趣味のようですが、アプリの音も手がけているのですか?
 ヤフーのときはやっていました。ここでも音が必要になればやります。個人的に SoundCloudへアコースティック音源をアップしたりもしています。

日々進化を続ける『TimeTree』

TimeTree以外にアプリの予定はありますか?
 アイデアは日頃から溜めていますが、今はTimeTreeに集中しています。

APPREVIEWの「妻の本音」にはご出演頂けますか?
 ちょっと妻に聞いています。(先述の)想定外の拡散で「サービスに余計な色を付けたんじゃないか」と心配していましたので、別の機会にお願いするかもしれません。

最後にAPPREVIEWの読者へメッセージをお願いします
 「スマホで予定管理はちょっとなぁ」「私は手帳派だな」と思ってらっしゃる方にこそぜひ使ってみて頂きたいです。よろしくお願いいたします。

TimeTree

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