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『600万ドルの男』はいかにして作られるのか

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by [2014年9月08日]

引用:wikipedia

 『600万ドルの男』は70年代に日本でも放送されたアメリカのテレビドラマシリーズだ。主人公の男は事故で手足の機能を奪われるものの、マッドな人体改造手術を受けて超人的な身体能力を獲得する。望遠20倍の左目、コンクリートも砕くパンチを繰り出す右腕、100メートルを3.7秒で走り抜ける脚力。確かに人間離れした能力ではあるものの、他のサイボーグものに比べたら、穏やかな設定の数値である。いつかは実現できるのではないだろうかと思わせるくらいだ。

誰か資金を…

 University College Londonで生体工学の研究をしているMark Miodownik氏は「実現する日が来るのが待ち遠しい」と『600万ドルの男』 について思いを馳せている。そんなMark Miodownik氏の最近の研究は、人体改造手術ではないが、それと同じくらいの効果を期待することの出来る歩行スーツの開発だ。これは足の不自由な人を助けるもので、衣服の下に装着することが想定されている。実現されれば、障害があることを知られずに歩くことができるようになるだろう。
 しかし、この研究は現在、二つの理由によって遅れている。
 まず一つ目の理由は、歩行スーツを構成する物質が実用段階にないことが挙げられる。簡単に装着でき、かつ長時間の駆動に耐えられる歩行スーツを作るには、電源モーターをもっと軽く、柔軟なものに置き換えなければならない。これはアクチュエーターと呼ばれているのだが、この装置に関する研究が盛んでないために歩行スーツそれ自体の作成に至ることが出来ないのである。
 二つ目の理由は歩行スーツを機能させるためのシステムが複雑であるからだ。もっといえば、歩行スーツがフィードバックを前提としているため、無生物である歩行スーツと、生物である人間の間で情報伝達を行うにはどうするのかといった問題がある。
 とはいっても、すでに義手においては感覚が使用者にフィードバックするものがアメリカ国防総省のDARPAによって開発されている。卵をつかめるくらいの繊細な動きや、手を動かそうと思っただけで実際に義手が動くといったこともできるとのことである。あとは研究が盛んになるよう誰かが思い切った資本、例えば600万ドルくらいを投下してくれるなら、実現もそう遠い話ではなくなるのではないだろうか。

▼参考リンク
Forbes『The $6m Man Blurs The Line Between Living And Non-living』

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