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連載:ITエロ進化論「3Dグラフィックへの道(5)~意外と少ない3Dアダルトゲーム~」

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by [2014年5月07日]

▼連載目次▼
はじめにレイトレーシングありき
難航した映像コンテンツへのレイトレーシングの応用
ポリゴン技術の登場
立ちはだかった「不気味の谷」
意外と少ない3Dアダルトゲーム
▲目次▲

意外と少ない3Dアダルトゲーム

「不気味の谷」問題の回避策として「萌え」の方向性へのキャラクターデフォルメという手法が確立されたことで、遅くとも2000年代後半には3DCGをアダルトコンテンツへ適用することは技術的には可能になりました。

イリュージョン公式サイトトップページ
サイト本体は18歳未満閲覧禁止のため注意のこと。3DCGをアダルトゲームに導入した先駆者にして孤高のメーカーである。

しかし、実際にはそうしたゲームを制作し販売するメーカーあるいはブランドは、「不気味の谷」問題が表面化する以前から3DCGアダルトゲームに取り組んでいた「イリュージョン」(およびそのサブブランド)に事実上限られてきました。

これは、一般的なアダルトゲームを3DCG化する場合、単に登場人物を3Dでモデリングするだけで済まず(それだけでも各キャラクターの衣装を含め、膨大なモデリングデータが必要ですが)、主人公の自宅(自室)をはじめ建物とその室内など舞台設定だけでも膨大なモデリングを行う必要があったことが一因です。

もちろん、一旦モデリングデータを作成してしまえば、壁の色やテクスチャパターンを変更するなどしていくらでも使い回しが効くのですが、その作業はどうしても膨大なマンパワーを必要とします。

実際、3D対戦格闘ゲームでは背景となる建物をきちんとモデリングしたゲームが少数派で、それらから派生したビーチバレーゲームなどでも背景のオブジェクトデータ量の少ない舞台が選ばれており、2Dゲームであればただの書き割りで済む背景をオブジェクト化する作業に予想以上の負担がかかることを示しています。

また、手書きの2Dグラフィックであれば、下世話な言い方をすればよほどアクロバティックな体位でも「絵として」ごまかせるのですが、構造体を表示する3DCGの場合、そうしたごまかしは効かず、その「体位」を(骨格や筋肉の動きを含めて)正しくモデリングしないと矛盾や破綻がどこかに現れることになります。

つまり、3DCGでまともなアダルトゲームを成立させるためには、高度な人体モデリングのノウハウが必要で、よほど資金力に余裕があるメーカーを別にすれば、先に挙げた建物のモデリングと併せて、相応に長期間技術蓄積を行ってきたメーカー以外には手出しが困難、ということになるのです。

そのため、3DCGに手を出すアダルトゲームメーカーは今後も恐らくごく少数に限られることになるでしょう。

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