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『とっとこダンジョン』のダウンロード数を増やしたい!「room6」インタビュー

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by [2015年3月03日]

001先日ご紹介した『とっとこダンジョン』。リリース元は、京都は出町柳にある、古式ゆかしいアパートに事務所を構える「room6」(株式会社スバコラボ)です。豪華プレゼントキャンペーンを実施しているにも関わらず、いまいちダウンロード数が伸びない『とっとこダンジョン』に頭を抱えていると聞いて、代表の木村征史氏に詳しいお話を伺いました。

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subako+lab=「スバコラボ」

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──株式会社スバコラボというのはどういう会社ですか?
株式会社スバコラボは4年前にできた会社です。事務所は京阪出町柳駅すぐ隣の築100年の洋館アパートメントです。すごく趣のあるアパートでとても気に入っております。スマートフォンアプリを主に扱う開発会社……の予定だったのですが、実際には業務系ソフト開発などを受託で行っています。アプリと業務系ソフトは半々ぐらいの比率です。

アプリの収益の柱は受託開発です。TaskPortProやHVといった自社開発のツールアプリもリリースしています。ありがちな話なのですが、自社開発アプリは大赤字です。

──社名の由来を教えてください
私の自宅を設計してくださった建築家さんが、家に名前を付ける方で「subako」と名付けられたんです。会社を立ち上げたばかりのころは事務所が無くて、起業した時の仲間3人で自宅の地下室に籠って仕事をしていました。ですので、社名も「subako」の「lab」で「subakolab(スバコラボ)」になりました。割と安直なネーミングです。「スバ・コラボ」と区切られることが多いのですが、正しく「スバコ・ラボ」です。

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また、『とっとこダンジョン』をリリースしている「room6」という会社は、ゲームなどのエンタメ系のアプリを出すために「スバコラボ」から独立させたものです。こちらは事務所の最初の部屋が6号室だったので「room6」です。

起業した頃、コミックマーケット向けのコミケカタログアプリをリリースしていたのですが、スバコラボには様々な取引先企業があるため、あまり無茶なプロモーションができないということがあって、別ブランドを立ち上げました。

──社員の構成を教えてください
現在の社員は私のほかはエンジニア4名デザイナーの1名の6名です。

平均年齢は32歳ぐらいでしょうか。私が42歳、デザイナーが22歳、契約エンジニア4名が30代前半です。私が平均をグッと上げ、デザイナーがグッと下げています(笑)

スマートフォンアプリ開発には全員が携わっています。スマートフォン以外ではRubyOnRailsや.Net系やSalesForce.comなどわりと手広く手掛けています。

──コミケカタログアプリについて詳しく教えてください
コミケカタログのCD-ROMからデータを取り込んで、サークルカット一覧の閲覧をしたり、巡回順をチェック出来たり、会場マップ上にルートを付けたり……。割り勘機能もついていました。一般的なカタログアプリの機能は有していたかな、と思います。現在はコミックマーケットのカタログデータの扱いが変更されたため、配信停止していますが、昨年(2014年)の8月の夏コミ分(コミックマーケット86)までの対応分をリリースしていました。ストア自体には昨年末くらいまではUPしていました。

収益は、漫画家のすかさんのキャラクターをアプリ内課金で購入出来るようにしていたのですが、それが1つ売れたきりでした……なので、100円です!(詳細はリンク下部)

「とっとこ」といえば『とっとこダンジョン』にしたい

──『とっとこダンジョン』の企画者はどなたですか?
企画の素案はエンジニアのhyoromo君が持ってきました。2人で色々話し合って企画がスタートしました。最初はトロッコで地面の中を疾走するゲームだったのですが、トロッコゲームもたくさんリリースされていたので「ちょっと変えようか」ということで、hyoromo君が今の形に整えてくれました。

『とっとこダンジョン』という名前に決まった理由は私も正直わかりません。hyoromo君ワールドでしょうか、おそらく言葉の響きで決めたんだろう……と想像します。ただこのネーミングだとどうしても某有名ハムスターアニメを思い浮かべてしまうので、マーケティング的にどうなんだろうという思いはありました。結局そのまま放置してしまったのですが、事前予約サイトの「予約トップ10」のコメント欄のほとんどが「ハム◯ロサァン……」関係で埋まっておりました。はやく「とっとこ」といえば『とっとこダンジョン』と言われるようになりたいです。

バージョンアップの申請の際に、『とっとこダンジョン – 爽快ドット絵パズルアクションRPG!』というサブタイトルを付けてみました。しかし「パズルなのかアクションなのかRPGなのかどっちなんや!」というツッコミが来そうですし、なんだかASO(App Store Optimization)狙いのあざとさもあり、In Reviewまでに変えようかどうかを日々悶々と悩んでいます。

「リナ=インバースみたいな感じ」ですべて納得

「リナ=インバースみたいな感じ」で色々納得

──ヒロイン・アンブレラの性格をガメつい感じにしたのはどうしてですか?
hyoromo君の素案では「勝気」としか書かれていなかったのですが、シナリオ担当の木山君がストーリーを書く際に広げてくれた感じですね。妖精ちゃんとの対比もあって面白い感じにしてもらいました。(左図は設定資料の一部です)

──開発期間はどのくらいですか?
2014年の4月ごろから初めて12月末にだいたい完成したので、8ヶ月くらいでしょうか。最初の頃は、私とhyoromo君、デザイナーのさいのおみさきちゃんの3人の合議制をとっていたこともあり、仕様や設定に時間がかかってしまいました。オールドット絵アプリなのですが、すべてさいのおみさきちゃんが1人で書いてくれまして、そちらにも思ったより時間がかかりました。

003イラスト(ドット絵)の制作環境
PC:MacBookPro Retina
ソフト:PhotoshopCC2014
タブレット:Wacom Intuos4
ペンタブレットを使いデジタルで直接ラフ→清書→着色(フルデジタル)

──事前予約はどの程度ありましたか? また実際のDL数はどのくらいですか?
「予約トップ10」というサイトで、iOS/Androidそれぞれ850ずつ程度でしょうか……合わせて1,700くらいです。はっきりとはわからないのですが、予約頂いた方の6~7割くらいは実際にDLして下さったのではないかと思います。

DL数は2015年2月2日の時点で、
 iOS:約5,500DL
 Android:約3,000DL
合計約8,500DLくらいかな、と思います。Androidがかなり少ないのは、リリース直後に、ある条件下でクリアしたにも関わらず未クリアになったり、装備が変更できなくなったりする致命的なバグがあって、評価の☆1が増えてしまいました。それが尾を引いてトータルで☆3.5程度なのが大きいように思っています。iOSはバグがあっても☆1を付ける方がほとんどいなかったので、影響は少なかったです。

どのくらいDLされるかは全く予想できていなかったのですが、リリース開始1ヶ月くらいで50,000DLくらいは行かないかな~、むしろ行ってくれないとまずいよね~……と夢を抱いていました。無謀な夢でした。現実を思い知らされています……。

──どの程度収益が出ていますか?
リリース後1ヶ月で広告と課金の合計売上が5万円に届いていないくらいです。あまり計算したくないので開発費はハッキリ計算していないのですが、少なくとも600万円くらいにはなるので、現時点で595万円の赤字ですね。回収までにあと10年くらいはかかりそうです……。

──キャンペーンを開催されていますが、参加者は何名くらいいらっしゃいますか?
2月2日現在で28名の方が応募してくださっています! このままだと全員何らかのプレゼントは当たりそうです。というか、ステッカーはもう全員にプレゼントしようと考えています。正直、DL数や収益にはほとんど結び付かないキャンペーンだったように思います……。

──DL数が伸びない理由はどこにあるとお考えですか?
色々と要因があるとは思います。まずは「ぱっと見どんなゲームかわかりにくい」ということがあるのかな、と思います。操作が特殊で、パズルのように頭を使う要素もあるので、アクションなのかRPGなのかきれいにジャンルがわけにくいのかな…と思います。やはりある程度は「どんなゲーム」なのかがスッと頭に入ってくるようなアプリでないと気軽にDLされにくいような……。あとは、操作が特殊ゆえに「なんだこれ? どう動かすの? 自分で操作できないの?」となるとサクッと止めちゃう方も多いと思います。そのあたり、チュートリアルなどでもう少し丁寧な説明が必要だったと考えています。

個人的には、ボリューム感が足りないので追加ステージを作りたいと考えています。可能であればステージの自動生成機能を付けて、ローグライク的な要素もあればずーっと遊んでもらえるゲームになるのでは、と思っています。あとは、アイテムや装備を増やしたり、レアリティをもっとわかりやすくして、運要素も少し取り入れて、「繰り返しプレイしたい!」と思えるゲームにしていきたいです。

切実! 「お金」と「コネ」が欲しい…

──Unityを勉強されているとのことですが、今後3D要素のあるアプリをリリースされる予定はありますか?
3Dはあまり考えてなくて、Unityでも2Dをメインにしたいと思っています。Unityを勉強しているのは、現在、東京の出版社様とコラボでUnityを使って絵本のアプリを開発しておりまして、そのために勉強しています。次はUnityでゲームを作りたいなと思っています。

──「絵本アプリ」楽しみにしていますね。ほかに、他社(他ディベロッパー)とのコラボのご予定は?
まだ、Twitter上でお話しただけなので予定と言っていいのやらどうなのかわかりませんが、私も大好きなアプリ『ヤンデレ彼女+Plus』のエターナルソフトウェアさんに、「今度コラボしましょうね~」という感じでお声掛けて頂いていて個人的にうきうきしているところです。

──クラウドファンディングを利用される予定はありますか?
売上が全く無いのでかなり前向きに検討しています。が、なにぶん(クラウドファンディングを)やったことがないのと、出資というものをしてもらったことが無いのでどうしたらよいものやら、そもそもお金を出してもらっていいものやら……という感じで思考停止しております。

──「お金」と「コネ」とTwitterでよく呟いてらっしゃいますが、あてはありますか?
お金のほうは、もう地道に受託開発を頑張る……しかないので、頑張っています。ファンディング的なものは、昔地元の銀行さんに少しお話しに行ったときに、決算書を見ていただいたら苦笑いされて終了したという苦い思い出があり、それからというものそちら方面には全くご縁のない状態です……。

コネに関しては最近Twitterでお友達をたくさんつくろうと思い、いろんなディベロッパーさんに話しかけたりしている所です!

先日大阪であった開発者さんの新年会にも参加させて頂きました。しかし人見知りだったのでほとんど歩きまわれず、奥の院に篭りっぱなしになってしまい、失敗したなあ……と後悔している所です。あとは、うちの会社のアパートの一室があまり使われていないので、Unityの勉強会をしたいという開発者様に使っていただくといったことをしてもらっています。

──次のアプリのご予定を教えていただけますか?
いまのところ、『とっとこダンジョン』の続編(もしくはアップデート)を考えています。が、お金が無いのではてさてどうしようかと言った感じです。『とっとこダンジョン』じゃない違うものも企画しはじめてはいますが、まだハッキリと形になっていない感じですね……。また企画が固まればTwitterとかブログで垂れ流していこうとは思っています!

おまけ~事務所近景~

事務所のすぐそばを流れる鴨川
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──京都の良いところを教えてください
京都は、観光的に言えばもうむしろ他地方のかたが詳しいような気がします(実は地元民はあまり詳しくないのです……)ただ、狭い所に全部密集しているので、どこでも行きやすいというのはあるかなーと思います。

仕事的には、京都は任天堂の本拠地ですし、PONOSさんみたいな素晴らしいアプリ・ゲーム会社さんもたくさんあります。が、おそらく弊社は全く認知されていないのであまりそういうメリットは生かせてない模様です。京都の出町柳という事でいえば、まったくビジネス色がなくてノンビリしていますので、本当に仕事はしやすい環境かなと思います。大阪行くのにも便利です。京都は大学がたくさんある学生の街でもあります。うちは当分採用なんて夢のまた夢ではありますが、採用面では凄くメリットがある場所かなと思います。

鴨川のデルタを真横から見ることができる
010──出町柳といえば鴨川のデルタ部分の「Y←ここらへん」ですよね? 散歩すると均等に並ぶ鴨川バカップル(※)やBBQする大学生など見られますか?(笑)
Y←まさにここらへんです!
均等バカップルはどちらかというと鴨川の三条あたりに生息してますのでこちらはあまり居ないのですが、鴨川デルタではしゃいでいる大学生や親子、観光客はたくさんいます。そして、鳶にサンドイッチをかっさらわれて泣いている方もたくさん見ます。鴨川デルタで何か食べる方は必ず木の下で食べることをおすすめします。BBQは最近鴨川条例で禁止されましたので、今は堂々とやる人はほとんどいない模様です。BBQするとすぐに警察の方に怒られますので……(笑)

(※)鴨川沿いでデートするカップルは、何故か等間隔をあけて座る。独り者大学生が「リア充爆発しろ!」と叫ぶとか叫ばないとか……

011──とても素敵な環境ですね。社内やデルタ部分での面白いことがあったら教えてください。
(事務所アパートの)トイレが男女共通かつ和式トイレなのが問題なので、アプリが当たればまずトイレを洋式に変えたいとおもっています。非常にゆる~~い会社で、勤怠や勤務場所という概念が無いので朝行くとたいてい午前中はひとりぼっちで寂しいです。

あとは窓のすぐ外に叡山電鉄が走っているので鉄道ファンにはたまらない環境です。
鴨川デルタ周辺は本当に環境がいいので落ち込んだ時などはふらっと散歩に出かけたりしています。鴨川には最近外来種の巨大ネズミのヌートリアが住み着いているのですが、とても可愛いのでたまに見に行きます。異常に人馴れしてるのですごく寄ってきます。たまに近所のおっちゃんが餌をあげていて、それを見た小学生とかに「餌アゲたらあかんねんでおっちゃん!!」とか怒られていたりしてバツが悪そうにしているのを眺めていると、凄く心が晴れます。

──京都らしさをいかしたアプリのご予定は? 特に歴女狙いのものとか……
じつは、昔京都のおみやげを紹介するアプリ(京みやげ)というものを出したことがあります。しかしこちらもあまりDLされていません。それでも、春秋の観光シーズンになるとじわじわ落とされています。広告なしのノーマネタイズアプリなので、もうちょっとなんとかしたいなと思っています。

今後、また京都っぽいアプリも出したいな、とも思ったりはするのですが、案外京都モノのアプリもたくさんあるので、そこにどうやって割って入ろうかな? という感じです。個人的には外国人観光客向けに何かつくりたいなとは思っています。

歴女狙いアプリもいいですね!! ただ、僕が全く歴史に疎いので、まずは歴女を探す所からはじめたいと思います。
京みやげ

──Twitterで写真を拝見したのですが、会社に家庭菜園をお持ちなんですか?


あれは会社ではなく私の自宅です。屋上に土を敷き詰めて家庭菜園をしています。アプリで儲からなくなって食えなくなっても自給自足出来るかなと。春~夏はアスパラ・トマト・ナス・ピーマン・カボチャ・トウモロコシなんかを主に植えています。冬野菜は最近やってないですが、大根・白菜・人参・ネギ・ブロッコリーなんかを主に植えています。あとは畑じゃないのですが、ブラックベリーやマルベリー、フェイジョアにブルーベリーといったフルーツも収穫出来ます。そろそろ鶏を放して卵を取りたいと思っています。可能なら山羊も。

──インタビューへのご協力、ありがとうございました。

▼関連リンク
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株式会社スバコラボ
とっとこダンジョン
【重要】C86カタログ対応 及び 今後の対応について(room6)
すか(仮)

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