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バナーはもう古い?新しいアプリ広告の形を海外に学べ!【後編】

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by [2014年6月17日]

本記事はバナー広告はもう古い?新しいアプリ広告の形を海外に学べ!【前編】の続編だ。
前回に引き続き、Apps Japan内で行われた坂本達夫氏の講演、『海外事例に見るスマホアプリ広告マネタイズの未来』のダイジェストをお送りする。

前編は海外で主流となっているアプリ広告フォーマットについての話であったが、後編ではターゲティングやトラッキングなどの最新のアプリ広告技術について坂本氏が語ってくれた。アプリ広告業界は今後もっともっと面白くなるのだ。

ターゲティングの対象がアプリからユーザーへ変化

従来のアプリ広告では、広告主はアドネットワークごとに広告を入稿し、ネットワークに加入しているアプリごとにしかターゲティングできませんでした。
つまり、そのアプリ内の広告の平均パフォーマンス、ROI (投資対効果) を見て、そのアプリに対して広告を配信するかしないか決めていたんです。

それが今では、アプリに対してだけでなく、その先にいるユーザーに対してもターゲティングできるようになってきました。

今まではアプリごとのターゲティングしかできなかった

アプリごとではなく、その先にいる人を基準に広告を判断するのが今のトレンド

例えば、上の画像において広告主が男性向けアパレルブランドであり、アプリAが男性向けのそこそこ人気のアプリ、アプリBが大人気だが女性ユーザーにより人気のアプリだった場合、平均パフォーマンスではアプリAの方がBよりも高くなります。
しかし、平均パフォーマンスから判断してアプリBに広告を配信しないというのでは、潜在顧客であるアプリBの男性ユーザー獲得のチャンスを失ってしまいます。

端末IDを利用することはプライバシーの問題から難しかった※のですが、最近になって端末IDなどの個人情報を使わずに同一ユーザーであることを推測する技術が出てきたことで、ユーザーに対するターゲティングが可能になってきました。
つまり、アプリからユーザーへターゲティングの対象が変わってきたのです。

※編集部注
例えばAppleでは、2011年に端末IDをアプリで利用することが規制された。

リターゲティングとディープリンク

これはWebの中では昔からあったことなのですが、たとえばECサイトで靴のページをいくつか開いたけれども結局買わなかった人に対して、靴の広告を表示する(= リターゲティング)ということもアプリでできるようになりました。
Webでは3rd Party Cookieという仕組みを用いて以前からこうした工夫はなされていましたが、先に述べたように端末IDのプライバシーの問題から、最近までアプリでのリターゲティングはできませんでした。

どの広告を見せるかを工夫するリターゲティングの他に、広告の見せ方を工夫するディープリンクという技術も出てきました。
以前までは、あるアプリへの広告、つまりリンクから開けるのはアプリをダウンロードするページか、またはそのアプリのトップページのみでした。
しかし、このディープリンクという技術が出てきたことで、アプリ内の特定のページにリンクを張ることができるようになりました。
例えば、アマゾンの広告を出す時に、先ほどのリターゲティングで靴の広告を表示して、ユーザーがそれをクリックするとアマゾンのアプリでその靴のページが開く、というようなことが可能になりました。

フランスのアドテク企業『Criteo(クリテオ)』の広告はこの技術をフル活用している。

シチュエーションにあわせて広告を出す

今までの技術の話題は広告主側の工夫だったのですが、セグメンテーションという広告を載せる媒体 (アプリ) 側の工夫もあります。
これは、一番分かりやすい例ではゲームアプリを遊んでいて、ゲームオーバーになったら「このPVを見たらもう一個ハートが増えるよ」、ゲームをクリアしたら「このPVを見ればクリア報酬がもらえるよ」、というように広告の見せ方を変える、というものです。
これはアプリ内で常に同じ広告を出すのではなく、使用状況によって見せ方を変えて広告の価値を高めようというアプローチです。

ゲームオーバー時とゲームクリア時で広告の見せ方を変えている

また、人によって表示する広告を変える、というセグメンテーションもあります。
例えば、課金歴のあるユーザーがゲームオーバーになった場合は課金アイテムへの誘導広告を表示し、今までに課金したことがないユーザーには通常の広告 (例えば他のアプリへの誘導広告など) を表示する、というものです。

ユーザーの課金率によって表示する広告を判断する

このように、広告のUXを損なわせないために、ユーザーや状況にあわせて効果的な広告が表示されるような工夫をアプリ側はしています。

現実の行動からも広告効果を評価

このように、広告主側やアプリ側でターゲティングがきちんとできるようになると、それに応じて効果測定も重要になってきます。
広告の結果、アプリ内でユーザーがどのように行動したのかはもちろんのこと、最近ではアプリ外のユーザーの行動までトラッキングするようになってきています。
具体的に言うと、ある店舗の広告を見たユーザーが、実際にどれだけその店舗に入店したのか、そしてどのくらい商品を買ってくれたのか、ということをトラッキングするサービスが徐々に出始めています。

広告の効果をアプリ外での行動からも評価するように。

アプリ広告は今後幅広くなるはず

現在は、アプリ内の広告のほとんどが他のアプリへの誘導だと思いますが、これが今後は変わっていくと思います。
今までは、ユーザーターゲティングもうまくできなかったし、アプリ外でのトラッキングによる効果測定も無かったため、アプリ内にはアプリに興味がある人向けの広告、つまり他のアプリへの誘導しかなかなか出てきませんでした。

しかし、ターゲティングができるようになって広告の効果も目に見えるようになると、Web広告のように様々な広告主がアプリにも広告を出すようになります。

今後はアプリ内広告のバリエーションが増えていくだろうと予想できる

こうしてアプリ広告のバリエーションが広がっていき、様々な広告が出てくるようになると、ソーシャルゲームのようにユーザー数を確保できるアプリ以外でも収益をあげやすくなる可能性が出てきます。

例えば、ユーザー数はそこまで多くないけども年収の高いビジネスマンが良く使っているようなアプリは、高級レストランなどの広告で収益をあげることもできます。
このように、ユーザー数はそこまで多くなくとも質の高いユーザーを抱えているアプリが、広告的に見て価値が高くなる可能性が出てくるのは非常に大きいことだと思います。
開発者の視点から見ると、このような広告業界の変化に対応できる開発者の価値が上がっていくと考えられます。

この変化に対応して収益をあげていくためには、リッチアドの導入と同様に次の3つのポイントが重要になってきます。(前編を参照

アプリ広告の変化に対応できるスキルが開発者には必要だ

Javascriptでできることにはやはり限界があるし、ターゲティングなど最新の機能を使うには最新のSDKが必要不可欠だし、全画面フォーマットの広告を適切に効果的に表示することは今後必ず重要になってきます。

これらの話題にしっかりキャッチアップして、アプリを正しく収益化し、広告主と開発者とユーザーの全員がより幸せになっていけばいいな、と思っています。

講演者紹介

坂本達夫氏
Google社で広告によるアプリのマネタイズ化のコンサルティングを中心に活動。
今回は日本Androidの会アド部の中の人として講演した。

日本Androidの会
APPS JAPAN 2014(アプリジャパン)

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