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アリババが狙う自社OSの普及は果たして成功するのか?

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by [2015年2月10日]

エグゼクティブ・チェアマンのジャック・マー氏(ウィキペディアより)

 9日、中国eコマース大手のアリババグループは、同国でスマートフォン『Meizu』シリーズを展開する端末メーカーの珠海市魅族科技(以下メイズ)に5億9千万ドル(700億円)の出資をすることを発表した。自社で開発した独自のモバイルOSである『Aliyun』を普及させたいとみられている。とはいっても、メイズは中国国内マーケットにおいてシェアを1%しか獲得していない新興企業である。なぜ、アリババはメイズに目をつけたのだろうか。

どうしてそんな小さな企業に?

 2012年、大手メーカーのエイサーは、グーグルから、アリババの開発したAliyun搭載のスマホを発売するのならOHA(Open Handset Allianceの略称で、Android開発に携わる企業の連盟)から除名するという通告を受けた。この通告の裏には、AliyunがAndroidのプラットフォームを利用しているにも関わらず、Androidとの互換性がまったくないことが指摘されており、それはすなわちOHA加盟各社の労力にただ乗りすることに他ならないというものであった。
 このような騒動があったために、アリババは、中国市場でシェアが大きくてもOHAに加盟している端末メーカー(ファーウェイ、レノボ、サムスン、LGなど)にはOS搭載の話ができなくなっている。またOHAに加盟していなくてもシェアの大きい企業であるところのシャオミについては、こちらも独自OSを利用しているので、Aliyunを搭載してくれる可能性は低いだろう。
 そうした事情から考えると、端末シェアが小さくても、高いデザイン性によってコアなファンから人気を博しているとされるメイズが、出資先として挙げられたのは当然の話かもしれない。

なぜ、OSがこんなにあるのか

 中国には独自OSが多い。通信事業、端末メーカー、インターネットサービスといった幅広い企業からOSは発表されている。主なOSとしては、『Ophone』(チャイナ・モバイル)、『WoPhone』(チャイナ・ユニコム)、『LePhone』(レノボ)、『Yi 』(バイドゥ)、そして先述したアリババの『Aliyun』である。どうしてこれほど多いのだろうか。
 これについてWirelessWire Newsは「米国生まれのプラットフォームへの依存度を低減し、同時にユーザーが自社のサービスに簡単にアクセスできるようにしたいという思惑がある。また、とくにAndroid OSについては、グーグルの検索や地図など一部のサービスを中国ではそのままの形で提供できないため、端末メーカー各社はそれぞれ代替サービスを提供することを余儀なくされている。」と説明している。
 中国では、独自OSはシェアをほとんど獲得できず、Androidの一人勝ちというのが現状である。今回のアリババによる出資は、果たして『Aliyun』がシェアを獲得できるきっかけを作るのか注目が集まっている。

▼参考リンク
WirelessWire News『中国アリババ、独自のモバイルOSを開発 – クラウドサービスへの窓口に』
telecoms.com『Alibaba buys $590m stake in Meizu to boost Aliyun mobile OS』

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