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巨大な広告予算はテレビからスマートフォンへ【B Dash Camp 2014】

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by [2014年7月23日]

左からモデレーターの菅原健一氏、AdColony Zweig氏、ファンコミュニケーションズ柳澤氏、セプテー二・ホールディングス佐藤氏、ゴールドスポットメディア望月氏

 B Dash Venturesの主催する「B Dash Camp 2014 Summer IN Fukuoka」が7月17日から18日まで開催されました。インターネット業界としては最大級の招待イベントであるB Dash Campは今回で5回目。アジアを中心に15カ国から集まった500名を越える参加者は、第一線で活躍するスピーカーのセッションに耳を傾けました。
 ここでは、18日おこなわれたセッション『スマホ広告の新潮流』をレポートします!

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株式会社ゴールドスポットメディア 望月貴晃氏
  株式会社サイバードにてモバイル広告事業の立ち上げに参加し、パフォーマンスの改善提案に従事。株式会社CCIでスマートフォン広告事業に携わったのち、2011年株式会社ホワイトボードを設立、取締役に就任。2012年7月より米国法人GoldSpot Mediaの日本展開に参画。2013年8月、日本法人である株式会社ゴールドスポットメディアを設立。

 ゴールドスポットメディアの望月です。もともとサイバードというモバイルコンテンツプロバイダーで、ガラケーの広告事業をやっておりました。その後、CCIという会社でスマートフォンの広告事業立ち上げに携わりました。三年前くらいに起業して、CtoCのコマースサービスを立ち上げました。しかし、ちょっと早すぎたのかいまいちスケールせず、いまのゴールドスポットメディアというサンフランシスコのサニーデールに本社を持つ外資系アドテックベンチャーに入社しました。
 ゴールドスポットメディアは、スマホ・タブレット・PC向けに、動画やアニメーションを組み合わせたリッチ広告というフォーマットを専門に扱うクリエイティブエージェンシーのようなビジネスを行っています。具体的には、バナー広告を動かしたり、エキスパンドしてアニメーションする技術を使って、ブランディングやより認知を高める広告を取り扱っています。

株式会社セプテー二・ホールディングス代表取締役社長 佐藤光紀氏
 1975年東京都出身。立教大学法学部卒業後、1997年4月サブ・アンド・リミナル(現セプテーニホールディングス)入社。1999年新規事業責任者としてインターネット広告事業を立ち上げ、同社を国内トップクラスのインターネット会社に育てる。2006年10月持株会社体制移行に伴い、事業会社であるセプテーニの代表取締役に就任。2009年12月セプテーニホールディングス代表取締役に就任。

 株式会社セプテーニはインターネットの広告を手がけています。日本を含めた6カ国18拠点で事業を展開しており、1000人弱の社員がいます。「モバイル・ソーシャル・グローバル」にフォーカスし、全力投球しています。現状の売り上げは500億円くらいで、そのうち7割強が広告です。日本国内のモバイル広告の市場規模は、2013年の段階で9300億円といわれています。2014年の成長率はおそらく10%くらいになると思います。はじめて1兆円を越えるという意味で、節目の年になると同時に、業界の流れも大きく変化するのではないかと見ています。
 だいたい1兆から1兆1000億円の国内マーケットのなかで、おそらくスマートフォンへの転換が20%から25%、つまり2千数百億円という規模になっていると思います。私達の会社はスマートフォンに注力しているということもあって、足下では50%までスマホの比率が高まっています。やはりFacebookとかGoogleとかかなり強力なスマホ広告が出てきています。また、スマートフォンが牽引するかたちで、ソーシャルの広告がかなり伸びてきています。Facebook、Twitter、LINE といったグローバルなサービスが、広告プラットフォーマーしても強力な存在になってきています。
 グローバルということでいえば、スマートフォンの普及によりOSの共通化が進んだ結果、国境をこえたマーケティングやプロモーションが容易になりました。拠点をその国に作っていなくても、スマートフォンのプラットフォームを利用して、世界中でプロモーションやマーケティングができる状態にあるということです。

株式会社ファンコミュニケーションズ代表取締役社長 柳澤安慶氏
 成城大学経済学部卒。広告代理店、インターネットサービスプロバイダーを経て、1999年10月、ファンコミュニケーションズを設立。代表取締役に就任。

 株式会社ファンコミュニケーションズは、インターネット広告の裏方、インフラに近い仕事をしています。A8.net、Moba8.net、nend、adcropsなどのサービスがありますが、僕らのサービスはほぼCPAベース、パフォーマンスベースのアドネットワーク事業です。事業概要としては、まずパソコン向けの広告ともモバイル向けの広告に分かれます。次に、いわゆる純粋な広告、CPMベースの広告と、クリックとCPA、アクションベースの広告に分けますと、我々が取り扱っているのは、ほぼCPAベース、つまり成果型報酬の広告に特化しております。事業規模としては四半期ベースで約80億円の数字を取り扱っています。四半期ベースの売り上げの推移ですが、2年くらい前からスマホの普及でモバイルの部分のスマホ広告が一気に伸びました。直近ですと、スマホ広告の比率が60%を越えているという状態です。
私どもは会社を初めてから15年目になります。我々の強みとしては、我々が抱えているアドネットワーク、メディアのリーチが非常に大きいということです。ページービュー換算しますと、月間で800億から1000億の広告の表示するアドネットワークを運営しています。この規模間は、月間500億のヤフーさんの倍近い数字をアドネットワークで抱えているということです。また、CPAベースで徹底的に管理をしておりますので、広告主様側の効率が良い顧客確保と、メディアさんの収益最大化のための管理と運用にフォーカスができます。ASPのタイプも、パブリッシャーと広告主の皆様の両方にサービスツールを提供しております。このサービスツールの使いやすさにも力を入れています。

Jonathan Zweig氏 Founder,AdColony (Jirbo,Inc)
 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でコンピュータサイエンスの学士号を取得後、UCLAの放射線医学科のメディカルソフトウェアーのデザインと運用を担当。現在、モバイルビデオ広告会社AdColonyのファウンダーとして、フォーブスやウォールストリートジャーナルへの掲載多数。

 私の名前は、ジョナサン・ツェイグです。AdColonyという会社を設立しました。我々は、2008年にiPhoneがリリースされた時にアプリデベロッパーとしてこれまで200個のゲームやアプリをプロデュースしてきました。これらアプリを収益化するため、見つけられるだけのアドネットワークと繋いだことで、高品質の動画広告の必要性に気付きました。2011年にゲームやアプリの開発を止めて以来、我々のフォーカスは動画広告になりました。
 私はNES(ニンテンドーエンターテインメントシステム=ファミコン)やSNES(スーパーファミコン)で育ったため、ユーザー体験に関しては深い感謝の意を持っています。それは我々の広告に関する理念でも同じことで、ユーザーへ強引に広告を出すのではなく、適切なユーザー体験を提供します。ユーザーが案内や天気、ニュースなどを必要としている状態には、動画広告の配信は適切でない場合があります。しかし、ユーザーがゲームを遊んでいる場合は、次のレベルに行きたかったり、コインを稼ぎたかったり、ライフを補充したいと言う理由で、ユーザー体験を損ねることなく動画広告を見てもらうことが可能かもしれません。また、我々はテレビと同様のクオリティを提供するために、テレビでお馴染みの解像度や高音質、さらには動画再生でのタイムラグが生じないよう努力しました。
 我々は、日本に対する尊敬の気持ち、そして日本が代表する品質や体験があるからこそ、我々と繋いでくれる日本におけるアドネットワークやアプリ開発者を探しています。また、AdColonyは先月Opera Softwareに買収されました。彼らは、日本に対する、我々が持つパートナーシップの考えと同じビジョンを抱いていました。

 

大規模な広告予算のスマホ移行
このペースは止められない

───アドコロニーさんは、動画の広告がクイックに表示できるシステムや、ゲームのなかに組み込まれる広告などを提供しています。皆さんは、今後どのくらいのスケールでインターネット広告の市場が拡大するとお考えですか?また、どれくらいスマホへとシフトしていくのでしょうか?

佐藤 はっきりいって、めちゃくちゃ伸びると思います。うちの会社の場合、スマホ広告の割合は去年の同じ四半期で20%台でした。それが、今年は50%強になっています。もちろん規模は大きくなっていますが、広告費のバジェットロケーションがどんどんスマホへ移行しており、このペースは止められないと思います。個人的にはオンライン広告の市場は、2020年の東京オリンピックまで、ずーっとグロースを続けると考えています。そのなかでスマホの割合は、市場全体の50%くらいまで大きくなるだろうと思います。その時の、日本国内におけるオンライン広告全体の市場規模は、悲観的に見ても2020年の段階で1.5兆円くらいにはなるのではないか。楽観的にいくと、2兆円くらいだと思います。間をとって1.7兆円だとすると、そのうちの5割ですから8000億円から9000億円くらいがスマホ広告の市場規模のアップサイドではないかと見ています。

───セプテーニさん自身もスマホへ大きくシフトしているわけですが、それは業界全体を見据えてということですか?

佐藤 うちはもともとモバイルにフォーカスしていました。ある時期はフィーチャーフォンの比率がすごく高くて、20%台くらいはありました。フィーチャーフォンにフォーカスしてやっていたのですが、あるときスマホが出てきて「これ、このままいくとウチの会社がなくなっちゃうな」と感じました。そこで、フィーチャーフォンの市場が縮小するちょっと手前くらいに、一回全部捨てました。あの時、スマホにシフトしてなかったらどうなっていたんだろうな、と思いますね(笑)。
そのくらい、破壊的な変化が市場全体におきていました。広告プロダクトのミックスとかもPCのときとスマホの時で大きく変わったと思います。柳澤さんはもともとA8やmoba8でPCのアフィリエイトをやってらっしゃいましたが、CPAとCPCでは大きく異なるビジネスモデルです。どのようにして現在やっておられるnendが立ち上がったのかということを是非お聞きしたいです。課金モデルが全然違うCPCのアドネットワークにどのようにしてシフトしたのですか?

柳澤 最初にスマホの広告が出てきたときに、アップルさんのiAdをはじめプラットフォーマーさんの皆さんはPC型の広告、CPCでも100円以上の単価を目指して、すごく高額な商品を作ろうという意図で、市場を形成しようとしていました。いざ蓋を開けてみると、本当にユーザーとの接触時間がもの凄く伸びていくなかで、広告単価が高いままでは維持できないという状況が生まれました。その先にいる広告主は、アプリのダウンロードや利用時間などを明確に獲得できるモデルなので、獲得型のCPAのコスト重視の方向へどんどんシフトしたと思うんですよね。そのなかで、我々はCPAベースで、いくらで一人のお客様を獲得できるのかというビジネスをやっていましたので、その先にあるCPCのアプローチに非常に入りやすかったです。当然、我々もCPCを使って同じようなフィーチャーフォン広告もやっていました。私どものアフィリエイトのモデルも、当初はCPCで広告を回そうと考えていました。PCの場合は不正やコンバージョンの悪さなど、技術的にCPCを回せないという業界全体の問題がありました。そういう反省を含めてCPA型のスマホ広告ということで、我々の持っている文化が生きたのかなとは思います。

───アフィリエイトで売っていたのはモノでしたが、スマホの場合はアプリなどのデジタルコンテンツへ切り替わったというのがありそうですね。市場規模についてはどうですか?

柳澤 いま日本の広告市場は全体で6兆円くらいです。GDPの伸びから考えると、6兆円の広告市場がぐいぐい伸びていくのはイメージしにくいです。そのなかで、マス広告からネット広告へのシフトがどの程度起きるかという見方をした場合、佐藤さんがおっしゃったように、1.5から2兆円くらいの移動は起こりうると思います。というのは、スマホの接触時間というのが、他のメディアに対比して、確実に伸び続けるからです。我々が考えないといけないのは「ながら利用」だと思います。テレビを見ながらスマホをさわる、もしくはお風呂にはいりながらスマホをさわるということが起きている。いままでタイムシェアで見てみると、広告やエンターテインメントの世界では、24時間のなかの時間の取り合いでした。それが「ながら利用」によって被ってますので、一人当たりの所有時間が30時間以上になっているという話もあります。そう考えると、スマホ広告の世界はまだまだ伸びしろがあるように感じています。

───昨日のセッション「次世代リーダーになれるか!?」でも話題になりましたが、暇の定義が変化していますね。いままでも、スマホが隙間の時間を埋めるとうことはありましたが、さらに小さな隙間をどう奪うかということも出てきますね。

成果報酬型からブランディングまで
どちらの要求にも応えるスマホ広告

───今後、PCからスマホへのシフトが起きていくと、メディアとしてはパフォーマンス重視の広告しか出てこないような状況になりつつあると思っています。スマートフォン広告のブランディングと広告の比率が現状どうなって、そして今後どうなっていくかをお聞きしたいと思います。

望月 僕らの会社はリッチメディアをやっているわけですが、米国の市場予測などで出ているのは、リッチメディアが10%で、ビデオも10%という感じです。全てのキャンペーンにおいて、20%がリッチだったり、ビデオだという予測は出ています。感覚的には、日本は1%も無いのではないかと思っています。いままでだったらPCから流れてきたPVなどを換算していました。しかし、新しくスマートフォンが出てきて、広告の見せ方や、ユーザーのメディアへの接触の仕方が変わってきたなかで、時間を金に変えるということをまさに実践しているのがアドコロニーさんだと思います。先ほど、隙間時間という話もありました。たとえば、無料のソーシャルゲームなどをやっていて、5分待たないとライフが回復しないようなときがある。その5分を「暇だな」とか思っているユーザーに対して、15秒のビデオ広告を見ればライフが回復してすぐにゲームを継続できるシステムにしたりできる。そういうアイディアができるというのは、スマートフォンがもたらした新しい広告表現かなと思います。以前、ブランディングのアイディアとして、インセンティブがついている広告ってどうですか?と広告主様に提案したんですね。昔からモバゲーやグリーで1クリックすると、アイテムがもらえるというようなシステムがありましたよね。ああいうものはコンバージョンはよくても、継続率は低いから実はあんまり、というような話もありました。スマートフォンの場合、たとえばトヨタなんか面白いと思うんですが、車のゲームのなかにスポンサーとしてトヨタの広告が入るというような。広告主様にとっては、広告を通してユーザーとつながりあえるようなものならウェルカムだということでした。エンターテイメントとして広告主とユーザーと多少なりともエンゲージできるようなブランディングは、パフォーマンスのテクノロジーを使っても十分実現できると思います。

───アメリカではブランディングのパフォーマンスはどのくらいの比率になっていますか。

Zweig AdColonyの側から話しますと、我々の動画プラットフォームでの最初の広告主たちは、予告編を販売する映画会社のブランドでした。2009年、2010年を遡って、我々がまだプロダクトやプラットフォームを開発している時、彼らは少ない予算で1キャンペーンを米3万ドル~9万ドルで試しました。しかし、より多い予算でお願いしたところ、消極的になりました。我々はその後、アプリインストールのパフォーマンスを実験したところ、これが波に乗り、その後数年間の売上の大半を占めました。しかし、ここ18カ月は、売上の40%がブランドからです。アメリカでは最低、米1000億ドルがテレビ広告で使われています。今のトレンドのフォーカスは、これまでの画面からポータブルなモバイル画面へ移行しております。テレビで使われてきた支出が、モバイルデバイスに移行していることを確認しています。

───日本では映画会社がスマホを使ってプロモーションするという文化はあまりイメージがないですね。スマホのブランディングの課題とは何でしょうか?

佐藤 割と単純なのですが、米国と日本ではテレビの広告市場の構造が違うので、ビデオのオンライン広告に占める割合は決まってくると思うんですね。日本の場合、主要民放会社はとても巨大で、ケーブル化による分解はほとんど行われてこなかった。アメリカやイギリスは完全に分解されていて、テレビ局の1つ1つのサイズが小さいです。そうすると、日本と比較した場合、テレビCMをそのまま販売したほうが、大きな商品をシンプルに販売できるわけですから、効率が良い。小さいビデオアドを手数をかけて販売するというのは、日本のテレビ局にとってそもそもあまり合理性がないです。だから結局、YouTubeだけあれば良いというような、ある程度のスケールがないとオンラインメディアアドがメディアとして成り立たない状態にあると思います。日本ではこの先5~6年くらいは、オンラインビデオアドが英語圏ほど拡大するとは考えにくい。日本ではよりパフォーマンス型が大きくなっていくと予想しています。ただ、オンライン広告の市場規模全体がテレビアド全体に肉迫する時期にさしかかった場合、たとえば2020年に2兆円のアップサイドがあれば、おそらく効率の観点からもビデオアドも普及すると思います。

───ブランディングとパフォーマンスの概念も少しずつ変わりはじめているように思います。昔のブランディングは認知だから、知ってもらうためにはテレビCMだというようなやり方ではなくなっています。たとえば、映画のプロモーションでも知ってもらうだけではなくて、アプリを使ってリテンションをしていくというようなふうになってきていると思いますね。アドコロニーさんの場合でも、動画を見た後にFacebookにいいねする、ツイッターでシェアするというかたちであれば、アクションベースになって全てパフォーマンスに変わってしまう。なので、測定の仕方はパフォーマンスでも、やっていることはブランディングに近いとも感じてます。

独自の広告プラットフォームを持つ
巨大なインターネットメディアの台頭

佐藤 柳澤さんに是非聞きたいことがあります。いま、スマホの広告はFacebookしかり、LINEしかり、Twitterしかりですが、単一の大きなメディア上に広告プラットフォームが生まれています。小さいメディアを束ねるのではなく、数億人という巨大なユーザーベースのあるグローバルサービス、あるいはグローバルメディアの上に、広告やマーケティングプラットフォームが乗っかっています。これが現在のスマートフォン広告市場の特徴ですが、過去にグーグルが検索からアドセンスと移行し、グーグルドメイン配下以外に広告を配信していました。あの流れはスマホでも起きるのでしょうか?つまり、巨大なメディアやプラットフォーマーがネットワーク化していくのか、ということです。そのとき、nendのようなアドネットワーク型事業との競合は高くなっていくのか、そうじゃないのか。スマホの広告市場が8000億円になったときに、どのような共存が予想されるのかを質問させていただきたいです。

柳澤 まさにこの数年間の動きはメディアの巨大化、コミュニティの巨大化だったと思います。そのなかで、僕らも巨大メディアにすべて広告プラットフォームを持っていかれてしまうのは、ビジネス的にキツいんじゃないかとリスクを検証したりしています。ですが、その話を考えるときに、私がいつも思うのは、そもそもインターネットというのは誰の為にあるのか、ということです。私が20年前にこの業界に入ったのですが、そのとき一番感じたのは、インターネットというのは個人の力をパワーアップさせるものだし、小さなものが大きいなものと同じ規模で情報を共有することを可能にする性質があるということです。なので、瞬間的にコミュニティができて、メディアが巨大化していっても、必ずそのなかで個人がさらにエンパワーされるような仕組みにまたシフトしていく。常にその繰り返しだと思います。僕らはアドネットワークもそうですけども、数人でやっている小さなパブリッシャー様から巨大な企業様まで付き合いはありますが、インターネットを通じて情報を発信したいという人に対して、広告のプラットフォームを提供していくという。バイラルメディアをはじめ、使い方によっては大きなメディアも必要でしょう。そのなかで、共存共栄といいますか、僕らは個人の力を応援したいという気持ちでスマートフォン広告に尽力していきたいと思っています。

ユーザーとの接触時間が長く、既存メディアと比べると技術的に可能なことが多いスマートフォン広告。端末スペックや回線の向上がリッチな広告の配信を可能にし、クリエイティブの品質という側面でもテレビCMに迫っています。また、インターネットが普及する前の広告収入といえば、テレビ局や出版社などのマスメディアが受け取るものでしたが、インターネットが個人でも広告収入を得る可能性を大幅に広げました。さらに、最適な広告を最適なかたちで配信する技術は日々進歩しており、今後も大きな伸びが期待できる業界です。

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