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連載:IT因縁話「コンセントの電圧と周波数(4)~電圧や周波数を変えると何に影響する?~」

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by [2014年4月25日]

▼連載目次▼
東西で分かたれた日本の商用電源周波数
世界的には極端に低い日本の商用電源電圧
交流の変圧と整流による直流変換
電圧や周波数を変えると何に影響する?
日本の商用電源は今のまま続くのか?
▲連載目次▲

電圧や周波数を変えると何に影響する?

それでは、商用電源の電圧や周波数を変更した場合に影響を受けるのはどんな機器でしょうか。

影響が大きいのは、基本的に内部で交流を交流のまま利用している機器となります。

先に記したように変圧トランス+整流素子を用いて交流を一旦直流に変換してから利用している機器の場合、基本的に元の電圧・周波数に依存しない(※スイッチ切り替えで電圧を切り替えている機種もありますが)ために絶縁の耐性さえ十分ならば、電圧が上がり周波数が変わったとしても特に問題なく利用可能(海外旅行で使用する状態が恒常化するような感じ)です。

交流→直流変換した電力を更に再度交流に変換して使用する利用形態は、何やら変換ロスが多そうなのですが、入力電圧・周波数と切り離して必要な電圧・周波数を安定的に生成できるメリットの方が格段に大きく、また結果的に回路構成もそちらの方がシンプルになったりするのです。

松下電器産業NE-S12の銘板部
右中央に「50MHz専用」の表記がある。電子レンジではマイクロウェーブ照射に用いるマグネトロンの発信周波数生成回路の都合で50Hzあるいは60Hz専用の機種が少なくなく、こうして銘板部には必ず対応周波数が明記されている。

それに対して、機器内部で交流を交流のまま使用している機器、中でも交流誘導電動機を搭載する機器の場合、電圧変換トランスを搭載して電動機に入力される電圧を一定に保たなければモーターの回転トルクが意図したとおりにならず(※交流誘導電動機の回転トルクは電圧の二乗に比例します)、また本来の想定と異なる周波数で利用すると、回転数が向上あるいは低下(※交流誘導電動機の回転数は電源の周波数に比例するため)しますし、電子レンジなどでは故障や高周期での照射などの誤動作が起きることになります。

問題は、こうした異電圧・異周波数非対応の機器が特に意識されるでもなく広く利用されていること(※意識されるのは恐らく東西をまたいで引っ越しする場合に限られます)で、今後仮に日本の商用電源電圧・周波数が変更される際には、こうした非対応機器の事前淘汰が何より優先されねばならないでしょう。

(次回、『日本の商用電源は今のまま続くのか?』に続きます)

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