∞books電子書籍プレビュー

ITを活用した次世代のオンデマンド出版『∞books(ムゲンブックス)』

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by [2015年3月05日]

∞books_top
 KDDI∞Labo※発のチーム∞booksは、本を書きたい人がホームページ上で日記を書くように原稿を執筆し紙の本で出版できるWEBサービス『∞books(ムゲンブックス)』を公開した。※KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ):グローバルに通用するインターネットサービスをつくり出すことを目指す、KDDIのインキュベーションプログラム。
 ∞booksでは、紙の本を出版するために必要な“余白の設定”“文字組み”などは全てシステム側で自動的に行われ、著者は文字を入力するだけで簡単に本が出版・販売できる。さらにこれら出版にかかる費用は無料だ。印刷はオンデマンド方式を採用しており、出版された本は全て受注生産で作られる。そのためこれまでのように初回配本用の印刷費は不要、もちろん在庫切れもないため、絶版になることもない。
 同社によると、原稿を電子書籍として出版するWEBサービスは過去にもあったが、原稿の作成から表紙に至るまで、紙の本を出版し、Amazonや全国の各書店に流通するまでを一貫提供するサービスは日本初とのこと。誰もが自分のホームページを持てるようになった現在、ネット上のコンテンツは書籍2700万冊分にも相当すると言われている※。そういった状況から、∞booksではまずは1万タイトルの出版を目標にするとしている。
※日本でブログサービスが開始されてからの4年間に作られた数。参考:総務省 情報通信政策研究所「ブログの実態に関する調査研究」

∞books紙書籍プレビュー

紙の書籍をプレビューしたところ

∞books電子書籍プレビュー

こちらは電子書籍版(epub)

代表の佐田幸宏氏を直撃!

 プレスリリースを拝見すると、著者が受け取れる料率や、紙の本をどうやって流通させるのかが気になったので、直接聞いてみることにした。ご対応頂いたのは、∞books代表の佐田幸宏氏だ。

著者が受け取れる料率は?
 ∞booksで流通する書籍は、Amazon、リアル書店、どちらで流通した場合も著者様には販売額の10%をお支払いいたします。

出版取次会社はどこ?
 受注生産の仕様上、取次は通さず、書店への客注に対して直接取引の形で対応させて頂いております。そのため、委託配本は行っておりません。取次を用いた物流システムは大量生産・大量販売に最適化されており、受注生産モデルでは、書店との直接取引のシステムの方が適していると考えております。

直接取引が可能な書店は?
 全国どの書店でも取り寄せは対応して頂けます。これまでの経験上、大きな書店のほうがよりスムーズに対応して頂けます。
「デザインエッグ(出版社名)の◯◯の本を取り寄せて頂けますか?」と聞けば、価格などを調べた上で電話などでご連絡頂けると思います。もちろん書店さんは1冊からも対応して頂けすが、送料などの関係もありますので、できれば数冊単位で注文して頂けると書店様にも優しいと思います。
 また、図書館などでもリクエストを出すことで置いて頂けると思います。

著作権は誰のもの?
 弊社利用規約の12条にも記載がありますが、著作権は著者様のものとして考えております。

本サービスを利用して配信された画像等の情報の著作権や、その他一切の権利は、当該する画像等を創作した個人に帰属します。

 出版権など、出版業界には多くの権利がありますが、全ては大量生産・大量消費に最適化されたもので、∞booksにはそぐわないものと考えており、権利を囲い込むようなことはしていません。
 ∞booksは一人でも多くの方の作品を世に出すきっかけを作るために作りました。気軽に使って頂ければと思います。

ズバリ、著者にリスクは? あるとすれば何?
 ∞booksは印刷サービスではなく出版サービスです。印刷と出版の違いは出版したものを無かったことにはできないということです。∞booksでは好きなことを気軽に出版できるメリットは有りますが「黒歴史は消せません」ですので、例えば過去の武勇伝などを出版される際は、念入りなチェックを強くオススメします。
 個人的には内容の濃い粗削りの作品の方が友人などに面白く読んでもらえる傾向にあるような気もします(笑)。

∞booksはどんなジャンルにオススメ?
 ∞booksは在庫を抱えることがないため、たくさんの著者様に使って頂きたいのですが、これまで規模的に難しかった超ニッチなジャンルにはぜひ活用をオススメします。

今後の展開について
 出版業界にとって新しい取り組みになると思いますが、ITを用いて、新たな可能性に挑戦していきたいと考えております。

∞books本文

書籍作成画面

 いかがだろうか? ∞booksで著者が受け取れる料率の10%は、一般の出版社が設定する印税と比べても悪くないと思われる。印税は、売れっ子作家であれば10%超、そうでなければ一桁というのが相場のようだ。
 もっとも売れっ子作家に対しては、発行時に原稿料としてまとまった金額を支払う出版社もある。∞booksをきっかけにデビューし、その後大手出版社のベストセラー作家へ、なんていうサクセスストーリーも生まれるかもしれない。
 また、読者の立場としては、これまで商業ベースに乗らなかったため、日の目を見なかったコンテンツに出会う機会が増えることを楽しみにしたいところだ。

▼参考リンク
∞books
∞books利用規約
KDDI ∞ Labo
総務省 情報通信政策研究所「ブログの実態に関する調査研究」(PDF)

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