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バナーはもう古い?新しいアプリ広告の形を海外に学べ!【前編】

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by [2014年6月13日]

日本市場はガラパゴス市場だと様々な分野で言われているが、それはアプリ広告の分野においても同様なのか…? 今回は、日本Androidの会アド部の坂本達夫氏の講演『海外事例に見るスマホアプリ広告マネタイズの未来』のダイジェストをお送りする。

講演をしてくださった坂本達夫氏。

基本的なことではあるが、ユーザー・開発者・広告主の3つの主体が幸せになる広告のあり方を考えるのが大事であり、そのためにも国内だけでなく海外の事例を知ることが必要だと坂本氏は語った。海外市場も視野に入れようと考えているデベロッパーには必見だ。

なお、この講演は6月11日から3日間開催されたアプリの展示会Apps Japan内で行われたセッションである。

アプリを正しく収益化すれば全員がより幸せに

いきなりですが、アプリを正しく収益化することはアプリに関わる全ての人を幸せにします。
アプリの開発者に収益が入ることで、その開発者がより良いアプリを開発し、そのアプリでユーザーが楽しくなったり便利になったりする。そのためにアプリの収益化モデルを学ぶことは重要です。

アプリのマネタイズ化には様々なモデルがありますが、今回はその中でもAdvertising、いわゆる広告で収益をあげるモデルについてお話します。

※編集部注
その他の収益化モデルとしては、乗換案内アプリのように追加機能を使うために課金させる手法(Freemium)、アプリ内で課金アイテムを販売する手法(In-app purchase)、更には月額などで課金させる手法(Subscription)やいわゆる有料アプリを販売する手法(Paid downloads)がある。
これらの中から複数のモデルを組み合わせて収益化に成功したアプリが多いと坂本氏は分析している。

一番右側のAdvertisingが今回のテーマだ。

なぜ海外の事例から学ぶのか

日本にもアプリ広告を手がけている会社はあるのに、海外の事例から学ばなければならない理由はちゃんとあります。

規模の大きいグローバル企業は世界中のユーザーやデベロッパーを相手にしており、新しい技術やプロダクトへ積極的に投資する傾向があります。
そうしたグローバル企業は欧米に多いため、欧米の事例を知ることが最新の業界動向を知ることにつながります。
また、海外市場への進出を考える日本企業も近年増えてきているものの、日本市場はガラパゴスと言われるように特殊な市場であるため、海外市場について知ることは重要です。

アプリ広告へのアプローチの比較

日本のアプリ広告では、バナー、インタースティシャル、アイコン、オファーウォールといった4つの形態が主流です。
バナーは一番基本的な広告で、アプリ画面の上部や下部に表示される横に細長い広告です。インタースティシャル(全画面広告)は全画面に表示される広告、アイコンはバナーや全画面広告内に並んでいたりもする正方形のアプリ広告で、オファーウォールはアプリ内に「おすすめのアプリ」というような項目を作っておいて他のアプリに誘導する広告です。

左の画像から順にバナー、インタースティシャルとアイコンの組み合わせ、オファーウォールの例となっている。

日本ではバナー広告から始まって、バナーの狭いスペースをどう活用するかというアプローチからアイコンなどが生まれました。
その一方で、日本と同じようにバナーから広告が派生してきた海外では、一言で言ってより大きなスペースを使って広告しようというアプローチをとりました。
これから説明しますが、海外では全画面広告を更に進化させたリッチアド・動画広告といったものやネイティブアドといったものが主流です。

海外の広告の事例

テキストではなく、サンプルや動画で広告するリッチアド・動画広告

リッチアドとは、例えば全画面広告内でサンプルゲームを遊んでもらって、その後のスコア画面でアプリに誘導するような広告のことを言います。また、動画広告とは、ゲームのPVと一緒にアプリに誘導する画面を配信する広告です。
テキストや画像だけでは伝えきれない情報や魅力をアピールしようというアプローチから、こうした広告が海外では主流になっています。

左側がリッチアド、右が動画広告だ

より自然な見た目で広告するネイティブアド

ネイティブアドとは、あたかもアプリのコンテンツの一部であるかのような広告のことです。例えばFacebookのタイムラインに流れてくる広告がネイティブアドにあたります。
これは、バナーのようにあからさまな広告ではなくて、アプリの提供するコンテンツの一部として広告を流すことでユーザーの広告への抵抗を減らそうというアプローチから生まれたもので、日本でも少しずつ流行り始めています。

ネイティブアドの例。InMobiはかなりネイティブアドに力を入れている。

広告の本質に目を向けてみる

広告に関わるのはユーザー、開発者、広告主の3つの主体であり、当然ですがそれぞれが一番幸せになれる広告を考えることが重要です。
言い換えれば、ユーザーの目線からは「この広告邪魔だな、うっとうしいな」というストレスをなるべく感じさせないこと、開発者目線からは広告を載せることでしっかり収益が得られること、そして広告主目線からは広告にかけた金額分のプロモーション効果をきちんと得られること、の3つをそれぞれしっかり満たす必要があります。

広告の本質から考えるリッチアドの利点

この視点からリッチアドを見直してみると、広告にエンターテイメント性を持たせたことでユーザーは広告への抵抗を感じにくくなりました。
これはユーザーが広告に関心を持ちやすくなったということでもあり、当然ダウンロード数が伸びます。また、バナー広告で誘導されたユーザーよりもリッチアドや動画広告から誘導されたユーザーの方がより長くアプリを使用する、より多く課金する、という研究結果もあります。
つまり、広告主視点から見ると従来のバナー広告よりもリッチアドの方がROI(投資対効果)が大きいということです。そうなると、広告主はユーザーを一人獲得するのによりお金をかけるようになり、回りまわって開発者の収益性が上がります。

結局は、ユーザーにとって一番良い広告とはなんなのかを考えることが、回りまわって広告主と開発者の収益に関わってくるので、広告のUX(ユーザー体験)を研究することが必要だと思います。

リッチアドの導入に重要な3つのポイント

リッチアドを導入する時に、重要なポイントは3つあります。

リッチアド導入で重要な3つのポイント

1.Javascriptへの依存をやめること。

日本の場合、元々Web系エンジニアであったアプリ開発者が多く、アプリのコンテンツをJavascriptなどのWeb言語で開発する人も多いですが、やはりネイティブ言語で開発をすべきです。
たしかにJavascriptで開発したほうが工数は少なくなるかもしれませんが、ネイティブならではのリッチな表現を使えないことによる機会損失が大きいので、ネイティブでアプリを開発してよりリッチな広告を追究するべきだと思います。

2.最新のSDKにキャッチアップすること。

ネイティブアプリの開発環境には、通常SDK(Software Development Kit)を導入すると思いますが、これは極力最新のものを使うようにしましょう。
当たり前のことなのですが、最新のリッチな機能は最新のSDKでないと使えません。リリース後、アプリの運営(アップデートやサポート)をしていく際にも、最新のSDKへのアップデートを怠らないことが大事です。

3.全画面フォーマットの導入

日本ではUX(ユーザー体験)を重視して全画面フォーマットを敬遠しがちな現状がありますが、全画面で広告を出すことは今後避けらない流れになっていくと思います。
たしかに全画面フォーマットを下手に導入した結果、レビューが荒れて評判の悪くなってしまったアプリがあるのは事実ですが、工夫をすればUXを損なわずに全画面フォーマットを導入することは可能です。

例えばニュースアプリで統計をとって、「3記事を読んでアプリを閉じる人が多い。」というデータが得られたならば、3記事目を読み終わったところで全画面で広告を入れるようにすれば、ユーザーは比較的ストレスを感じないですよね。
広告主からしてみればより大きな枠でより多くの情報をユーザーに伝えたいし、そういう広告によりお金をかけたい、というのが当然の欲求です。ぜひ工夫して全画面フォーマットを導入して欲しいと思います。

後編へ続く

講演者紹介

坂本達夫氏
Google社で広告によるアプリのマネタイズ化のコンサルティングを中心に活動。
今回は日本Androidの会アド部の中の人として講演した。

日本Androidの会
APPS JAPAN 2014(アプリジャパン)

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