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App Annie Japan向井俊介氏による「2014年のモバイルアプリ市場の振り返り」

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by [2015年2月02日]

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 2014年12月11日、ニフティ株式会社 新宿本社セミナールームにてNCMBアプリマーケセミナー「2014年の振り返りと2015年の展望」が開催されました。本記事では、App Annie Japan ビジネス・ディベロップメント・マネージャー向井俊介氏による講演「2014年のモバイルアプリ市場の振り返り」を取材させて頂きました。

App Annieは世界のアプリ市場をデータベース化し、
意思決定の手伝いをする営利企業

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 App Annieは、ランキング情報を無料で提供しているということで多くの方々に使って頂いていますが、実は世界中のすべてのモバイルアプリのダウンロード数、収益の金額をデータベース化し、提供しています。会社は2010年12月にシリコンバレーにて設立され、2年後の2012年12年には日本でブランチが出来、今年の2月に法人化しました。現状、アプリでビジネスをされている企業のトップ10のうち、9社がすでにお客様です。

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 我々は、アプリ市場がどう動いているのか、例えばどの国がどれくらい活発になっているのか、あるいはどういう企業がどういうアプリを出して、それがどういう風に動いているのかを数字で持っています。そして、それらのデータは経営者の意思決定の根拠や、マーケティング担当、企画、開発、運用の方々の日常的な業務の裏づけに使われます。

無料公開しているAnalytics・Store Stats
有料サービスのIntelligence

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・Analytics
  Analyticsは無料で提供しているツールです。アプリパブリッシャーが毎日の業務として行っている集計・管理業務を簡単にすることができるツールです。世界で約580万のアプリケーションが流通しているとされていますが、そのうちの約60万には当社のAnalyticsに繋いで頂いていて、日々の管理をしておられます。

・Store Stats
 通常、各自の端末からランキングを見ようとすると、その国のランキングしか見ることが出来ませんが、App AnnieのStore Statsならその必要はなく、過去からのランキング推移や海外のランキングを見ることができます。使われる方の多くはこのランキングの閲覧を目的にしていると思います。

・Intelligence
 ランキングを見ていると規模感を知りたくなりますね。1位と2位の差はどれだけなのかと。そこで弊社のIntelligenceというサービスが存在します。少しイメージを持って頂くために、次の3ページで、弊社のお客様が、具体的にどのようにデータを使っているかというお話をさせて頂きます。

Intelligence活用ケース

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 データを見る意図は、アプリの位置づけ、競合他社、どこが見込み客先で、既存の客はどこにいるのか、といったことです。

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 デイリーベースで掘り下げることが出来るので、例えば、どういうプロモーションをしたら、ダウンロード数にどのような変化があったのか、定量的にわかりますし、どういうアプリ内イベントがどの程度の売上への影響があったのか、も把握することができるようになります。
こうしたデイリーベースを積み上げればマクロデータになります。例えば、エンタメなどのカテゴリ毎に、総ダウンロード数、総収益金額がどれくらいあるのかといった、つまりカテゴリ毎の市場規模を知ることが出来ます。

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 KPIがダウンロード数である企業は多く、リセットマラソンやバージョンアップによってダウンロード数を大きく見せるのは、マーケティング上、大事だとは思います。しかし、それは実態の数ではありません。実態としてどれくらい増えているのかを知るとき、App Annieのデータを見ていただいています。

アプリストア別のDLと収益

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 2014年第3四半期、7-9月のデータです。左側がダウンロード数、右側が収益です。数字はインデックス化させていただいています。iOSを100としたとき、Google Playはどうなのでしょうか。皆さんも肌で感じていることかもしれませんが、その通りで、ダウンロード数はiOSに比べて、1.6~1.7倍です。収益化もiOSがまだ強いとはいえ、成長率はGoogle Playがすごい勢いで追い上げています。これはあくまでもワールドワイドな話です。国によって事情は違います。新興国でiOSは収益化出来ない場合もありますし、先進国でも国によってはGoogle Playに絞ったほうがいいのでは、という場合もあります。

国別のDLと収益

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 国別で見ると、アメリカと中国でiOSマーケットの45%を占めています。ブラジル、ロシアではGoogle Playの伸びが目立ちます。先週、とあるスタートアップ企業が集まるイベントに出たのですが、そこにいたスタートアップの方々はASEAN地域を狙っていました。ブラジルやロシアといった、ASEANより距離の遠い地域でも大きな市場があるというお話をさせて頂くと、彼らは、ローカライズはどうしたらいいのか、どこのアドネットワークを使ってプロモーションをするのかといったことをすぐに考えており、フットワークの早さが印象的でした。そうした企業が、海外からも日本からも、アプリビジネスで乗り込んでいく動きがあります。

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 収益で見ると、先進国がランクインしています。相変わらず、日本は世界一の課金大国です。ただ、中国の複数あるサードパーティーのAndroidアプリストア(中国ではGoogleが使えないため)を足し合わせると、中国が世界一になるとみています。
 あとは台湾がトップ10入りしています。規模は小さいのですが、成長率は高いです。台湾の特徴は、コラージュや、セルフィーといった写真系、またはiPhoneの着せ替え系といった、女子受けがいいものが流行っていると聞いたことがあります。

カテゴリ別では写真と音楽に注目

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 次はカテゴリです。我々が注目しているのが写真と音楽です。写真だと、セルフィー、写真・動画編集、コラージュです。SNSに拡散していくというツールが受けており、順位を伸ばしています。音楽だと、日本ではなじみがないのですが、SpotifyやPandoraといったストリーミング系の音楽アプリが北米を中心に伸びています。Spotifyは日本進出準備中ということです。

世界のアプリ収益ランキング2位にパズドラ

 App AnnieにはIndexというサービスがあります。一ヶ月間のトップアプリ・トップパブリッシャーを見ることができます。特にトップパブリッシャーは、上場企業において、決算、株主報告資料で使われることがあります。

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 このIndexを使った10月のランキングがこちらです。Google PlayとiOSを合わせたダウンロードと収益のランキングですが、世界2位にパズドラが入っています。こうしてみると、モバイルアプリ市場では日本勢はがんばっていますね。そこにビジネスチャンスを感じて、色んな企業が「うちもアプリ作ろうよ」という動きがすごく活発になっています。

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アプリはゲームだけではない

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 金額規模でみたとき、日本では約90%、ワールドワイドでは約85%がゲームアプリですが、それ以外の残りの分野も盛り上がってきています。例えばワールドワイドで見たとき、新興国を中心に、iPhoneのパフォーマンスを上げるとか、電池持ちを良くするとか、通信速度を改善するとか、そういったアプリが人気です。

力をつけるミドル層パブリッシャー

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 一年位前の日本では、トップ20~30くらいのパブリッシャーでマーケットの7割を占める状態だったのですが、今は60くらいまでに下がっています。ミドル層パブリッシャーが力をつけているということです。ミドル層においても、運用の人員が確保でき、収益モデルが確立され始めたことが、この一年間で大きな変化かなと思います。

ユーザー属性データの提供も開始

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 これは私の所感ですが、単純に「いいアプリを作れば売れる」という時代ではなくなってきていると感じています。クリエイティブ性は維持しつつ、武器としてマーケットや競合などの「外部環境」を把握する企業が増えてきた事が2014年の大きい変化ではないかな、と思っています。
 弊社では、ダウンロード数と収益金額という定量データに加え、あるアプリをダウンロードしている人の性別、年齢層、収入、子供の有無、学歴などのデモグラフィックデータも提供を開始しました。

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 次のセミナーでは、市場規模、競合他社、ベンチマーク先、総ダウンロード数、収益に加えて、アプリをダウンロードしている人はどういう属性の人が多いのか、どういうアプリ同士に相関関係が強いのか、というところまでを分析した結果を発信できればいいなと思っています。

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