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若者のテレビとなれるか?YouTubeを番組として楽しむ無料アプリ『yTube.tv』代表に聞く

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by [2014年11月20日]

株式会社yTuber.tv 代表取締役 中田博昭氏
現在業務を行なっているB Dash Venturesのインキュベーションスペースにて

 若者のテレビ離れを横目に視聴者数を伸ばし続けるYouTube。みなさんはどのように楽しんでいるだろうか。気になるキーワードで検索したり、自分の好きなYouTuberの動画を見たり…
そんなYouTubeに新しい楽しみ方を提案してくれる無料アプリが『yTuber.tv』(以下ワイテレ)だ。
 ワイテレで動画を楽しみたければ、アプリに表示される番組表からおもしろそうな番組をタップするだけ。あとは、その番組表に添った動画が24時間流れ続ける仕組みとなっている。
 YouTubeで公開されている膨大な数の動画から厳選された動画が番組として流れているのを見ると、ワイテレを作った方はテレビを目指しているのではないかと思えてくる。
 そこで、ワイテレを運営している株式会社yTuber.tv代表の中田氏に、ワイテレを始めたきっかけや、ワイテレが動画を軸に今後どのような事業展開を行なうかについて、お話を伺った。

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ワイテレの魅力は人力の番組表!?

ワイテレとは何ですか?
 簡単に言うと、24時間10チャンネルで動画を放送しているアプリです。

ワイテレの名前の由来は?
 現在、YouTubeで活躍しているYouTuberの方がいらっしゃいますが、それを略したyTuberのテレビという意味です。カタカナで言いやすくした略称がワイテレです。

サービス名がYouTubeに似ていますが、Googleとの関係は?
 今の所はまったくありません。これからお話をしていければいいなと思っています。プレスリリース等も出していないので、まだ認知されていないのかもしれません。YouTube Space Tokyoのパーティへ遊びに行った際には、何も言われなかったのでおそらく大丈夫かと…(笑)。

番組表はどのように作っているのですか?
 YouTubeの中から面白い動画を見つけてきて、私たちの編集部でその動画を組合せ30~1時間ほどの番組として枠にセットしています。ただし今のところ人力ですが(笑)。

人力ですか!? 番組表の編集は何名で行なっているのですか?
 はい、YouTubeの埋め込みコードを使って、一本の動画が終わったら次の動画という事をやり続けていく仕組みです。番組表の編集は、専任が1名、ブログ更新兼任が1名で、基本的にYouTubeに張り付いています。彼らは、メディアでライターやコンテンツ作りしていた経験に加え、ニコニコ動画のプレミアム会員歴7年という強者なので、センスは良いはずです。
 この他、弊社には私とエンジニア2名の計5名が在籍しています。エンジニアは以前、某ソーシャルゲームのバックエンド開発を統括していたこともあります。

今後、この仕組みを自動化できる見込みはありますか?
 例えば、特定のチャンネルの音楽番組やニュース番組であれば、最新のものから10本抽出して30分の枠の中に収めるといった事はできると思いますが、面白いものを見つけてくるという部分では、どうしても人力になってしまいそうです。

ジャンルの設定は御社の独断と偏見ですか?
 はい、私たちの独断と偏見です。その中からクオリティの高い動画を選んでいます。
 以前は、現在のジャンルに加えて「旅」「グルメ」「ライフスタイル」というカテゴリーがあったのですが、人気が無いので削除しました。人力で面白いコンテンツを選んでいるため、チャンネル数は厳選せざるを得ません。

アダルト系、グロ系の動画はどのように排除していますか?
 R18的な動画や視聴者の気分を害する動画は、目視で確認して排除しています。さすがにすべての番組を1本まるまる確認していくことは不可能なので、例えばチャンネルの動画を1~2本見て「この人なら大丈夫」「このシリーズは大丈夫」という判断をすることもあります。

リリースされてから反響はいかがですか?
 リリースして間もないので、まだそれほどありません。動画を使わせて頂いているYouTuberの方々には「放送させて頂きます」とお伝えしているのですが、おおむね良い反応で手応えを感じています。

YouTuberのマネジメントもやっていきたい

マネタイズはどのようにお考えですか?
 アプリは完全に無料です。視聴者からお金を頂くことは考えていません。
 将来的にトラフィックが増えてきたら、テレビCMのように、番組の合間にCMを入れたり、タイアップで企業様と一緒に番組を作っていきたいと思っています。
 ただし、サービス自体はYouTubeのAPIを使っているので問題ないのですが、マネタイズに関しては利用規約の読み取り方で認識が異なる可能性があるので、Googleへの確認が必要です。

自社でタレントをマネジメントする可能性はありますか?
 はい、ぜひやっていこうと思っています。日本にもYouTuberのマネジメント会社が増えてきています。後発となる私たちは、IT系の強みである、データを最大限に活用してトラフィックを上げるモデルを提供したいと思っています。YouTubeのデータ、トレンド、統計をダッシュボードにまとめて、YouTuberの方々と一緒にコンテンツ作りをしていきたいです。
 トラフィックを上げるお手伝いをしながら、ツール類をYouTuberの方に無料で提供して、もっと高機能なコンサルティングが欲しいという方はワイテレに所属してもらうなど、様々な局面でYouTuber側にメリットを提供できたら良いですね。

最近は子どものYouTuberも出てきていますが、YouTuberを目指す人へのサポートはどのようにお考えですか?
 手元にキャッシュがあり会社が回っていれば、オーディションを開催する等、1から発掘していく事も可能ではないでしょうか。

ワイテレができるまで

ワイテレを始めたきっかけはなんですか?
 私自身も、ニコニコ動画のプレミアム会員になって5年ほど経つのですが、元々動画が好きだったんです。
 それに2013年あたりからの動画の盛り上がりがあり、YouTuberというタレントまで生まれてきて、「この方向ならやっていける」と思ったのが起業のきっかけです。

起業までの流れをお聞かせ頂けますか?
 私は以前TechCrunch(テッククランチ)というメディアで編集の仕事をしていたのですが、ある時B Dash Ventures※の西田さんを取材しに行ったんです。実は、西田さんは以前TechCrunchで一緒に働いていたので、その時は気軽だったのですが「いずれ起業したい」という相談をしたのがスタートでした。※日本のベンチャー・キャピタル。

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通常の(起業までの)ルートとはかなり異なりますね?
 (西田氏と)近い関係にあったからですね(笑)。その後は審査を経て、無事出資を受けて起業することができました。西田さんには、事業の初期段階から弊社の取締役に入って頂いていて、今後どのように事業を大きくしていくのかを常に話し合っています。

アプリ内セカンドスクリーン構想

ワイテレをどんな人に使ってほしいですか?
 YouTubeのゲーム実況をヘビーに見ている層は10~20代前半の若者です。ワイテレは、そこをターゲットにいきたいです。つまり(情報端末の中でも)スマートフォンをメインに使う世代です。
 これまでの分析から視聴者の60~70%はスマホで見てくださっていることもあるので、次はAndroid版を来年の2月までに用意したいです。スマホをカバーできた後には、PC版の開発を考えています。

海外への展開はいかがですか?
 当面は日本向けのみです。日本は他の国と比べて動画の視聴時間が長いので、日本のマーケットでしっかりやることが、後々の海外展開につながっていくと考えています。

ワイテレは今後どうなっていきますか?
 ワイテレは、次のバージョンからChromecastに対応します。一度テレビに繋げてしまえば、スマホの電源を落としても365日更新し続けます。つまりチャンネルを一つ選んでくれれば他に選ぶ必要が無くなるのです。また、バックグラウンド再生にも対応しますので、SNSやWEBサイトを見ながら音楽チャンネルを楽しむといったこともできるようになります。

再生中の動画を最小化したところ。右下のウィンドウで動画を視聴しながら番組の一覧を確認できる

 将来的な理想としては、他のアプリを使用しているときもワイテレを視聴できるようにしたいです。
 これは、YouTubeの最小化画面(左)をイメージすると分かりやすいのですが、ワイテレを見ながらLINEでチャットするといった使い方です。
 先日、グノシーとradikoが提携しましたよね。グノシーでニュースを見ながらradikoを聞けるようになるので、私たちにも可能性があると思います。ソーシャルゲームや放置ゲームなど、待ち時間があるゲームにも相性が良さそうですね。

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▼参考リンク
yTuber.tv[ワイテレ]
TechCrunch
B Dash Ventures

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