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日本も参考にしたい、公衆電話を有効活用するニューヨークの取り組み

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by [2014年5月08日]

 気づいている人はあまり多くはないだろう。公衆電話の料金が、消費増税の影響で実質値上げされた。いままで10円で60秒だった通話時間が、57.5秒に短縮された。2.5秒短くなっただけだが、公衆電話料金の見直しは約20年ぶりだ。だが、利用者の減少により、今回の実質値上げで増税分を予定通り転嫁できるかは不透明なままだ。

設置台数は3分の1以下に。(『公衆電話の設置数推移をグラフ化してみる-ガベージニュース』)

 携帯電話の普及で、公衆電話の利用者数は減り続けている。とくに最近の若者にはなじみがないようで、ヤフー知恵袋には『公衆電話の使い方を教えてください』という質問まであった。

 当然、設置台数も減らさざるを得ない。公衆電話は2000年には全国に735,812台設置されていたが、2013年には3分の1以下の210,448台まで減少している。(『公衆電話の設置数推移をグラフ化してみる-ガベージニュース』による)

災害インフラとして重要も 「黒字化は無理」

 ニュースサイト・Business Media 誠に掲載された『風前のともしび:公衆電話の黒字化は無理……NTT幹部、やめたいけれど』では、公衆電話のほとんどを管理するNTT側の厳しい懐事情が明かされている。記事では、利用者低減で公衆電話収入が減少し、保守点検の費用もかさむため、「黒字化は無理」だとするNTT幹部の声を紹介している。

 だが、公衆電話は発信規制がないため、災害時には携帯電話よりもつながりやすい。災害インフラとして不可欠だ。また、高齢者の利用も多い。総務省は、公衆電話の極端な削減に難色を示しているという。だが、NTTは今後も公衆電話の削減を継続する方針だ。記事は、設置の維持を義務づけられている「第1種」の公衆電話(10万9,000台)以外は「風前のともしび」だと指摘している。

ニューヨークでは無料Wi-Fi提供

 公衆電話の苦境は日本に限ったことではない。街頭から公衆電話が姿を消しつつあるのは世界共通のようだ。しかしそのような中で、ニューヨーク市が先週、先進的な取り組みを発表した。市内に約1万台ある公衆電話を、Wi-Fiスポットにし、緊急通報(911)と行政総合窓口(311)への無料通話も提供するという計画だ。ワイヤレスワイヤーニュースによると、この計画は、公衆電話サービスを提供している企業とニューヨーク市との契約が、今年10月15日に期限を迎えるのをふまえたものだという。契約を更新する企業が少ないと予想されたことから考えだされたのだろう。

 公衆電話はビジネス的には採算がとれないが、災害時や高齢者の生活インフラとして欠かせないもの。企業の論理に任せず、行政と企業が連携し、一定数を維持していくことが重要だ。また、日本は訪日旅行者から公衆Wi-Fiの未整備が指摘されている。東京五輪に向け環境の改善が必要だ。スペースやネットワーク、既存回線を有効利用するという意味でも、東京都はニューヨーク市のように公衆電話ボックスのWi-Fi設置を検討しても良いのではないか。

▽参考リンク
公衆電話総数は約21万台…公衆電話の設置数推移をグラフ化してみる(2013年3月末)(最新) – ガベージニュース
風前のともしび:公衆電話の黒字化は無理……NTT幹部、やめたいけれど (1/3) – Business Media 誠
ニューヨーク市、約1万台の公衆電話で無料Wi-Fiサービス提供へ – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

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