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海外から国内への電子商品取引に消費税賦課へ

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by [2014年6月27日]

2014年6月27日政府の税制調査会は、「海外の事業者から日本の消費者に対してインターネットを通して配信販売される電子書籍、音楽、映画などの電子コンテンツに消費税を賦課する」新たな消費税法の制度改正案を大筋で合意した。

現在の消費税法では、税関を通して輸入されたモノには課税されていたが、電子商品などは消費税法26条等の規定消費税の課税基準が「配信企業の所在地を対象に課税」であったため電子商品には課税されていなかった。

しかし、新たな税制改正案では、この課税基準を「配信企業の所在地」から「配信を受ける対象がいる地域」に変更し海外電子商品に対する消費税徴収を行う。そして、日本に映像コンテンツを配信する海外企業は税務省への申告、承認が必要になる仕組みとなる。

これによって、今まで消費税が課されていなかった海外からの電子商品の取引から消費税を徴収できる仕組みとなる予定だ。

この一連の制度改正には、日本に本社を置く会社から、アマゾンなどの海外企業とで消費税分の価格差が生じていることに対し、競争力に差が出る事から租税公平主義に反するとして改正の声が多く挙がっていた。

また2013年度の電子書籍市場だけで936億円に昇り、2018年にはおよそ2800億円を超える予測がされている電子商品関連市場で公平な消費税徴収の仕組みを整備しておきたい思惑もあるようだ。

EUなどで検討された課題と問題点

例えばアマゾンでは、日本の支店はあくまで”配送センター”の位置づけで、電子商品はアメリカ本国と取引という形で非課税であった

この無形物である電子商品の取引への課税の検討・実施は世界でも多くの国で問題となっている。

今回のニュースで多く名前が挙がったアマゾンが本社を置くアメリカ合衆国では、州単位で租税徴収の仕組みが変わるため、国として今回の日本のように電子商品に対する具体的な消費税の課税基準が定まっているわけではない。

しかし、EUでは早くからこの電子商品取引に対する消費税の扱いを検討・実施していた。

そのEUで考えられたのは、消費地に関しては、BtoB取引(企業間取引)、BtoC取引(企業対人)については、サービスを受けとった事業者、人の所在地単位とし、徴収についても、BtoB取引については事業者事前申告方式とした。

このEUで考えられた方法を前提に、今回の日本の電子商品取引に関する消費税法制度改正は行われたと考えられている。

しかし、この方法では、

  • インターネットでは、本人の消費地の確定か難しい。
  • インターネット上の情報では、違反の際に当局の情報把握が難しい。
  • 大手企業の監視、実行ならまだしも、無数に存在し増え続けるその他事業者をどうやって登録管理するのか?
  • かえって電子商品取引市場を停滞させる事になるのではないか?
  • といった多くの問題点が考えられる。

    よって、今回の制度改正案は「大筋のみで具体的な制度設計はこれから詰めていく」という事なので、電子商品市場の発達のためにも長期的に見て合理性、公平性のある制度設計がなされる事が期待される。

    ▼参考リンク
    税制調査会(内閣府)
    海外からのコンテンツ配信、来年度にも消費税課税へ 非課税アマゾンなど標的
    消費税法
    2013年度の電子書籍市場は936億円、 電子雑誌も加えた電子出版市場は1,000億円超え 2018年度の電子書籍市場は3倍の2,800億円規模へ成長と予測~
    麗澤大学大学院平成16年度修士論文 国際的な電子商取引と消費課税のー考察

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