D3142

連載:IT因縁話「ディスクインターフェイスの天下統一(2)~SASIからSCSIへ~」

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by [2014年4月14日]

▼連載「ディスクインターフェイスの天下統一」目次▼
黎明のハードディスクインターフェイス
SASIからSCSIへ
IDE/ATAそしてATAPI
SASとSATA
直接接続への回帰
▲連載目次▲

SASIからSCSIへ

さて、周囲のメーカーが(無断で割と好き勝手に)ST-506のインターフェイスを模倣した原始的な直接制御タイプのハードディスクインターフェイスを採用していた頃、Seagateは次世代のハードディスクインターフェイスを模索していました。

NEC PC-98GS model 1内蔵ハードディスクユニット
ST-412互換インターフェイスを備えるD3142(左奥の銀色の箱)と変換基板(右手前)を組み合わせて搭載し、パソコン本体からはD3142がSASI接続のハードディスクに見えるようにしていた。右にあるコネクタは外付け増設ドライブ用コネクタで、ここを経由する信号はSASI規格準拠となる。NECのPC-9800シリーズではSCSIとATA(相当)の併用に切り替わる1990年代初頭まで、このように自社製ST-506/412互換ドライブをSASI規格に信号変換して搭載していた。

そんな同社が目を付け採用したのが、5.25インチフロッピーディスクドライブの開発元として有名なシュガート・アソシエイツが開発した、SASI(Shugart Associates System Interface)と呼ばれるインターフェイスでした。

このSASIでは、ハードディスクをパソコン本体が細かく制御するのではなく、ハードディスクの制御基板上に高機能なコントローラを搭載し、パソコン側からは「○○の操作を行え」といった抽象的なコマンドを送信すれば、後はドライブ上のコントローラが受け取ったそのコマンドを解釈して、そのコマンドの実行に必要となるハードディスクの具体的な動作を制御する、インテリジェント動作が特徴でした。

I-O DATA DEVICE SC-UPCI
SYMBIOS Logic製Ultra/Ultra Wide SCSI対応コントローラである53C875を搭載するPCIバス対応SCSIカード。SCSIカードでは多様な用途に対応すべく50ピンナローコネクタ(左下)と68ピンワイドコネクタ(右下)を並べて実装する例が多く見られた。

もっとも、SASIは汎用性に欠けたため、1986年になってSASIを基本としつつ汎用性や拡張性を高めたSCSI(Small Computer System Interface:なおSCSIは「スカジー」と発音します)がANSI(American National Standards Institute:米国国家規格協会)によって定められました。

SCSIは当初8ビット幅、バスクロック周波数5MHzで転送レート5メガバイト毎秒にてデータ転送を行っていたのですが、その後は機器相互の接続互換性を保ったままバスクロック周波数が高速化し、またバス幅を16ビットに倍増した規格も制定されました。さらにCD-ROMなどの光学ディスクドライブやスキャナなど多種多様なデバイスがサポートされました。

このSCSIは最終的にUltra 320 SCSIとして1チャネルあたり最大320メガバイト毎秒のデータ転送を行い最初期のSCSIの64倍の速度を叩き出す高速規格に発展しています。

(次回、『IDE/ATAそしてATAPI』へ続きます)

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