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連載:IT因縁話「VGA≠画面解像度(2)~PC/ATのために開発されたEGA~」

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by [2014年4月01日]

▼連載目次▼
はじまりはMDA・CGAから
PC/ATのために開発されたEGA
PS/2と共にデビューしたVGA
IBM PCでの日本語対応
・IBMによるハードウェア支配の終わり
▲目次▲

PC/ATのために開発されたEGA

EGA・CGA・MDAの画面サイズ比較図
720×350ピクセル(相当)のMDAが最大となる。

IBMが初代PCのために用意した2種のグラフィックカード、中でもCGAは開発当時の水準でさえ高性能なカードではありませんでした。

それでもIBMが提供する標準グラフィックカードであったことからこの製品は相応に尊重されていたのですが、CPUが強力な80286に切り替わって高速化したPC/ATが登場する1984年になるとさすがに陳腐化は覆い隠せず、CGAの後継としてEGA(Enhanced Graphic Adapter)がPC/ATに標準搭載されるようになりました。

このEGAはVRAM容量を64キロバイトに増強し、CGAとの一定の互換性を保ちつつ640×350ピクセルで64色中16色表示を可能としました。

つまり、CGAとの比較では画面サイズが縦方向に75パーセント増、厳密な意味での比較にはなりませんがMDAとの比較では画面サイズが横方向に8/9に減少したことになります。

これで半角英数文字を80桁×25行表示に対応していましたから、最低でも16×16ピクセルで1文字を表示する必要のある全角日本語を実用的に表示するには厳しいハードウェアであったと言えます。

このような仕様となったのは、当時IBMの日本法人である日本IBMがIBM PCとその後継各機種を販売せず、1983年から1,024×768ピクセル表示による日本語表示機能を備えたマルチステーション5550シリーズと呼ばれる独自規格の高性能パソコンを販売していて、特に日本語表示に対応する必要が無かったのが一因でした。

ちなみに、このEGAがIBM PCの標準グラフィック機能であった時代には、既にサードパーティ製の互換グラフィックカードが広く普及していたのですが、それらは大半がVRAMを純正比で4倍となる256キロバイト搭載として後述するVGAに近い機能やそれを上回る解像度での表示を実現して支持を集めました。

(次回、『PS/2と共にデビューしたVGA』へ続きます)

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