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ネット依存に苦しむ子供たち、その対策は?

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by [2015年2月09日]

引用:The Telegraph

 中国の江蘇省南通市で、19歳の少年が自ら手首を包丁で切断した事件があった。インターネットに過度に依存することから逃れるため、実行したと見られている。中国ではインターネット普及率が約45%(2013年時点)ながら、2400万人ほどの人がインターネット依存症を患っているといい、その大半は若年層とのことだ。

中国のネット依存症は事後の対応

 中国ではこうしたネット依存症に対して、軍隊式の共同生活を何ヶ月にも渡って送るという治療方法が注目されている。ネット環境のない隔離された施設で、ミリタリー服を着せられ、朝から晩まで腕立て伏せやスクワットといった体力強化に勤しむというものだ。しかし、プログラム中に脱走してまでネット喫茶に駆け込むものや、ネットが出来ない鬱憤を、暴力を用いて他人にぶつけるものも多く、またプログラムを終了したとしても、元通りのネット依存になってしまうものもいる。当然ながら、このプログラムに自発的に行くものは少なく、親に無理やり連れて来られる場合が多い(中には睡眠薬を飲まされるという強硬的な手段をとる親もいる)。昨年のサンダンス映画祭では、そうしたある意味では過激な中国のネット矯正施設を描いた『ウェブ・ジャンキー』というドキュメンタリー作品が上映されることになり、賛否両論の意見を呼ぶことになった。

韓国のネット依存症は事前の対策

 ネット依存対策が先進的な国といえば韓国だ。2011年には、16歳未満を対象に午前0時から午前6時までの間、オンラインゲームを禁止するという「シャットダウン制」を導入した。また小学校4年生、中学校1年生、高校1年生には「インターネット依存自己評価スケール」を実施している。自己評価スケールはアンケートと同じで、例えば「インターネットができないと、どんなことが起きているのか気になってほかのことができない。」といった質問項目に対して、あてはまるか、あてはまらないかを答えるものである。そうしたスケールにおいて、依存していると判断された子供に対しては、自然の中で様々なレクリエーションをする10日程度のキャンプを実施するなど、インターネットには厳しい態度で対応している。

じゃあ日本は?

 中国と韓国は、それぞれ事後の対応か、事前の対策かは別として、ネット依存症に対する危機感が高いことには変わりはない。それに比べて、日本ではネット依存症の対応、対策は消極的である。ネット依存症の対応としては、民間の医療機関(ネット依存を専門的に扱っているところは少ないが)での診察か、スマホ断ちなどデジタル環境から距離をおくデジタルデトックスと呼ばれるものくらいだが、いずれも本人の自主性による部分が大きい。
 この消極性には二つの可能性が考えられる。一つは、それほどネット依存症の人が多くはないという可能性、もう一つはネット依存症の人が多いにも関わらず、その深刻さが一般的に共有されていない可能性である。前者なら喜ばしいことなのかもしれないが、後者の方が現実だった場合、早急に対策を講じなければならないだろう。また、親世代のリテラシー不足によって、気づいたときには子供が重症化しているケースもあると聞く。そのため幅広い世代への啓蒙も必要になってきそうだ。

▼関連リンク
The Telegraph『Chinese teen chops hand off to ‘cure’ internet addiction』
久里浜医療センター 自己評価スケール
日本経済新聞『子どもの「ネット依存」 対策の先進国「韓国」に学ぶ
大人にも忍び寄る「ネット依存」傾向と対策(1)』

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