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ユーザーとのコミュニケーションが楽しめるか?『note』-連載:2014年ECの旅

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by [2014年4月30日]

 SNSのスタイルで、個人がノートやイメージ、サウンドなどを投稿したり、有料で販売したりできるプラットフォーム『note』は、2014年4月7日に株式会社ピースオブケイクによってローンチされた新しいサービス。ローンチ1日でユーザー数が1万人を超え、今もなおユーザー数が増え続けている。
 Tumblrのように、ミックスメディアを1つのプラットフォームで管理できる機能に加え、コンテンツを販売できる機能を備えており、無名クリエイターに、いろいろな人の目に触れてもらえる機会を提供してくれる。一方、ユーザーからすると、混沌とするたくさんのコンテンツから新しい発見をしたり、普段応援しているクリエイターと日常のコミュニケーションをできる場として活用できるだろう。
 ここでは、作品を発表している人をクリエイター、作品を購入して楽しむ人をユーザーと表現する。

 この連載では、インターネットの発達やスマートフォンの普及とともに、続々と登場しているECサービスを、実際に販売する人の気持ちになってレビューしていく。これらによって、個人が販売を行なうハードルが下がっていることや、これまで売ろうとは思わなかったモノやコンテンツが日の目を見る可能性があることを感じて頂ければ幸いだ。ちなみにECは、Electronic Commerceの略。インターネット等を通じて行なう電子的な商取引のことで、eコマースと呼ばれることも多い。

  1. デジタルコンテンツ編:Gumroad
  2. デジタルコンテンツ編:note
  3. デジタルコンテンツ編:カラーミーショップ
  4. デジタルコンテンツ編:BASE
  5. リアル編:メルカリ
  6. リアル編:A2Mato
  7. リアル編:ロカリ

クリエイターとユーザーを直接つなぐ

 noteの特徴は、複数のメディアコンテンツを一つのプラットフォームで平行して管理できること、SNSのようにユーザー同士でコミュニケーションができること、コンテンツを有料販売できることの3つ。

複数のメディアコンテンツ管理
 コンテンツは、5つのノートとして投稿する形式になっている。それぞれトークノート、イメージノート、テキストノート、サウンドノート、ムービーノートと呼ばれている。トークノートとテキストノートの違いは、トークはTwitterのような140文字のテキストが投稿できるのに対して、テキストは見出しを付けたブログ形式のテキストや写真の投稿を行える点。タグ付けや整理する機能が無いので、今後のアップデートでぜひ対応してほしいところ。

SNS形式でコミュニケーション
 投稿されたノートには、コメントをつけたり「スキ!」(Facebookのいいね!に相当)をつけることができる。また、画面左上にあるボタンをクリックすると、ランダムでnoteに登録している人のページが表示される。気になる人を見つけたらフォローボタンをクリックして、自分のフォローリストに追加しよう。

コンテンツ有料販売
 noteでは、イメージノートやテキストノートに投稿したノートを有料で販売することが可能。価格は、100円~10,000円の間で設定でき、売上は自分の銀行口座に振り込まれる。手数料は、決済手数料が5%と、プラットフォーム利用手数料として売上から決済手数料を引いた金額の10%となっている。また、売上金の振込には振込手数料が260円も必要だ。
 振込金額には下限が設定されており、1,000円以上の振込対象金額がある場合に、口座を25日までに登録しておけば、翌月末に振り込まれる。

 SNS機能がある点で、クリエイターとユーザーが直接コミュニケーションできるのは当たり前。さらに、コミュニケーションしながら、クリエイターがnoteでオリジナルコンテンツを販売して、そのコンテンツの感想を求められるのはnoteならでは。これらが同じプラットフォームで行なえるというのがポイントだ。noteを使っているユーザーの声を直接反映した作品が販売できれば、少なくともnote内での評価は高くなる。作品が自ずと拡散されていくことにつながるだろう。

登録~販売までの流れ

 利用するには、ユーザー登録が必要。FacebookまたはTwitterのアカウントで連携認証できる。また、同じくピースオブケイクが運営するサービス『cakes』のアカウントでもOK。

 登録が完了し、ログインすると表示されるTOPページ。5つのノートを投稿するボタンが表示されている。なお、ノートの投稿は、Internet Explorer 11だと非対応だった。

 左上のボタンをクリックして、いろいろなユーザーページを訪問してみよう。

 テキストノートを実際に作成しよう。真っ白な画面でライティングに集中できそうだ。見出し部分と本文部分をそれぞれ入力し、写真は画面に表示される「+」をクリックして挿入する。挿入した写真は大きさの変更もできる。

 公開をクリックすると、有料にするか無料にするかを問われる。有料を選択した場合は、どの範囲を無料で見せるかの指定ができる。

 ノートの価格を入力する。価格は最大10,000円まで。設定が終わるとノートが公開される。

 ユーザーがノートを開くと、無料で見せる範囲でノートが表示され、その下に、決済用のリンクが表示される。

 対応する決済は、今のところクレジットカードのみ。

 気にいったノートがあれば、「スキ」をクリックして、好意を示すことができる。

 投稿の仕方は、tumblrと似ている。こちらも投稿したいコンテンツの種類をクリックして、テキストを入力したり、画像を入力する形式だ。

ユーザーとのコミュニケーションを楽しめる人にオススメ

 SNS機能とコンテンツ販売機能が同時に使えるという特徴から、以下のような使い方が想定される。

  1. 他メディアですでに活躍している人ならば、自分のブログ記事や、媒体で書いた記事や撮影した写真などをまとめるなどして、ユーザーに紹介したり、noteでオリジナル記事を有料公開する。キュレーション記事も向いていそうだ。
  2. まだ名前が売れていないクリエイターなら、noteで他のユーザーとコミュニケーションしながら自分の作品を公開する。自信のある作品をnoteで販売し、ユーザーの反応を見る。
  3. この他、メディアで取り上げられないニッチな情報もおもしろい。例えば、地方在住の自分だけが知っている観光スポットを公開したり、ツアーマップを作成して公開する、といったもの。

 いずれも、「ユーザー同士」のつながりではなく、作品を購入する「消費者」とつながることが目的となる。noteには、検索ではヒットしない=ここでしか手に入らない情報を消費者に届けるという役割もあるのかもしれない。

違法コンテンツの取り締まりは?

 自分の作成したコンテンツを販売するので、特定商取引法による個人情報の表記が気になるが、noteでは、利用規約できちんと言及している。したがって「販売業者」に該当するのであれば、クリエイターは個人情報を開示できるように準備しておけば良いだろう。
 一方で、販売されるノートについては、明示的に審査する旨の表記がされていなかった。当然、著作権を侵害するものや、性的表現があるものなどの公開を禁止する規定はあるのだが、ノートの即時公開が可能なので、もし違反があった場合に、noteはどういった対応をするのか気になるところだ。
 あとは、銀行振込先に、登録の名前と口座名義人名が異なっても登録できてしまうのと、個人情報を登録したときの本人確認の仕組みがない点も引っかかる。著作権者になりすました販売はもちろん、自作自演による出品、購入もできてしまう。

 特定商取引法についてもきちんと言及している点は評価できる。

 銀行振込先を登録するときに、本人確認書類や、銀行口座名義の照合は行なわれず。ちなみに、口座番号や名義を間違えて登録した場合の組戻し手数料の扱いについては、利用規定に記載は無かった。

cakesとの連携も?

 個人が手軽に自分のコンテンツを販売できるnoteは、クリエイターの新たな可能性を見出してくれる。ローンチして1か月なので、オプションサービスや機能追加もまだまだこれから。noteで有料販売されているコンテンツを一覧したり、(タグ付け機能が実装されれば)ジャンルごとに整理して検索する機能は便利だろう。

クリエイターと読者をつなぐサイト『cakes』(ケイクス)。数千本以上の記事、コラムが週150円で読み放題になる電子メディア媒体。無料で読めるコンテンツも多数。

 また、noteと同じくピースオブケイクが運営するcakesはコンセプトが近いこともあり、ゆくゆくは連携していく可能性も考えられる。もし、noteに投稿したコンテンツがcakesに掲載されるようになった場合、コンテンツをより多くの人に見てもらえるチャンスになる。その際は、cakesがコンテンツをビジネス的にどう利用をするのかさえ明確にしていれば、クリエイターも安心して使い続けることができるだろう。

note
cakes

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