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若い女性を中心に大ヒット『みつけて!おじぽっくる』開発者が語る“クオリティ×バズる仕掛け”

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by [2014年10月22日]


 若い女性を中心に大ヒットとなっている無料ゲームアプリ『みつけて!おじぽっくる』(以下おじぽっくる)。キャラクターの愛らしさもさることながら、3Dで描かれた部屋の中をグリグリ移動していると、これが個人開発者の手によるものかと驚きます。
 このゲームを開発したのは『脱出ゲームCUBIC ROOM』シリーズでおなじみ、Applissの貝森氏。先日、なんと中目黒の編集部へ遊びに来てくれましたので、おじぽっくる誕生の裏話や今回のヒットについてお話を伺いました。

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『みつけて!おじぽっくる』が出来るまで

───おじぽっくるはいつ頃から開発を始めましたか?

 構想を練りはじめたのは1年半前です。当初はなかなか思い通りの内容にできず、客観的に判断するためにキャラデザインもゲーム内容も半年放置して壊すというのを2回ほど行なった後に、最後の半年で一気に仕上げました。

───名前の由来は「ころぽっくる」ですか?

 最初は「ちっさいおっさん」で考えていたんです。ただ、調べていくうちにゆるキャラで商標でもある「ちっちゃいおっさん」の存在を知りまして。それで名前は、検索性の良さや他キャラクターと被らない固有名詞にしたいと思い、妻が提案してくれた「ころぽっくる」の語感が可愛らしくてよかったので、転じて「おじぽっくる」になりました。

───要所要所で奥さまのアドバイスがあるようですね。

 そうなんです(笑)。2人で結構楽しみながらやっていますね。やはり1人だと客観視できない部分があるので、妻の意見を取り入れながら作っています。
 妻は以前、ジュエリーデザイナーとして働いていて、ゲーム開発については相談するくらいの関わり方でした。でもおじぽっくる自体はそもそも妻が発案したものなんです。誰もが妄想してしまうような現象や存在をテーマに、脱出ゲームとは違う新しいゲームを作りたいと考えていたときに、「ちいさいおっさんを探すゲームはどう?」と言われて、直感で「それだ!」と。
 彼女はキャラクターものが好きなので、愛らしさの部分はたまに聞いて参考にしていました。今は、結婚を機に寿退社したのでこれからは本腰を入れて2人でアプリを作っていくつもりです。おじぽっくるをさらに展開していくには、どうしても1人では限界がありますので。

女性が指1本で操作できるように

───おじぽっくるの開発で苦労したことはありますか?

 キャラクターデザインと操作性です。
 特に操作性は、指1本で部屋中を自由に探索できるということにこだわりました。ターゲットユーザーを女性にしたので、2本指での操作にすると、例えば電車の中でプレイすると両手持ちになるじゃないですか。それだと“ゲームしてます感”が出て、女性は嫌がると思ったんです。
 ただ、思い通りの探索性を実現するためには、指1本で前進・後進・方向・高さ・傾き・スピードを自由に調整できる必要があったので、バランス調整が難しかったです。

───デザインやユーザーインターフェースの設計はご自身によるものですか?

 はい。僕は美大卒で、プロダクトデザイン専攻だったのでデザインにはこだわりたくて。ユーザーインターフェースもプロダクトデザインと密接な関係にあるので、質を上げています。

───おじぽっくるのモデルはありますか。

 スラムダンクの安西先生のようなかわいらしいおじさんのキャラクター達を参考にしました。初期のデザイン案には有名人を元にしたものもあったんですよ。

───おじぽっくるの舞台になっているお部屋はご自宅がモデルですか?

 いいえ。あれは世間一般の1人暮らしに最も使われている物件を調べて、その中で最も多かった1Kの間取りです。家具も、ユーザーが親近感を覚えるような配置にしました。まるで自分の家で探しているような感覚になればおもしろいと思っています。

───景色がすごく良いですよね。

 高層ビルの最上階にいるみたいですよね(笑)。素材の都合でここだけ現実離れしちゃってますが、綺麗という声が多いのでいいかなと思ってます。

───Oculus Rift(オキュラスリフト)と組み合わせたらおもしろそうですね。

 僕自身もOculus Riftに注目していて開発キットを持っているんですが、いずれはVRゲームにも参入したいと思っています。おじぽっくるとの親和性も高そうですね。

これからも良質なゲームを作っていきたい

───アプリのリリースを増やすよりも、質に力を入れる方針ですか?

 はい。僕もカジュアルゲームを連発したい気持ちはあるんですが、どうしてもクオリティにこだわりすぎてしまうんです。おじぽっくるも元々は、脱出ゲームの息抜きとして気軽に作ったものだったんです。脱出ゲームは1人で密室に閉じ込められるシリアスなゲームなので、それとは逆に、ほんわかしたポップなカジュアルゲームを作りたいと思って。でも結局、質にこだわりすぎて、構想に1年半、開発に半年以上もの時間をかけてしまいました。

───おじぽっくるのクオリティは、もはやカジュアルゲームとは呼べないのでは?

 カジュアルゲームってユーザーにとって短い時間でカジュアルにプレイできるという意味なので、制作者がカジュアルに作ったゲームという意味ではないですよね(笑)。
 僕は(個人開発者ではありますが)大手の開発会社にも引けを取らないクオリティを目指したいと思っています。ここ最近は大手が多額の予算をかけて質の高いものをどんどん出して来ているので、一定のクオリティを満たしていないとランキングに入ることさえ難しくなっています。それでも結局作っているのは人なので、ゲーム開発環境が恵まれていてクオリティを簡単に高められる今、個人のフットワークの軽さを活かした勝負の仕方もあると思います。

───デベロッパーの中には、大手とは勝負せず、カジュアルゲームを短期間で大量にリリースするところもありますが、どうご覧になっていますか?

 たくさんリリースして、自社広告で相互に送客し合うというビジネスモデルもありだと思います。ただ最近はランキングに入っても、すぐに落ちてしまうように見受けられるので、どんどん開発スピードを上げないと厳しくなりそうな気がします。
 おじぽっくるはリリース後2ヶ月経っているんですが、ありがたいことに30~40位をキープできていて、質にこだわったおかげもあると思いますが、何よりバズらせる(話題となって拡散する)仕組みも入れたのが功を奏しました。戦略的にヒットさせることも考えていく必要があります。

───バズらせる仕組みを具体的に教えてください。

 画面共有機能と、キャラクターの愛らしさです。
 他のアプリの画面共有は、決まった場面のみというのが多いですが、おじぽっくるは探索中に撮影できるため、人によって共有画面が異なります。おじぽっくるの画面は、おじぽっくるの種類×仕草×環境と無限大なので、「人とはカブらない」特別感が共有したくなるきっかけにもなっていると思います。
 またおじぽっくるのデザインは、若い女性が友達に紹介したくなるように心がけました。女性は共有することが好きですし、市場はソーシャルRPG等の男性向けのアプリばかりだったので、そこを突きたいと思ったんです。企画初期のデザインはもっとシュールでアンニュイなものだったんですが、客観視するために半年くらい放置していたんです。その後、女性向けにデザインをがらっと変えて作っていきました。

───プロモーションで工夫したことを教えてください。

 これまでと同様に、特に費用はかけていません。おじぽっくるは、公開初期の8月は伸び悩んでいて、ブースト広告を使わないとランキングに入れない時代になってしまったのかと思っていたところ、学生さん達の夏休みが明けて新学期が始まったころに、口コミで一気に上昇してくれました。
 この他には、Webメディアへアプリレビューをお願いしたくらいです。APPREVIEWさんにも取り上げて頂きましたが、「あぷまがどっとねっと」の影響も大きかったです。ここは個人開発者にはおなじみで、大手のレビュアーさん達からも注目されているサイトです。おじぽっくるも「あぷまがどっとねっと」に取り上げられて、他のサイトへ広がっていったのでとても感謝しています。
 おじぽっくるでは、Twitterアカウントも運営しているんですよ。そこでは細やかな対応をしていて、現在のフォロワーは17,000人くらいいます。

おじぽっくるの可能性は無限大

───今後、おじぽっくるはどのように展開していきますか?

 おじぽっくるは、色々展開できるようにデザインしました。ゲームの中で「魔法の杖」を使っておじぽっくるを小さくしたり大きくしたりするんですが、そのサイズ感は小物やぬいぐるみになった時のこともイメージしています。キャラクターの種類も、戦隊モノや動物の変装等があるんですが、それも別のゲームに展開しやすいようしたものです。例えば「おじレンジャー」なんかおもしろそうですよね。今後は、英語・中国語への対応や、おじぽっくるのスピンオフ作品や続編を開発していこうかと思っています。

───おじぽっくるの続編ですか!?

 直接の続編ではないです(笑)。キャラクターを活かしつつも、ゲーム自体は全く違ったものです。個人開発者でも、キャラクターを持っていれば勝負できるという思いがあったので、おじぽっくるは大事に育てていきたいですね。

───おじぽっくるに弊社のキャラクター『フリフリくん』を採用して頂けないでしょうか?

 そういったお話は大歓迎です!
 例えば有名人をおじぽっくる化したり、おじぽっくるが出てくる部屋の中に実際の商品を置いて宣伝することも考えられます。
 お問い合わせお待ちしております!(笑)

▼参考リンク
Appliss
あぷまがどっとねっと

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