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動き始めたウェアラブル端末向けのアドテク

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by [2014年8月01日]

世界的なIT調査会社であるInternational Data Corporationによれば、2014年における全世界でのウェアラブル端末の出荷台数は前年の約3倍である1900万を超えるだろうと言われている。
IDCのレポートによると、この出荷台数は、年平均成長率(CAGR:Compound Average Growth Rate)78.4%で伸び続け、2018年には1億1190万台に達する見込みだ。
2014年の販売台数が10億台を超えると言われているスマートフォンと比べればまだまだ小さな規模ではあるものの、それでも十分大きく、しかも今後更なる市場拡大が見込まれるウェアラブル端末への期待は非常に大きい。

ウェアラブル端末事業に早期参入していたpebbleが開発したスマートウォッチ

既にアドテクに動いている企業も

一部のアドテク企業は、この将来拡大するであろうウェアラブル広告への準備をはじめている。
世界規模でモバイル広告ネットワーク事業を展開するInMobiは、サンフランシスコやバンガロールにウェアラブル端末向けアドテクの開発チームを結成している。
副代表であるAtul Satija氏は「スクリーンを持っていれば、どんな端末にも広告市場の可能性がある。」と述べており、InMobiのこの取り組みにはGoogleとAppleも注目しているようだ。
世界有数の独立系モバイルアドネットワークを運営するMillennial Mediaはスマートウォッチのアドテク市場を調査するチームを設立し、「アチーブメント広告」を開発したことで知られるKiipはウェアラブルデバイス全般でどのようなプロモーションが可能であるかを検討するチームを設立した。

ユーザーの目の動きから広告を見たかどうかを判断して課金する技術も

最も身近なウェアラブル端末の一つがGoogle Glassだろう。統計ポータルであるStatistaではGoogle Glassの2014年の販売台数を83万台だと予測しており、これが2018年には2100万台を超えるだろうと予測されている。

現在、Google Glassはまだ実験段階であり、一切の広告を許可していないが、去年のGoogleの収益の84%が広告によるものであったことを考えると、いずれはGoogle Glassも広告を収益の柱にするだろうと予想できる。
CNETによれば、実際、この予想を裏付けるかのような特許がGoogleから申請されている。
特許内ではヘッドセット内蔵のセンサが目の動きを追跡し、ユーザーが広告を見ると広告主が課金される仕組みについて触れられているが、Googleは今のところこの特許を使う予定はないとしている。

ウェアラブル端末にはプライバシーの問題がついて回る

ウェアラブル端末向けのアドテクが整備されれば、例えばスーパーで買い物をしているユーザーに、手に取った商品のクーポンが送ったり、ジョギングデータを集めて適切な時期に各ユーザーのスタイルに合わせたランニングシューズの広告を提供したりすることが可能になる。

しかし、そもそもウェアラブル端末が普及しないことにはこれらは単なる夢物語で終わってしまう。ウェアラブル端末の普及を妨げる最大の障壁はプライバシーの問題だ。
ウェアラブル端末では、今までよりもさりげないアクションで操作できるため、よく盗撮の問題が取り沙汰される。
また、上で述べたようなアドテク技術の実装においても、プライバシーの問題はつきまとう。ショッピングの際に何を見ているかまで検知するような技術は一歩間違えば大きくプライバシーを侵害してしまう。
視界情報やジョギングデータなどから個人情報の要素を消し去り、個人情報ではない個別のデータとして扱える技術が必要だ。

しかし、アドテク業界はモバイル端末において「ユーザートラッキングの技術などプライバシーの問題を上手く解決しながら個別データを扱うことを学んできた」とInMobiのCEOであるNaveen Tewari氏は言う。
3月にはAndroid OSをスマホだけでなく腕時計やその他の端末にも拡張する、Android Wearという計画をGoogleが打ち出し、活気づいてきたウェアラブル端末界隈。ハイテク犯罪が少し怖いような気もするものの、様々な問題を解決して普及した暁には生活が豊かになることを期待したい。

▼参考リンク
Advertisers Target Wearable Gadgets as Next Frontier – Bloomberg
IDC Report
Google Glass annual sales forecast from 2014 to 2018 – statista
Google Glass
グーグル、視線追跡に基づく広告課金システムで特許を取得–「Google Glass」向けか – CNET Japan

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