世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」ではIoTに関して厳しい意見が相次いだ。

課題だらけのIoT。市場が拡大する中、求められるものとは?

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by [2015年1月15日]

世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」ではIoTに関して厳しい意見が相次いだ。

 世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」ではIoTに関して厳しい意見が相次いだ。


 IoTという言葉をご存知でしょうか?IoTとは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳されます。電化製品・自動車・医療機器・建物といった「モノ」がインターネットに接続され、情報のやり取りが相互に行われることを指します。

 さまざまなモノをインターネットによって連携させるIoTは、ウェアラブルデバイスの普及やビッグデータの活用といった観点から異業種間の連携を促すとして、高い成長率が期待されています。米国調査会社のガートナー社は、IoT製品の数は2020年には300億個に達し、IoTによる経済価値は1兆9000億ドルに及ぶとの予測を発表しています。

 しかし、こうした期待とは裏腹に、1月6日から9日に米国・ラスベガスで開かれた世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に関連して、IoTの将来を不安視する意見が相次ぎました。

セキュリティとプライバシーが課題

 TechCrunchが1月13日に掲載した『IoT企業はプライバシーとセキュリティーに最優先で取り組め』と題した記事では、FTC(アメリカ連邦取引委員会) のエディス・ラミレス委員長がCES視察後の講演会で、IoT製品のセキュリティー上のリスクに対し警告を発したと報じています。

伝統的インターネット業界はセキュリティーに対して数十年の経験を積んでいるのに対して、最近IoT市場に参入しているソフト、ハード企業の多くがセキュリティー問題に未経験で(中略)同時にIoTデバイスのサイズが小さく、処理能力に限界があることが暗号化その他の強力なセキュリティー施策を導入することを妨げている。

 ラミレス委員長は上記の問題に対する施策として、①「セキュリティー・デザイン」の採用、②データ収集・保存の最小化、③システムの透明性の確保といった対策を挙げています。その上で、ビッグデータの活用のために多くの個人情報を持つことは、企業にとって大きなリスクになると指摘しています。

IoT企業がユーザー情報を利用する場合、ユーザーはその内容を明示し、ユーザーが承諾ないし拒絶する機会を与えねばならない。(中略)FTCは個人情報の利用に関する選択は一般の利用約款とは別に提示されるべきだと考える。

 セキュリティとプライバシーの配慮を欠いたままでは、IoTは新たなトラブルを引き起こす可能性が高いとFTCは見ているようです。企業の情報漏洩やサイバー攻撃といった事件が恒常化しており、この点には十分な配慮が必要と思われます。

消費者のメリットが明確でない

 EE Times Japanが1月14日に掲載した記事『オピニオン 2015 CES:IoT市場、理想形とは程遠く』という記事は、企業がIoTの活用でデータ解析の精度を高め、「より効果的に事業を展開でき、売上高を増加させることができるという」とした上で、次のように指摘しています。

しかし、それは実際のところ、消費者にとってメリットはあるのだろうか。(中略)消費者側に立っているはずの、大手家電メーカーのCEOでさえも、この問いに対する答えを見つけられないようだ。

 日経新聞(電子版に)に1月13日に掲載された『手探りの「IoT」 収益化の道まだ遠く』という英フィナンシャル・タイムスの翻訳記事はこう述べています。

多くの人は日常生活で使うアナログ機器に十分に満足しているようだ。電気をつけたり玄関を開けたりするのに、スマホのアプリを起動する利点などあまりないし、このような行動をインターネット経由で遠隔操作することに、あまり魅力はなさそうだ。日常生活のモノに単に「スマート」というタグをつけても、生活はそんなに変わらない。

 記事はIoTにより収集した大量のデータを生かし、人々が健康状態や日々の生活に潜むリスクを把握できれば有意義としつつも、「IoTから利益を得るにはまだ相当な時間がかかることにも思いが至るのだ」と結論付けています。

【参考リンク】
IoT(あいおーてぃ)とは – コトバンク

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